医療経済

その他

医療費と質のバランス:マネジドケアとは

- マネジドケアとは マネジドケアとは、医療費の増加を抑えつつ、加入者への医療サービスの質を向上させることを目的とした医療保険の仕組みです。従来の医療保険では、医療機関が自由に診療を行い、その費用を保険者に請求していました。この方法では、医療費が膨らみやすく、医療の質もばらつきが生じる可能性がありました。 そこで登場したのがマネジドケアです。マネジドケアでは、保険者が医療機関と契約し、診療内容や費用を事前に調整します。この調整によって、医療費の抑制と医療の質の向上を図ります。 具体的には、患者が医療機関を受診する際に、事前に保険者に承認を得る必要がある場合があります。また、あらかじめ決められた医療機関ネットワーク内でのみ診療を受けることが条件となっている場合もあります。 このように、マネジドケアは従来の医療保険に比べて患者側にもいくつかの制限が設けられます。しかし、その反面、医療費の負担を軽減できる、質の高い医療サービスを受けられる可能性が高まるなど、患者にとってのメリットも存在します。
その他

医療費の仕組み:診療報酬とは?

病院で診察を受けたり、薬局で薬をもらったりすると、私たちは医療費を支払います。しかし、診察や薬の値段がいくらか、実際に支払っている金額がどのように決まっているのか、詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。 私たちが病院の窓口で支払う医療費は、実は医療機関が本来請求する金額よりも少なくなっています。これは、日本の医療制度に健康保険制度が導入されており、医療費の一部を保険者が負担しているためです。 私たちが加入している健康保険には、大きく分けて職場で加入する「組合保険」や「協会けんぽ」と、公的機関である市区町村などが運営する「国民健康保険」の二つがあります。 これらの健康保険に加入することで、病院の窓口で支払う医療費は本来の医療費の1~3割負担で済みます。残りの7~9割は加入している健康保険組合や国民健康保険が負担します。例えば、本来1万円かかる医療費の場合、実際に窓口で支払うのは、1000円~3000円になります。 このように、健康保険制度によって、私たちは高額な医療費負担を避けることができるようになっています。健康保険証は大切に扱い、医療機関を受診する際には必ず提示するようにしましょう。
看護技術

質の高い看護への評価:看護加算とは?

- 看護加算とは? 病院で治療を受けると、治療費とは別に「入院料」を支払いますよね。この入院料には、医師の診察や手術、薬の処方など、様々な医療行為に対する費用が含まれています。実は、この入院料の中に「看護加算」という項目が含まれているのです。 看護加算とは、患者さん一人ひとりに提供された看護の質に応じて、病院が受け取る入院料に上乗せされる金額のことを指します。簡単に言うと、質の高い看護を提供すればするほど、病院はより多くの報酬を受け取ることができるという仕組みです。 では、看護の質はどのように評価されるのでしょうか? 看護師の数、看護師の経験年数、患者さんの状態、提供された看護の内容などが評価の対象となります。例えば、夜勤の看護師が多い、看護師の経験が豊富である、患者さんの状態に合わせてきめ細やかな看護が提供されている、といった病院では、看護加算が高く設定され、より多くの報酬を受け取ることができます。 看護加算は、病院にとって、より質の高い看護を提供するための重要な原資となっています。看護師の増員やスキルアップ研修、より良い看護体制の構築などに活用することで、患者さんにとってより安心で安全な医療を提供することにつながっていくのです。
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