医療

呼吸器

在宅酸素療法:自宅で呼吸を支える

- 在宅酸素療法とは 在宅酸素療法とは、慢性的な呼吸器疾患によって息切れなどの症状がある患者さんが、自宅で酸素吸入を行う治療法です。 私たちの体は、呼吸によって肺から酸素を取り込み、血液によって体の隅々まで酸素を運びます。しかし、肺の病気が悪化すると、十分な酸素を取り込むことができなくなり、息切れや動悸、倦怠感といった症状が現れます。 このような状態の患者さんに対して、在宅酸素療法では、自宅で濃縮器という機械を使って酸素を作り出し、鼻に装着したチューブを通して酸素を吸入します。 在宅酸素療法を受けることで、呼吸が楽になり、外出や運動など活動的に過ごすことができるようになります。 また、病院ではなく住み慣れた自宅で治療を受けられるため、患者さんの生活の質(QOL)の向上に繋がると期待されています。
救急

病院の最前線!初療室:その役割と重要性

皆さんは「初療室」と聞いて、どのような場所を思い浮かべるでしょうか。テレビドラマなどで、緊迫した雰囲気の中、医師や看護師が慌ただしく患者に対応する様子を目にしたことがあるかもしれません。 初療室とは、救急車で病院に運ばれてきた患者さんが、最初に診療を受けるための特別な部屋のことです。まさに文字通り、その後の治療方針を決めるための最初の治療が行われる、非常に重要な場所となっています。 初療室には、一刻を争う状態の患者さんの命をつなぐための様々な医療機器が備わっています。人工呼吸器や心臓マッサージ器、電気ショックを与える除細動器など、どれも患者さんの状態を安定させ、次の段階の治療へとつなぐために必要不可欠なものです。 医師や看護師は、初療室に運ばれてきた患者さんの症状を素早く観察し、適切な処置を迅速に行います。 必要な検査を並行して行いながら、治療の優先順位を判断し、場合によっては手術室など他の専門的な部門へ患者さんを搬送することもあります。 このように、初療室は患者さんの命を救うための最前線の場であり、医師や看護師の迅速かつ的確な判断と行動が求められる場所といえるでしょう。
看護技術

ハイケアユニット:高度な医療を提供する場

- ハイケアユニットとはハイケアユニット(HCU)は、入院患者に対して、一般病棟よりも手厚い治療や看護を行うことを目的とした特別な病棟です。一般病棟では対応が難しい、より専門的な医療や看護を必要とする患者のために設けられています。では、具体的にどのような患者さんがHCUに入院するのでしょうか?例えば、外科手術後に集中的な管理が必要な方や、重篤な病気の治療中で、容体が急変する可能性がある方が挙げられます。これらの患者さんは、継続的な監視や、状態に応じた迅速な処置が必要となるため、専門性の高いHCUで治療を受けることが適切と判断されます。HCUは、一般病棟と集中治療室(ICU)の中間に位置付けられる病棟とも言えます。ICUほどは状態が安定していないものの、一般病棟で過ごすには不安がある患者さんにとって、HCUは安心できる医療環境を提供しています。

治験を支えるSMO: その役割と重要性

新しい薬や治療法が開発されると、誰もが安心して使えるようになる前に、その効果と安全性を確かめる必要があります。この確認のために、人 を対象に行われる臨床試験がいくつかあります。その中の一つが治験です。治験は、開発された薬や治療法が本当に効果的で、かつ安全であるかを確かめるための、人における最終的な試験と言えます。 治験は、健康な方や、病気の症状に苦しむ患者さんの協力のもとに行われます。具体的には、新しい薬を服用したり、新しい治療法を受けていただいたりします。その過程で、薬の効果や副作用、治療法による改善度合いなどを注意深く観察し、記録します。 治験は、新しい薬や治療法を必要とする患者さんのために、医療を前進させるために欠かせないプロセスです。 治験への参加は、未来の医療を支え、より多くの人の健康に貢献するという、とても意義深い行為と言えるでしょう。

治験を支えるSMOの役割

- 治験とは新しい薬や治療法が開発されて、私たち患者が使えるようになるまでには、長い年月と費用をかけて、様々な研究や試験が繰り返されます。その中でも、実際に患者さんに参加していただき、新しい薬や治療法の効果や安全性を確かめる試験のことを「治験」と言います。治験は、薬や治療法の開発において非常に重要な段階です。なぜなら、動物実験などではわからない、人体における効果や安全性を確かめることができるからです。具体的には、新しい薬の効果や副作用、適切な投与量などを調べます。治験は、厳しいルールと倫理的な配慮のもとで行われます。患者さんの安全を最優先に考え、国(厚生労働省)の承認を得た上で実施されます。また、治験に参加する患者さんには、事前に治験の内容について詳しく説明があり、参加するかどうかの自由意志が尊重されます。治験は、多くの患者さんの協力なくしては成り立ちません。新しい薬や治療法を待ち望む患者さんのためにも、治験は重要な役割を担っています。
外科

手術の進化:組織接着剤とその役割

組織接着剤は、手術や怪我の治療において、組織や臓器を繋ぎ合わせるために用いられる医療材料です。これは、例えるならば、体の中で傷口を塞ぐために働く血液凝固の仕組みを人工的に再現したものです。私たちの血液中には、トロンビンとフィブリノゲンと呼ばれる成分が含まれています。組織接着剤は、これらトロンビンとフィブリノゲンを主成分として作られています。組織や臓器の切断面に組織接着剤を塗布すると、トロンビンとフィブリノゲンが反応して、フィブリンと呼ばれる繊維状のタンパク質が生成されます。このフィブリンが網目状に組織を包み込み、接着力を発揮することで、傷口を素早く塞ぎます。このことから、組織接着剤はフィブリン糊とも呼ばれています。組織接着剤は、従来の縫合糸やホッチキスを用いる方法と比べて、出血や空気の漏れを効果的に防ぐことができます。また、手術時間を短縮できる、傷跡が目立ちにくいなどの利点もあります。そのため、近年、組織接着剤は、従来の方法に代わる、あるいは補完する手段として、多くの医療現場で注目されています。
看護技術

自分で行う排尿ケア:間欠的自己導尿法とは

毎日の生活の中で、トイレに行って尿を出すことは、私たちにとってごく自然なことです。しかし、病気や怪我など、さまざまなことが原因で、自分の力だけではスムーズに尿を出せなくなることがあります。このような状態が長く続くと、日常生活に不便を感じるだけでなく、体や心の負担も大きくなってしまいます。 今回は、尿を出すことに困難を感じている方に向けて、「間欠的自己導尿法」という新しい排尿ケアの方法についてご紹介します。 「間欠的自己導尿法」とは、決まった時間に、ご自身で細い管を尿道から膀胱に挿入し、尿を体外に排出する方法です。この方法は、自分の力で尿を出せない方でも、自然に近い形で排尿を促すことができるため、近年注目されています。 この方法の大きなメリットは、尿を体内に溜め込まないため、尿路感染症などのリスクを減らすことができる点です。また、従来の留置カテーテルのように、常に管を挿入しておく必要がないため、日常生活の自由度も高まります。 「間欠的自己導尿法」は、医師や看護師の指導を受ければ、自宅でも安全に行うことができます。尿が出せないという悩みを抱えている方は、ぜひ一度、医療機関にご相談ください。
看護技術

クレーデ法:用手的に尿を排出する方法

- クレーデ法とはクレーデ法は、尿意はあるものの、自分の力だけでは膀胱から尿を出し切ることができない人に対して用いられる方法です。これは、病気や怪我などが原因で、膀胱の筋肉が十分に働かないために起こることがあります。この方法は、19世紀にドイツの産婦人科医であるカール・シグムンド・フランツ・クレーデによって考案され、彼の名前にちなんで名付けられました。-# 具体的な方法クレーデ法では、患者さん自身または介助者が、恥骨の少し上の辺りから膀胱に向かって、手のひらでゆっくりと圧力をかけていきます。この部分を軽く押さえながら、膀胱全体を優しく押すように、円を描くようにマッサージすることもあります。この圧力によって、膀胱内の尿が尿道へと押し出され、尿が体外へと排出されるのを助けます。 クレーデ法は、主に神経因性膀胱などの排尿障害を持つ患者さんに行われます。しかし、この方法は誰にでも適しているわけではなく、医師の指導のもとで行うことが重要です。自己流で行うと、膀胱や尿道に負担をかけ、感染症のリスクを高める可能性もあります。
泌尿器

尿路管理:その重要性と目的

- 尿路管理とは 尿路管理とは、体の中で作られた尿を体の外に排出するまでの一連の流れをスムーズに行えるように、サポートすることをいいます。 私たちの体は、毎日、体にとって不要になったものや老廃物を血液で腎臓に運び、そこで尿を作っています。 作られた尿は、腎臓から膀胱へと運ばれ、膀胱に溜まっていきます。 そして、ある程度の量になると、尿道を通って体の外に排出されます。 通常、健康な状態であれば、この尿を作る、溜める、排出するという流れは自然と行われています。 しかし、病気や怪我、あるいは加齢などによって、この流れが滞ってしまうことがあります。 例えば、神経の病気や怪我によって膀胱の筋肉がうまく動かず、尿をうまく排出できない、いわゆる「尿閉」という状態になってしまうことがあります。 このような場合に、尿路管理が必要になります。 尿路管理には、生活習慣の改善指導や、薬物療法、カテーテルという細い管を用いて尿を排出するなどの方法があります。 特に、病気や怪我、加齢などによって自力で排尿することが困難になった患者さんにとって、適切な尿路管理は日常生活を送る上で非常に重要になります。 尿路管理によって、尿閉による腎臓への負担を軽減したり、尿路感染症などの合併症を防いだりすることができます。
小児科

GCU:小さな命を育む成長の場

- GCUとは GCUは、Growing Care Unitの頭文字をとった略語で、日本語では「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」など、様々な呼ばれ方をします。 GCUは、NICU(新生児集中治療室)で集中的な治療を受け、状態が安定し、生命の危機を脱したものの、まだ専門的なケアや観察が必要な赤ちゃんが、安心して成長できるようサポートする場です。 具体的には、呼吸や循環器系の機能が未熟であったり、体重増加が順調でない、母乳やミルクの飲み込みがうまくできない、発達に遅れがみられるなど、様々な理由でGCUに入室となります。 GCUでは、常時モニター監視は必要ないものの、赤ちゃんの状態に合わせて、呼吸や心拍数のチェック、体温調節、授乳のサポート、発達を促すケアなどが行われます。 また、GCUでは、赤ちゃんが安心して過ごせる環境づくりにも力を入れており、保育器ではなく、できるだけコットで過ごせるようにしたり、照明を調整したり、抱っこやおむつ交換の際に優しく声をかけたりするなど、きめ細やかなケアが提供されます。 GCUは、赤ちゃんが自宅に帰るための準備段階として、重要な役割を担っています。
看護技術

ハイケアユニット:高度な医療を提供する場

- ハイケアユニットとはハイケアユニット(HCU)は、入院患者さんのうち、病状が重く、一般的な病棟での看護や治療では対応が難しい患者さんを受け入れる、専門性の高い病棟です。HCUは、一般病棟と集中治療室(ICU)の中間に位置付けられ、ICUほどは病状が不安定ではないものの、より手厚い看護や治療が必要な患者さんが入院しています。HCUでは、患者さん一人ひとりの病状に合わせた、きめ細やかな医療が提供されます。医師や看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、栄養士など、多職種の医療スタッフが連携し、患者さんの状態回復をサポートします。また、HCUでは、医療機器や設備も充実しており、患者さんの状態を常に監視し、必要があれば迅速な対応ができる体制が整っています。HCUに入院される患者さんは、例えば、手術後や、脳卒中、心筋梗塞など、重篤な病気の急性期を脱した方などです。HCUでの治療や看護を通して、患者さんの病状が安定し、自立した生活を送れるようになることを目指します。そして、状態が改善すれば、一般病棟へ転棟となります。HCUは、患者さんが一日も早く回復し、自宅へ退院できるよう、集中的な治療と看護を提供する役割を担っています。
小児科

GCU: NICU後の赤ちゃんの成長を支える場所

- GCUとはGCU(ジーシーユー)は、Growing Care Unitの略称で、日本語では「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」など、様々な呼ばれ方をします。 GCUは、NICU(新生児集中治療室)で集中的な治療を受け、状態が安定した赤ちゃんが、次の段階である一般病棟に移る前に利用する場所です。 GCUでは、NICUほど手厚い医療ケアは必要なくなったものの、まだ自立して生活することが難しい赤ちゃんに対し、専門的なケアを提供します。具体的には、GCUでは次のようなケアが行われます。* -呼吸管理のサポート- 自発呼吸が安定しない赤ちゃんには、鼻にチューブを通して酸素を供給したり、呼吸を助ける機械を使用したりします。* -栄養管理- 口から十分にミルクを飲めない赤ちゃんには、胃にチューブを通して栄養を供給します。また、哺乳力の発達を促すための支援も行います。* -体温調節のサポート- 自力で体温を維持することが難しい赤ちゃんのために、保育器を使用したり、こまめに体温を測定したりして適切な温度を保ちます。* -発達促進のサポート- 赤ちゃんの成長段階に合わせて、発達を促す遊びや運動などを行います。GCUでの滞在期間は、赤ちゃんの状態や発達の進み具合によって異なります。医師や看護師、理学療法士などの専門スタッフが連携し、赤ちゃん一人ひとりに合わせたケアを提供することで、一日も早く自宅に帰れるようにサポートします。
看護技術

医療現場で活躍する膿盆:その役割と種類

- 膿盆とは膿盆とは、そら豆のような形をした、医療現場で幅広く使われている金属製の浅いお皿のことです。手術や処置、患者のケアなど、様々な場面で活用されています。その名前から、膿を受けるために使われると思われがちですが、実際には膿だけでなく、嘔吐物や手術で取り出した臓器、腫瘍などを入れるのにも使われます。また、処置に使う器具を置いておく場所としても活用されます。膿盆の形状は、縁が少しだけ外側に反っていることが特徴です。これは、中の液体がこぼれにくいように工夫されているためで、医療現場で安全に使用する上で重要なポイントです。また、金属製であるため、煮沸消毒や薬液消毒が可能で、繰り返し使用できるという利点もあります。このように、膿盆は医療現場における様々な場面で活躍する、まさに必需品と言えるでしょう。
看護技術

医療におけるカテーテル:役割と種類を解説

- カテーテルとは何か私たちの体には、血管、尿管、消化管など、様々な管が張り巡らされています。これらの管は、血液を循環させたり、栄養を吸収したり、老廃物を排出したりと、生命維持に欠かせない役割を担っています。そして、これらの管を検査したり治療したりするために医療現場で広く使われているのが、カテーテルと呼ばれる柔らかく柔軟性のある管です。カテーテルは、診断や治療を目的として、体内の様々な管や空間に挿入されます。例えば、血管内にカテーテルを挿入することで、血液検査のための採血や、点滴による薬剤投与、心臓の働きを調べるカテーテル検査などを行うことができます。血管は全身に張り巡らされているため、カテーテルを挿入する部位によって、心臓、肺、肝臓など、様々な臓器の検査や治療が可能になります。また、尿道から膀胱にカテーテルを挿入することで、尿が出にくい患者さんの膀胱から尿を排出することができます。これは、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気で、自力で排尿することが困難な患者さんにとって、大きな助けとなっています。カテーテルを留置することで、患者さんの負担を軽減し、生活の質を向上させることも可能です。さらに、カテーテルは、胆管や膵管などの消化管にも挿入されます。胆石や膵臓がんなどの病気の診断や治療にもカテーテルは欠かせない存在となっています。このように、カテーテルは、現代医療において非常に重要な役割を担っており、様々な病気の診断や治療に貢献しています。そして、医療技術の進歩とともに、カテーテルはさらに進化し、患者さんの負担をより軽減する方向へ進んでいます。
小児科

子どもの健康を守る!小児科の世界

小児科とは、生まれたばかりの赤ちゃんから15歳くらいまでの成長期にある子供たちの健康を守るために、病気の診断や治療を行う診療科です。 子供たちは常に成長し変化していくため、大人のように同じ病気でも症状や進行が大きく異なることがあります。 そのため、小児科では、子供たちの体の成長段階に合わせて、病気の診断や治療を行う必要があります。 例えば、同じ熱が出た場合でも、乳幼児期では、肺炎や髄膜炎などの重い病気が隠れている可能性がありますが、学童期では、風邪などの比較的軽い病気であることが多いです。 また、薬の量や種類も、子供の体の大きさに合わせて慎重に決める必要があります。 このように、小児科は、子供の成長と発達を考慮した専門的な知識と技術が求められる診療科と言えるでしょう。
看護技術

中心静脈カテーテル(CVC)とは?

- 中心静脈カテーテルとは中心静脈カテーテル(CVC)とは、心臓に近い太い静脈である中心静脈に挿入して使用する管状の医療器具です。中心静脈は、末梢静脈に比べて血管が太く、血流が豊富なため、刺激の強い薬剤や高カロリー輸液などを安全に投与するために用いられます。カテーテルの先端は、鎖骨下静脈や内頸静脈といった、体の表面に近い比較的太い静脈から挿入し、心臓近くの太い静脈である上大静脈まで到達するように留置されます。カテーテルの材質は、シリコンやポリウレタンなど、生体適合性に優れた素材が使用されています。中心静脈カテーテルは、長期にわたる点滴治療や、抗がん剤治療、高カロリー輸液が必要な患者さんなどに広く用いられています。具体的には、以下のような場合に、中心静脈カテーテルが使用されます。* 末梢静脈からの点滴が困難な場合* 血管刺激性の強い薬剤の投与が必要な場合* 長期にわたる栄養管理が必要な場合* 血液透析が必要な場合* 中心静脈圧の測定が必要な場合中心静脈カテーテルは、患者さんの負担を軽減し、より安全で効果的な医療を提供するために欠かせない医療器具の一つとなっています。
検査

放射線とは?医療における役割と影響

- 放射線の定義 放射線とは、エネルギーが空間を移動する現象のことです。 私たちの身の回りには、目に見える光や目に見えない電波など、様々な形のエネルギーが飛び交っています。 これらは全て放射線の一種であり、太陽の光や携帯電話の電波、テレビから出ている電波なども放射線に含まれます。 放射線は、そのエネルギーの強さや性質によって分類されます。 例えば、太陽の光には、私たちが色として認識できる可視光線だけでなく、日焼けの原因となる紫外線も含まれています。 これらの光も放射線の一種です。 また、携帯電話やテレビで使用されている電波は、電磁波と呼ばれる種類の放射線に分類されます。 放射線は、物質を透過する能力や、物質との相互作用によって様々な影響を与えることがあります。 レントゲン撮影に使用されるX線は、人体を透過する性質を利用して、骨などの内部の状態を撮影することができます。 このように、放射線は私たちの生活の中で様々な場面で利用されています。
看護技術

医療現場で使われるマーゲンチューブ:その役割と種類

- マーゲンチューブとはマーゲンチューブは、鼻腔から食道を通って胃まで挿入する、柔らかな材質で作られた管のことです。この管は、胃管、胃チューブ、胃ゾンデ、マーゲンゾンデ、NGチューブなど、様々な呼ばれ方をします。医療現場では、記録を簡略化するため、MチューブやMaチューブと表記されることもあります。マーゲンチューブは、口から食事を摂ることが困難な患者さんにとって、非常に重要な医療機器です。例えば、意識障害や嚥下障害などで、口から安全に食事を摂ることができない場合に、このチューブを通して栄養剤を直接胃に送り込みます。また、手術後や病気の影響で食欲不振に陥っている患者さんにも、マーゲンチューブを用いて栄養を補給することがあります。さらに、マーゲンチューブは栄養補給以外にも、投薬や胃の内容物の排出、胃の検査など、様々な目的で使用されます。例えば、錠剤を飲み込むことが難しい患者さんには、薬を溶かしたものをマーゲンチューブから投与します。また、胃の中に出血や毒物が認められる場合には、チューブを通して内容物を吸引し排出します。このように、マーゲンチューブは、患者さんの生命維持や治療の促進に大きく貢献する医療機器と言えるでしょう。
小児科

GCUってどんな場所?

- GCUとは GCU(ジー・シー・ユー)は、Growing Care Unitの略称で、日本語では「継続保育室」「回復治療室」「発育支援室」など、様々な呼ばれ方をします。 GCUは、NICU(新生児集中治療室)よりも赤ちゃんの容体が安定し、専門的な治療は必要なくなったものの、まだ入院して発達段階に応じたケアが必要な赤ちゃんが移ってくる場所です。 具体的には、呼吸や循環器系の機能が未熟で、まだ自力でミルクを飲んだり、呼吸を安定させたりすることが難しい赤ちゃんや、体重が少なく、体温調節や感染症への抵抗力が弱い赤ちゃんなどがGCUでケアを受けます。 GCUでは、医師や看護師だけでなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、管理栄養士など、多職種の専門スタッフが連携して赤ちゃんの発達をサポートします。 GCUでの主なケアの目標は、 * 呼吸や循環器系の機能の改善 * 体重増加と栄養状態の改善 * 哺乳力や嚥下機能の向上 * 発達段階に応じた運動機能の発達促進 * 親子関係の構築 などです。 GCUでの滞在期間は、赤ちゃんの状態や発達段階によって異なり、数日から数ヶ月に及ぶこともあります。そして、状態が安定し、自宅での生活に問題ないと判断されれば退院となります。

生理食塩水:私たちの体液と似た働きをするもの

- 生理食塩水とは私たちの体の中にある血液や体液には、ほぼ一定の濃度の塩分が含まれており、体の機能を正常に保つ上で非常に重要です。生理食塩水は、この体液の塩分濃度とほぼ同じ濃度に調整された、0.9%の塩化ナトリウム水溶液のことを指します。生理食塩水が医療現場で頻繁に使用される理由は、体液との浸透圧が近く、体への負担が少ないためです。そのため、点滴によって体内の水分や塩分を補給したり、薬剤を溶かして投与する際の溶解液として用いられます。また、注射の際に針を刺す部位の消毒や、傷口を洗い流す際にも使用されます。さらに、医療現場以外でも、コンタクトレンズの洗浄液など、私たちの身近なものにも生理食塩水は利用されています。このように、生理食塩水は、その安全性と汎用性の高さから、医療現場のみならず、様々な場面で活躍しています。
検査

健康のバロメーター:血液検査のススメ

- 血液検査とは血液検査とは、文字通り私たちの体内を巡る血液を採取し、その成分を詳しく調べることで、健康状態を評価する検査です。 健康診断や病気の診断、治療効果の確認など、様々な場面で活用されています。血液は、体中に張り巡らされた血管という管の中を流れ、酸素や栄養を体の隅々まで運び、老廃物を回収するという重要な役割を担っています。 その中には、赤血球、白血球、血小板といった細胞成分や、タンパク質、糖分、脂質、電解質、ホルモンなど様々な成分が含まれています。 血液検査では、これらの成分を分析することで、貧血や感染症、糖尿病、脂質異常症といった様々な病気の有無や進行度を調べることができます。 また、肝臓や腎臓といった臓器の働きについても評価することができます。血液検査は、一般的に注射針を用いて腕の静脈から血液を採取します。 検査項目によって、採血する血液の量や食事制限の有無などが異なります。 血液検査の結果は、基準値と比較して判断されます。 基準値は年齢や性別によって異なる場合があり、異常値が必ずしも病気のサインとは限りません。 検査結果については、医師に相談し、自身の健康状態を正しく理解することが大切です。
その他

患者中心の医療記録:POMRとは?

- 問題志向型診療録POMRとはPOMR(ピーオーエムアール)は、Problem Oriented Medical Recordの略称で、日本語では「問題志向型診療録」と呼ばれています。これは、従来の診療録のように診察日時や診療科ごとに時系列で記録するのではなく、患者さんが抱える医学的な問題点を軸にして記録するという、全く異なる方法です。従来型の診療録では、膨大な記録の中から必要な情報を探し出すことに時間がかかり、情報が断片的になりがちでした。一方で、POMRでは、問題点ごとに診療経過や検査結果、治療計画などが整理されて記録されるため、医療従事者間で情報を共有しやすく、患者さん一人ひとりに合わせた適切な医療を提供することに役立ちます。POMRは、大きく分けて以下の4つの構成要素から成り立っています。1. -問題点一覧表(Problem List)- 患者さんの抱える医学的な問題点をリスト化したもの2. -経過記録(Progress Note)- SOAP形式と呼ばれる一定の様式を用いて、診療経過を記録したもの。SOAPは、主観的情報(Subjective)、客観的情報(Objective)、評価(Assessment)、計画(Plan)の頭文字をとったもの3. -初期情報データベース(Database)- 患者さんの既往歴や身体診察の結果、検査データなど、診療に必要な基礎情報をまとめたもの4. -治療計画表(Treatment Plan)- 各問題点に対する具体的な治療方針や、今後の診療計画をまとめたものPOMRは、医療の質向上や患者さん中心の医療の実現に向けて、重要な役割を果たすと期待されています。
検査

超音波検査:体の中を音で診る技術

- 超音波検査とは超音波検査は、人間の耳では聞こえない高い周波数の音の波である「超音波」を用いて、体内の様子を画像化する検査方法です。検査の際には、ゼリー状のものを体に塗布し、その上からプローブと呼ばれる装置を当てていきます。このプローブから超音波を発信し、体内組織や臓器で反射して戻ってきた超音波を画像に変換します。 超音波検査は、レントゲン検査のように放射線を使用しないため、人体への負担が非常に少なく、妊婦さんや子供でも安心して受けることができます。超音波検査は、心臓、腹部、血管、乳腺、甲状腺など、様々な部位の検査に用いられます。 例えば、心臓の検査では、心臓の動きや弁の状態、心筋の厚さなどを確認することができます。また、腹部の検査では、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの臓器の大きさや形、内部の状態を調べることが可能です。さらに、血管の検査では、血管の詰まりや狭窄、動脈硬化などを診断することができます。超音波検査は、痛みや苦痛を伴わないため、体に負担をかけずに検査を受けることができます。 また、検査時間も比較的短く、リアルタイムで体の状態を確認できるという利点もあります。そのため、健康診断などでも広く利用されている検査方法です。
看護技術

患者の身体を観察する技術:フィジカルアセスメント

- フィジカルアセスメントとはフィジカルアセスメントは、医療従事者が患者さんの健康状態を総合的に評価するために欠かせない診察方法です。これは、患者さんの訴えを丁寧に聞き取りながら、視診、触診、聴診、打診といった五感を駆使して身体の情報をくまなく集める作業を指します。このプロセスは、単に身体的な異常を発見するだけでなく、患者さんの言葉だけでは伝えきれない問題点や、病気の背景にある要因を明らかにする上で非常に重要です。例えば、患者さんが「頭が痛い」と訴えていたとします。フィジカルアセスメントによって、頭痛の原因が単なる風邪ではなく、頭部外傷や脳腫瘍といった深刻な疾患である可能性も見えてきます。また、患者さんの顔色や呼吸の状態を観察することで、貧血や呼吸器疾患などの隠れた病気を発見できることもあります。このように、フィジカルアセスメントは、患者さんの全体像を把握するためのパズルのピースを一つ一つ丁寧に集めていくような作業と言えるでしょう。そして、集めた情報に基づいて適切な検査や治療方針を決定することで、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供することに繋がります。
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