医療

資格・職種

専門看護師:高度な知識と技術で看護を支える

- 専門看護師とは 近年、医療は目覚ましい進歩を遂げていますが、それと同時に、病気の種類や治療法も複雑化し、患者さん一人ひとりに寄り添った高度な看護の必要性が高まっています。このような状況の中、質の高い看護を提供するために、特定の専門分野において深い知識と高度な技術を身につけた看護師がいます。それが「専門看護師」です。 専門看護師は、がん看護や精神看護、集中ケア、小児看護など、現在13の専門分野において活躍しています。彼らは、それぞれの専門分野において、豊富な経験と最新の知識に基づいた高度な看護実践能力を有しています。 具体的には、患者さんの抱える複雑な症状や副作用、療養生活上の問題に対して、専門的なアセスメントを行い、個別的なケアを提供します。また、医師や他の医療スタッフ、患者さんの家族との連携を図りながら、患者さんが安心して治療や療養生活を送れるよう、多職種チームの中心的役割を担います。 専門看護師になるためには、日本看護協会が実施する厳しい認定審査に合格する必要があります。審査では、5年以上の実務経験に加え、専門分野における大学院レベルの教育課程を修了していることなどが求められます。 専門看護師は、その高い専門性と倫理観に基づき、患者さん中心の質の高い看護を提供することで、日本の医療現場における重要な役割を担っています。今後、ますますその役割が期待されています。
資格・職種

看護師の仕事:患者さんの心に寄り添う

- 看護師とは看護師は、病気、怪我、障害など、様々な健康上の問題を抱える人々に対して、専門的な知識と技術に基づいたケアを提供する、医療現場に欠かせない役割を担っています。医師の指示のもと、点滴や注射、薬の管理、傷の手当てといった医療処置を行い、患者さんの回復をサポートします。 看護師の仕事は、医療処置だけにとどまりません。患者さんの状態を注意深く観察し、変化があれば医師に報告することも重要な役割です。例えば、体温や血圧、脈拍などのバイタルサインをチェックしたり、患者さんの訴えに耳を傾けたりすることで、異常にいち早く気付くことができます。そして、医師に正確に情報を伝え、適切な治療につなげていきます。 また、看護師は、患者さんの日常生活を支える存在でもあります。食事や入浴、トイレなどの介助や、病気や治療に関する不安や悩みに寄り添い、精神的なサポートも行います。患者さんが安心して治療に専念できるよう、温かく寄り添うことが求められます。 このように、看護師は、患者さんの心身に寄り添いながら、健康な状態へと導く、重要な役割を担っているのです。
その他

社会的入院:知っておきたい現状と課題

- 社会的入院とは「社会的入院」とは、病気や怪我の治療という医療的な必要性があまりないにもかかわらず、患者が長期にわたって病院に入院している状態を指します。これは、病院が本来の役割である医療の提供を行う場としてではなく、生活の場や介護の場として利用されている状況を示しており、日本の医療制度が抱える複雑な問題を浮き彫りにしています。高齢化社会の進展に伴い、日本では一人暮らしの高齢者や家族の介護負担の増加といった社会問題が深刻化しています。そのような中、病院は医療を提供する場であると同時に、高齢者にとって住み慣れた住居から離れることなく、食事や身の回りの世話などのサービスを受けられる場所として認識されるようになっています。また、介護保険制度の利用には制限があり、在宅介護サービスの不足や経済的な事情から、家族が十分な介護を提供することが難しい場合も少なくありません。こうした状況下では、医療の必要性が低いにもかかわらず、病院が生活の場や介護の場として利用され、結果として長期入院につながってしまうケースが見られます。これが「社会的入院」と呼ばれる状態です。社会的入院は、限られた医療資源の有効活用を阻害するだけでなく、患者にとっても、病院という環境下での生活の質の低下や、社会的なつながりの希薄化といった問題を引き起こす可能性があります。この問題の解決には、医療制度の改革や介護サービスの充実など、多角的な視点からの取り組みが必要不可欠です。
資格・職種

医療現場の頼れるパートナー:医療クラーク

- 医療クラークとは医療クラークとは、病院やクリニックにおいて、医師や看護師が診療に専念できるよう、受付や事務業務全般をサポートする役割を担っています。患者さんにとっては、病院やクリニックに訪れた際の最初の窓口となり、スムーズな診療を支える、いわば病院やクリニックの「顔」とも言える存在です。具体的な業務内容としては、受付での患者さんの案内や電話対応、診療予約の管理、電子カルテへの情報入力、診療報酬請求業務などが挙げられます。医師の指示に基づいて、診断書や紹介状などの書類作成を行うこともあります。また、患者さんからの問い合わせや要望に対応するのも重要な業務です。医療クラークは、医療事務の専門知識に加え、患者さんとのコミュニケーション能力や、正確かつ迅速な事務処理能力が求められます。患者さんのプライバシーに関わる情報を取り扱うため、守秘義務を厳守することも重要です。近年では、医療機関におけるIT化の進展に伴い、電子カルテや医療事務システムを使いこなすためのスキルも必要とされています。医療クラークは、医療現場を支える重要な役割を担っており、患者さんが安心して診療を受けられる環境を作るために欠かせない存在です。
資格・職種

高齢化社会に不可欠な訪問看護

- 訪問看護とは訪問看護とは、病気や障害によって通院が難しい方や、退院後も自宅で療養生活を送りたいと希望する方に対して、看護師が自宅に訪問して専門的なケアを提供するサービスです。病院と同様、医師の指示のもとに行われ、病気や障害の症状緩和だけでなく、患者さんが安心してその人らしく生活できるよう、多岐にわたるサポートを提供します。具体的には、体温や血圧の測定、点滴、注射、傷の手当、服薬管理など、病院と変わらない医療処置を受けることができます。また、病気や障害によって日常生活に支障がある場合は、食事や入浴、トイレの介助など、日常生活の支援も行います。さらに、リハビリテーション専門職と連携し、身体機能の回復や維持のためのリハビリテーションなども自宅で受けることができます。訪問看護は、高齢の方だけでなく、病気や障害のあるお子さん、精神的なサポートが必要な方など、幅広い方を対象としています。また、患者さんだけでなく、介護をしている家族へのサポートも行います。看護師は、介護の方法や精神的な負担を軽減するための相談対応、介護用品の紹介などを行い、家族が安心して介護を続けられるよう支援します。訪問看護を利用することで、住み慣れた自宅で、安心して療養生活を送ることが可能になります。また、定期的な訪問によって、病気の早期発見や悪化の予防にもつながります。一人で悩まず、まずは気軽に相談してみましょう。
その他

難病法:難病患者のために

- 難病法とは難病法、正式名称「難病の患者に対する医療等に関する法律」は、平成26年に制定されました。これは、国が定めた特定の難病を抱える患者さんに対して、医療費の負担軽減や就労支援など、様々なサポートを行うための法律です。従来、難病を抱える患者さんへの支援は、病気の種類によって異なり、充実したサポートを受けられないケースも見られました。しかし、この法律が制定されたことで、病気の種類に関わらず、一定の条件を満たす難病患者さんに対して、国が主体的に支援を行うことになりました。具体的には、医療費の負担軽減のための制度や、就労支援、相談窓口の設置などが、この法律に基づいて実施されています。医療費負担軽減に関しては、患者さんの所得に応じて医療費の自己負担限度額が設定され、高額な医療費がかかる場合でも、患者さんの負担が軽減される仕組みです。また、就労支援については、ハローワークなどを通して、患者さんの状況に合わせた就職活動のサポートや、職場復帰に向けた支援などが行われています。難病法は、難病を抱える患者さんとその家族が、安心して治療や生活を送れるように、そして社会全体で患者さんを支えていくために、重要な役割を担っています。
その他

臨床病理カンファレンス:多職種連携の学び舎

- 臨床病理カンファレンスとは 臨床病理カンファレンス(CPC)は、病院内で定期的に開かれる会議で、医師たちが一堂に会し、患者さんの症例について多角的に検討する場です。 特に、亡くなられた患者さんの症例を対象とし、生前の診断内容や治療の経過を振り返りながら、病理解剖で得られた結果と詳細に照らし合わせます。 このプロセスを通じて、診断の正確性や治療方針の妥当性を改めて検証し、医療の質向上を目指すことが大きな目的です。 カンファレンスでは、担当医が症例の経過を発表した後、参加者全員で活発な議論を行います。 具体的には、 * 当初の診断は適切だったのか * 行われた治療法は最適だったのか * 結果を踏まえて、今後はどのような点に注意すべきか などを多角的に検討します。 CPCは、個々の症例から学びを得て、医療現場全体で共有することで、同様の症例に適切に対応できる体制を整え、医療従事者の知識や技術の向上に繋がる重要な機会となっています。 そのため、多くの病院で定期的に開催され、医療の質向上に大きく貢献しています。
外科

命をつなぐ尊い行為:ドナーについて

病気や事故などによって、体の一部が機能しなくなってしまうことがあります。その結果、日常生活に支障をきたしたり、命に関わるような深刻な状況に陥ったりすることも少なくありません。そのような患者さんの命を救うために、臓器移植という治療法があります。臓器移植は、機能を失った臓器の代わりに、健康な臓器を移植する治療法です。臓器を提供してくれる人のことを、ドナーと呼びます。 ドナーには、大きく分けて2つの種類があります。1つは、ご自身が亡くなられた後に臓器を提供する「脳死ドナー」と、もう1つは、生きている間に臓器の一部を提供する「生体ドナー」です。脳死ドナーは、心臓死とは異なり、脳の機能が完全に停止した状態を指します。この状態でも、心臓や肺など、他の臓器は機能していることがあります。そのため、人工呼吸器などを用いることで、心臓を動かし続けながら臓器を摘出することが可能になります。一方、生体ドナーは、主に親族間で、腎臓や肝臓の一部などを提供します。 ドナーから提供される臓器は、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球など、多岐にわたります。これらの臓器は、移植を必要とする患者さんの体内に移植され、再びその機能を取り戻すことが期待されます。ドナーは、まさに他の人の命と未来を救う、尊い贈り物をする存在と言えるでしょう。
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