医療機器

検査

手術の現場における「ラパ」とは?

「ラパ」という言葉を耳にしたことがありますか?もしかしたら、医療ドラマの手術シーンで、医師が「ラパで…」と話すのを聞いたことがあるかもしれませんね。この「ラパ」は、「腹腔鏡」を意味する医療現場で使われる略語です。 では、腹腔鏡手術とはどのような手術なのでしょうか? これは、お腹を大きく切開する従来の開腹手術とは異なり、お腹に小さな穴を数カ所開け、そこからカメラや手術器具を挿入して行う手術のことです。カメラを通して体内の様子はモニターに映し出されるため、医師は鮮明な画像を見ながら手術を進めることができます。 腹腔鏡手術は、開腹手術に比べて傷口が小さくて済むため、患者さんの体への負担が軽減されます。 また、術後の痛みも少なく、回復も早いというメリットがあります。そのため、近年では、さまざまな手術において、この腹腔鏡手術が取り入れられています。
検査

手術の略語:ラパってなに?

皆さんは「ラパ」という言葉を耳にしたことはありますか?もしかしたら、医療ドラマの手術シーンで、医師が「ラパで!」と指示を出す場面を目にしたことがあるかもしれませんね。 実はこの「ラパ」という言葉、正式な医学用語ではなく、医療現場だけで使われている略語なのです。「ラパ」は「腹腔鏡手術」のことを指します。 従来の手術では、お腹を大きく切開して、医師が直接患部を見て手術を行っていました。しかし、腹腔鏡手術では、お腹に小さな穴をいくつか開け、そこから細い管状の器具である腹腔鏡と手術器具を挿入します。腹腔鏡にはカメラがついており、そのカメラが捉えた映像をモニターに映し出すことで、医師はモニター越しにお腹の中を見ながら手術を行うのです。 お腹を大きく切開する必要がないため、従来の手術に比べて傷口が小さく、患者さんの身体への負担が軽減されます。また、術後の痛みも少なく、回復も早いといったメリットがあります。 そのため、近年では様々な手術において、この腹腔鏡手術が広く行われるようになってきました。
循環器

完全置換型人工心臓:心臓移植を待つ希望

- 完全置換型人工心臓とは 人間の心臓は、全身に血液を送り出すために休むことなく動き続けている、とても重要な臓器です。しかし、病気や怪我などによって心臓の機能が低下してしまうことがあります。心臓の機能が低下すると、体全体に十分な血液を送ることができなくなり、生命維持が困難になる場合もあります。このような場合に、心臓の代わりとなる医療機器として用いられるのが「完全置換型人工心臓」です。 完全置換型人工心臓は、機能しなくなった心臓を完全に取り出し、その場所に埋め込む人工臓器です。人工心臓は体内埋め込み型のポンプで、血液を循環させるという心臓本来の役割を担います。この人工心臓によって、心臓の機能が低下した患者さんの生命を維持し、生活の質を向上させることが期待できます。英語では「Total Artificial Heart」といい、TAHと略されることもあります。 完全置換型人工心臓は、主に重症心不全の患者さんに対して使用されます。重症心不全とは、心臓の機能が著しく低下し、薬物治療などの一般的な治療法では効果が期待できない状態を指します。従来の治療法では救命が難しい場合でも、完全置換型人工心臓を移植することで、患者さんの生命を救い、生活の質を向上させることが期待できます。
外科

外科手術の必需品:開胸器とその役割

- 開胸器とは開胸器とは、心臓や肺といった、胸部に位置する臓器に対して外科手術を行う際に必要不可欠な医療器具です。人の胸部は、心臓や肺といった生命維持に重要な役割を担う臓器を保護するために、肋骨と呼ばれる複数の骨が組み合わさって鳥籠のような構造を作っています。この頑丈な構造のため、手術を行うためには肋骨の間を何らかの方法で広げて、内部の臓器にアクセスするための空間を確保する必要があります。 開胸器はこのような場面で活躍します。開胸器を用いることで、外科医は胸骨や肋骨の間を安全かつ確実に広げ、手術を行うのに十分な空間を確保することができます。この空間は、外科医が手術部位である胸腔内臓器を直接目視し、繊細な操作を行うために必要不可欠です。 開胸器によって適切な視野が確保されることで、手術の精度と安全性が向上します。また、手術時間の短縮にも繋がり、結果として患者さんの体への負担軽減にも大きく貢献します。
外科

心臓手術を支える縁の下の力持ち:スタビライザー

心臓外科手術は、患者の命を預かる極めて重要な手術です。中でも、心臓が動いたまま行う心拍動下冠動脈バイパス手術は、高度な技術と精密な作業が要求される非常に難しい手術として知られています。 心臓は、全身に血液を送るために絶えず拍動を続けています。そのため、手術を行うためには、この動きを最小限に抑え、手術部位を安定させることが不可欠です。もし、心臓が大きく動いてしまうと、周囲の組織を傷つけたり、出血を招いたりする危険性が高まります。 そこで活躍するのが「スタビライザー」と呼ばれる医療器具です。スタビライザーは、心臓の特定の部分を優しく固定することで、手術中の心臓の動きを抑制し、安定した手術操作を可能にします。 スタビライザーの使用により、より安全かつ正確な手術が可能となり、患者さんの体への負担軽減にも大きく貢献しています。 心臓外科医は、長年の研鑽を積み重ねた高度な技術と、最新の医療機器を駆使することで、患者さんの命と健康を守っています。心拍動下冠動脈バイパス手術のような高度な手術は、まさに心臓外科医の技術と経験の結晶と言えるでしょう。
泌尿器

尿道カテーテル:役割と種類

- 尿道カテーテルとは尿道カテーテルとは、自力で尿を排出することが難しい患者さんに対して、尿道を通して膀胱内に細い管を挿入し、尿を体外に導くための医療器具です。人間の体内には、腎臓で作られた尿を膀胱へと運ぶ管である尿道が存在します。通常、膀胱に尿が溜まると、私たちは自然な尿意を感じ、自分の意思で尿を排出することができます。しかし、病気や怪我、手術の影響など様々な理由により、この尿の排出が困難になる場合があります。このような場合に用いられるのが尿道カテーテルです。尿道カテーテルは、主にシリコンやラテックスといった柔らかく、体になじやすい素材で作られた細い管状の形をしています。カテーテルの先端は膀胱内にとどまりやすくするためにバルーン状になっており、挿入後にこのバルーンに水などを注入することで、カテーテルが不用意に抜けてしまうのを防ぎます。尿道カテーテルは、患者さんの状態や目的に合わせて、短期間だけ使用するものと、長期間にわたって使用するものがあります。短期間の使用としては、手術中や手術後の短期間、尿路結石の治療時などが挙げられます。一方、長期間の使用としては、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気、あるいは寝たきり状態などにより、長期にわたり自力排尿が困難な場合などが考えられます。尿道カテーテルを使用することで、患者さんは尿閉による苦痛や膀胱への負担を軽減し、快適な生活を送ることができます。しかし、カテーテルの挿入や留置には、尿路感染症などの合併症のリスクも伴います。そのため、医師や看護師の指導のもと、適切な管理を行うことが重要です。
検査

聴診器:医師の耳となる道具

聴診器は、医師が診察を行う際に欠かせない道具の一つです。体の表面に直接当てることで、心臓や肺など、体の内部から発生する音を聞くことができます。レントゲン写真のように体の中を直接見ることができるわけではありませんが、聴診器を通して聞こえる音は、医師にとって患者の状態を知るための重要な手がかりとなります。 聴診器は、大きく分けて集音部と伝音部に分かれています。集音部は、患者の体に直接当てる部分で、ここから体の内部の音を集めます。伝音部は、集めた音を医師の耳に伝える部分で、チューブや耳当てなどが含まれます。 聴診器を使うことで、心臓の音を聞いて脈拍の速さやリズムの異常を調べたり、肺の音を聞いて呼吸の状態を確認したりすることができます。また、お腹の音を聞くことで、消化器官の状態を判断することもできます。 聴診器は、医療現場において、患者を診察する際に欠かせない道具であり、医師は聴診器で得られた情報を他の診察方法と組み合わせることで、より正確な診断を下すことができます。
看護技術

フットポンプ:血栓を予防する医療機器

- フットポンプとは手術後など、病気や怪我の治療のために長時間ベッドで安静にしていなければならないことがあります。しかし、長時間じっとしていると、足の静脈に血液のかたまり(血栓)ができやすくなってしまいます。これを深部静脈血栓症といい、重症化すると肺塞栓症を引き起こし、命に関わる危険性もあるのです。このような事態を防ぐために用いられるのが、フットポンプです。フットポンプは、空気の力で足の筋肉をマッサージする医療機器です。足に装着したブーツのような形をした部分に、機械で空気を出し入れすることで、まるで足首からふくらはぎの筋肉をポンプのように動かしているような状態を作り出します。これにより、足の静脈を圧迫し、血液を心臓に戻す働きを助けます。その結果、足の静脈に血液が滞るのを防ぎ、血栓ができるリスクを減らすことができるのです。フットポンプは、間欠的空気圧迫装置、IPCポンプなどとも呼ばれています。主に手術後の患者さんを中心に、医療現場で広く活用されているものです。
外科

手術後の必須アイテム:ペンローズ・ドレーンの役割

- ペンローズ・ドレーンとはペンローズ・ドレーンとは、手術後などに体内に溜まった血液や組織液などを体外に排出するために用いられる、柔らかく扁平な管のことです。体内に異物が残ると、そこから細菌感染を起こしたり、傷の治りが遅くなったりする可能性があります。ペンローズ・ドレーンを患部に挿入することで、これらの不要な液体を効率的に除去し、合併症のリスクを低減することができます。ドレーンには様々な種類がありますが、ペンローズ・ドレーンはフィルム型に分類され、細いゴムやシリコン製の管で作られています。管の中は空洞になっており、この構造が重要な役割を果たします。体内に挿入されたドレーンの周囲には、手術などの影響で組織液や血液などが溜まります。ペンローズ・ドレーンはこの液体を、毛細管現象と呼ばれる物理現象を利用して、管の内部に引き込みます。毛細管現象とは、細い管状の空間で液体が重力に逆らって上昇する現象のことです。ペンローズ・ドレーンの場合、管の内壁と体液との間に働く力によって、体液が管の中を伝って体外へと排出されます。ペンローズ・ドレーンは、構造が単純で、挿入が比較的容易であるという利点があります。また、体への負担が少なく、費用も比較的安価です。しかし、自然に排出される力のみを利用するため、排出量が少なく、管理に手間がかかるという側面もあります。そのため、排出量の多い場合や、長期間にわたるドレナージが必要な場合は、別の種類のドレーンが用いられることもあります。
小児科

早産児を守る保育器:クベース

クベースとは、妊娠期間が満期に満たずに生まれてきた赤ちゃん、いわゆる早産児や未熟児の命を守るための医療機器で、保育器の一種です。赤ちゃんは母親のお腹の中で約10ヶ月もの間、大切に育てられます。その間、お母さんから栄養や酸素をもらいながら、成長に必要な様々な機能を身につけていきます。しかし、何らかの理由で予定よりも早く生まれてきた赤ちゃんは、体温を一定に保つ、呼吸をする、細菌やウイルスから体を守るといった、生きていくために必要な機能が未熟な状態です。そのため、外の世界でそのまま生活することは非常に困難です。 クベースは、そのような小さく生まれた赤ちゃんのために、まるで母親のお腹の中のように、温かく、そして安全な環境を提供します。具体的には、クベースの内部は、赤ちゃんの成長に最適な温度と湿度に保たれています。さらに、外部の空気はフィルターを通して清潔な状態に保たれ、赤ちゃんを細菌やウイルスから守ります。また、必要に応じて酸素濃度を調整することも可能です。クベースは、これらの機能によって、赤ちゃんが安心して成長し、外界で生きていけるようになるまで、しっかりとサポートしてくれるのです。
泌尿器

バルーンカテーテル:膀胱への安全なアクセス

- バルーンカテーテルとはバルーンカテーテルとは、体内の管状の器官や血管などに挿入して使用する、先端に風船状の部分が付いた医療用の細い管のことです。この風船部分は「バルーン」と呼ばれ、カテーテルを目的の場所に固定したり、管を広げたりするために使用されます。バルーンカテーテルは、心臓、血管、尿道、胆管など、体の様々な部位で使用されます。例えば、心臓カテーテル検査では、心臓の冠動脈にバルーンカテーテルを挿入し、バルーンを膨らませて狭くなった血管を広げます。泌尿器科領域では、バルーンカテーテルは主に尿道から膀胱に挿入し、尿を体外に排出する目的で使用されます。この場合、カテーテルは「尿道カテーテル」と呼ばれ、膀胱内に挿入された後、バルーンに水または生理食塩水を注入して膨らませることで、カテーテルが抜け落ちないように固定します。バルーンカテーテルは、医療現場において様々な疾患の診断や治療に欠かせない医療機器の一つとなっています。
泌尿器

尿道カテーテル:役割と種類

尿道カテーテルとは、尿の通り道である尿道から膀胱まで、細い管を挿入し、尿を体外に排出するための医療器具です。この管のことをカテーテルと呼びます。 主に、自力で排尿することが難しい方に対して使用されます。例えば、手術後や病気の影響で一時的に排尿が困難な場合や、神経系の障害などで自分の意思で排尿をコントロールすることが難しい場合などです。 尿道カテーテルには、留置カテーテルと一時的カテーテルの二つの種類があります。留置カテーテルは、長期間にわたってカテーテルを挿入しておく必要があり、バルーンと呼ばれる水袋で膀胱内に固定されます。一方、一時的カテーテルは、その名の通り一時的に尿を排出するために使用し、その後は抜去します。 尿道カテーテルを使用することによって、尿閉による腎臓への負担を軽減したり、失禁の管理をしたりすることができます。しかし、カテーテルを挿入することによって、尿路感染症などの合併症のリスクも高まります。そのため、医師は患者の状態を考慮し、尿道カテーテルを使用する必要性とリスクを比較検討した上で、使用を決定します。
産婦人科

新生児を守る移動式ベッド:コット

- コットとは産婦人科や小児科で生まれたばかりの赤ちゃんを寝かせるために、移動式のベッドが使われています。このベッドは「コット」と呼ばれ、病院内で赤ちゃんを安全に移動させたり、お母さんのベッドのすぐそばに寄せて赤ちゃんのお世話や授乳をしやすくするために使われています。コットの特徴は、上段が透明なケースのようになっていることです。これにより、赤ちゃんをあらゆる角度から観察することができます。また、外部からの刺激や感染から赤ちゃんを守る役割も果たします。コットは、赤ちゃんの安全と快適さを考慮して設計されています。ベッドの高さは調節可能で、お母さんが無理のない姿勢で赤ちゃんのお世話ができるようになっています。また、ベッドの側面には柵が設けられており、赤ちゃんが誤って転落するのを防ぎます。さらに、コットの下部には収納スペースが設けられており、おむつやおしりふきなどのベビー用品を収納することができます。このように、コットは病院において、新生児の安全と快適な環境を提供するために欠かせないものです。そして、お母さんにとっても、安心して赤ちゃんのお世話ができる環境を提供してくれる、心強い味方といえるでしょう。
検査

健康のバロメーター:体温計を知ろう

- 体温計とは体温計は、私たちの体の状態を知るための、とても身近な道具です。毎日のように使う人もいれば、風邪を引いた時くらいしか使わない人もいるかもしれません。しかし、体温計が示す「体温」は、私たちの健康状態を映す重要なサインです。体温計を使うことで、私たちは自分の体が正常な状態にあるのか、そうでないのかを知ることができます。 体温計は、体の内部の温度を測ることで、健康状態をチェックするための道具です。健康な状態では、私たちの体温はほぼ一定に保たれています。これは、体が外部の気温の変化に関係なく、常に活動しやすい状態を保つために、体温調節機能が働いているからです。しかし、体に異常が起こると、この体温調節機能がうまく働かなくなり、体温が上昇したり、低下したりすることがあります。 体温計で体温を測ることで、発熱や低体温症などの体の異常を早期に発見することができます。早期発見は、適切な処置や治療を受けるために非常に重要です。また、毎日の体温を記録することで、自分の平熱を知ったり、体調の変化に気づくことができるようになります。 体温計には、脇の下で測るタイプや耳で測るタイプ、おでこで測るタイプなど、様々な種類があります。それぞれに特徴があるので、用途や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。 体温計は、健康管理に欠かせないアイテムです。正しく使って、健康的な毎日を送りましょう。
検査

アネロイド式血圧計:仕組みと特徴

- アネロイド式血圧計とはアネロイド式血圧計は、家庭や病院などで広く使われている血圧を測るための器具です。水銀を使わないため、安全で扱いやすいという利点があります。 測定の際には、腕にカフと呼ばれる帯状の袋を巻き付けます。このカフに空気を送り込むことで、腕の動脈を圧迫します。そして、聴診器を用いて、圧迫された状態から徐々に空気を抜いていく際に聞こえる血管音の変化を聞き取ります。 血管音の変化は、文字盤の針の動きと連動しており、音が初めて聞こえた時が最高血圧、音が消えた時が最低血圧を示します。 アネロイド式血圧計は、聴診器を用いた聴診による測定が必要なため、ある程度の訓練や経験が必要です。しかし、正確に使用することで、家庭でも手軽に血圧を把握することができます。
看護技術

医療におけるカテーテル:役割と種類を解説

- カテーテルとは何か私たちの体には、血管、尿管、消化管など、様々な管が張り巡らされています。これらの管は、血液を循環させたり、栄養を吸収したり、老廃物を排出したりと、生命維持に欠かせない役割を担っています。そして、これらの管を検査したり治療したりするために医療現場で広く使われているのが、カテーテルと呼ばれる柔らかく柔軟性のある管です。カテーテルは、診断や治療を目的として、体内の様々な管や空間に挿入されます。例えば、血管内にカテーテルを挿入することで、血液検査のための採血や、点滴による薬剤投与、心臓の働きを調べるカテーテル検査などを行うことができます。血管は全身に張り巡らされているため、カテーテルを挿入する部位によって、心臓、肺、肝臓など、様々な臓器の検査や治療が可能になります。また、尿道から膀胱にカテーテルを挿入することで、尿が出にくい患者さんの膀胱から尿を排出することができます。これは、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気で、自力で排尿することが困難な患者さんにとって、大きな助けとなっています。カテーテルを留置することで、患者さんの負担を軽減し、生活の質を向上させることも可能です。さらに、カテーテルは、胆管や膵管などの消化管にも挿入されます。胆石や膵臓がんなどの病気の診断や治療にもカテーテルは欠かせない存在となっています。このように、カテーテルは、現代医療において非常に重要な役割を担っており、様々な病気の診断や治療に貢献しています。そして、医療技術の進歩とともに、カテーテルはさらに進化し、患者さんの負担をより軽減する方向へ進んでいます。
救急

救急現場の必需品:アンビューバッグ

- アンビューバッグとはアンビューバッグは、呼吸が止まってしまったり、呼吸をすることが困難になってしまった患者の肺に、人の手で空気を送り込むための医療機器です。 自己呼吸が難しい状況でも、アンビューバッグを用いることで、肺に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出することができます。 この医療機器は、別名「バッグバルブマスク」とも呼ばれます。しかし、デンマークにあるアンビュー社の製品が広く世界で使われていることから、「アンビューバッグ」という名前の方が浸透しています。 アンビューバッグは、主に次の三つの部品から構成されています。 1. バッグ 手で握ったり、離したりすることで、空気を出し入れする部分です。材質はポリ塩化ビニルやシリコンゴムなどが一般的で、透明であるため、中の空気の量が一目でわかります。 2. バルブ 空気の流れを一方通行にするための弁です。バッグを握ると、バルブが開いて空気が患者に送られ、手を離すとバルブが閉じて、空気が逆流するのを防ぎます。 3. マスク 患者の顔に密着させて、空気を漏らさずに肺に送り込むための部分です。顔の形に合わせて、様々なサイズがあります。 救急医療の現場において、アンビューバッグは人工呼吸を行うための非常に重要な医療機器であり、救急隊員や医療従事者にとって、なくてはならないものです。
検査

医療の現場を支えるME機器

- ME機器とはME機器とは、「Medical Engineering」の略語であるMEを冠する機器のことです。これは、日本語では「医用工学」と訳され、工学の技術を医療分野に応用して開発された機器のことを指します。私たちの身近にも、ME機器は数多く存在します。例えば、毎日のように健康管理に用いる体温計や、病院で医師が使用する聴診器などもME機器に含まれます。体温計は、温度センサーを用いて体温を正確に測定し、聴診器は、 chestpieceと呼ばれる集音部で体の音を大きくすることで、医師が聴診しやすくしています。ME機器は、特に病院などの医療現場において、診断や治療、患者の状態を監視するために幅広く活用されています。血液検査を行う際に血液中の成分を分析する血液分析装置もME機器の一つです。また、レントゲン撮影に使用されるX線撮影装置も、X線を照射して体の内部を画像化するME機器であり、医師の診断を大きくサポートしています。このように、ME機器は、私たちの健康を守る上で欠かせない存在となっています。近年では、人工知能(AI)やIoT技術を搭載した、より高度なME機器の開発も進んでおり、医療現場のさらなる発展に貢献することが期待されています。
看護技術

新生児を守る移動式ベッド:コット

- コットとは病院の産婦人科や小児科でよく見かける、生まれたばかりの赤ちゃんを寝かせておく小さなベッド。それが「コット」です。大人のベッドとは違い、赤ちゃんのためにと考え抜かれた様々な工夫が凝らされています。生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ体温調節機能が未熟です。そのため、コットには保温性の高い素材が使われており、急な温度変化から赤ちゃんをやさしく守ります。また、移動に便利なようにキャスターが付いているのも特徴です。病院内での移動はもちろん、お母さんのベッドサイドに赤ちゃんを連れてくる際にも、スムーズに移動できます。コットは、赤ちゃんの安全にも配慮して作られています。柵は高く設計されており、赤ちゃんが誤って転落するリスクを最小限に抑えます。また、素材も赤ちゃんに優しいものが選ばれており、肌触りが良く、アレルギーの心配も軽減されます。このように、コットは赤ちゃんの安全と快適さを第一に考えられた、病院になくてはならない存在と言えるでしょう。
検査

医療現場の縁の下の力持ち:ブジー

- ブジーとは何かブジーとは、体内にある管状の臓器、例えば食べ物を胃に送るための器官や便を体外に排出するための器官、尿を排出するための器官、鼻と涙の通り道などを広げるために用いられる医療器具です。 これらの器官は、病気や怪我などによって狭くなってしまうことがあります。 このような場合に、ブジーを用いることで、狭くなった部分を広げ、再び正常な状態に戻すことができます。 ブジーは、「消息子」と呼ばれることもあります。 主に金属や硬質な素材で作られており、その形状は管状の臓器の通り道を確保したり、拡張したりするのに適しています。 ブジーの先端は丸みを帯びており、体内に入れる際に臓器を傷つけないように工夫されています。 また、太さも様々で、症状や治療目的に合わせて適切なものが選択されます。 ブジーは、医療現場において、様々な疾患の治療や検査に役立っています。 例えば、食道の狭窄に対しては、ブジーを用いて拡張する治療が行われます。 また、尿道が狭くなっている場合には、ブジーを通して尿道カテーテルを挿入し、尿を排出できるようにします。 このように、ブジーは、体内の管状の臓器の機能を回復させるために欠かせない医療器具と言えるでしょう。
呼吸器

鼻カニューレ:呼吸を楽にする医療器具

- 鼻カニューレとは鼻カニューレは、呼吸に問題を抱えている患者さんに酸素を供給するための医療器具です。細いチューブの先端に、鼻の穴に優しくフィットする柔らかい素材で作られた二股に分かれた部分があり、これを鼻腔に挿入して使用します。鼻カニューレは、その形状から「メガネ型カニューラ」とも呼ばれ、マスクタイプに比べて患者さんの負担が少ないという利点があります。そのため、呼吸困難、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎など、様々な疾患の患者さんに使用されています。鼻カニューレを通して供給される酸素は、血液中の酸素濃度を上昇させます。これにより、呼吸が楽になるだけでなく、臓器の機能維持にも役立ちます。また、息苦しさから解放されることで、患者さんの不安軽減にもつながります。鼻カニューレは、医師の指示のもと、適切な流量で酸素を供給することが重要です。流量が少なすぎると効果が得られず、多すぎると副作用が現れる可能性があります。酸素を使用する際は、火気に近づかないなど、安全にも十分注意する必要があります。
外科

心臓手術の立役者:人工心肺装置

- 人工心肺装置とは心臓は、私たちの体全体に血液を送り届ける重要な役割を担っています。まるで休むことなく動き続けるポンプのようです。しかし、心臓に病気や異常が見つかり手術が必要になった場合、手術を行うために一時的に心臓の動きを止める必要があります。心臓が止まると、血液を送り出すことができなくなり、体中に酸素が行き渡らなくなってしまいます。そこで活躍するのが、「人工心肺装置」です。人工心肺装置は、その名の通り「人工的に心臓と肺の働きを作り出す装置」です。心臓手術中に心臓が停止している間、人工心肺装置が心臓と肺の代わりに血液に酸素を送り込み、全身に循環させる役割を担います。具体的には、心臓が送り出すはずの血液を体外に取り出し、人工心肺装置内のポンプで酸素を溶かし込んだ血液を再び体内に戻します。この一連の働きによって、心臓が停止している間も、脳や他の臓器に酸素が供給され続けるのです。人工心肺装置は、心臓手術において欠かせない存在であり、心臓外科手術の安全性を飛躍的に高めました。心臓手術という大きな負担がかかる手術でも、患者さんが安心して手術を受けられるよう、医療技術は常に進歩し続けています。
検査

体の奥を照らす光:ファイバースコープ

私たちは自分の体の中で何が起こっているのか、普段は意識することもなく過ごしています。しかし、体の不調を感じた時、医師は体の内側を詳しく調べる必要があります。そのために用いられる道具の一つに、ファイバースコープがあります。 ファイバースコープは、まるで細い管のような形をした医療機器です。この管は柔軟性があり、体の表面だけでなく、口や鼻、あるいは小さな穴から挿入することで、体の奥深くまで到達することができます。 医師は、ファイバースコープの先端に付けられた小さなカメラを通して、臓器や消化管などの様子を、まるでテレビを見ているかのように観察することができます。さらに、ファイバースコープには、組織を採取するための小さな鉗子や、治療のためのレーザー光線などを送るための管も備わっており、観察だけでなく、治療にも役立てることができます。 ファイバースコープを用いることで、これまで手術をしなければわからなかった体の内部の状態を、患者への負担を少なく調べることができるようになりました。これは、医療技術の大きな進歩と言えるでしょう。
呼吸器

生命を支える人工呼吸器:レスピレーター

呼吸を助ける機械というと、あまり馴染みがない方も多いかもしれません。しかし、人工呼吸器と呼ばれるこの機械は、医療現場において、人の命を守る上で欠かせない、とても重要な役割を担っています。 人工呼吸器は、事故や病気など、様々な原因で自力で息をすることが困難になった患者さんの呼吸を、機械の力で補助する医療機器です。肺の機能が低下し、十分な酸素を取り込めなくなってしまった場合でも、人工呼吸器を使うことで、患者さんの体内に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出することができます。 人工呼吸器は、患者さんの状態に合わせて、呼吸の回数や一回ごとの空気の量などを細かく調整することができます。また、患者さんが自力で呼吸できるようになるまで、一時的に呼吸をサポートするだけでなく、長期的に呼吸の補助が必要な患者さんにとっても、生活の質を維持するために欠かせない存在となっています。 人工呼吸器は、医療現場において、まさに「命を繋ぐ」ための重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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