化学療法

看護技術

治療の砦!クリーンルームとは

病院には、様々な治療や処置を行うための特別な部屋が数多くありますが、その中でも特に清潔さにこだわって作られた部屋を「クリーンルーム」と呼びます。クリーンルームは、その名の通り、空気中に漂う目に見えない程小さな塵や細菌、カビなどを徹底的に取り除いた清潔な空間です。 通常の病室でも清掃や消毒は行われていますが、クリーンルームでは、より厳密な基準で空気清浄装置を稼働させたり、特別な清掃方法を用いたりすることで、空気中の微粒子数を極限まで減らしています。 クリーンルームは、手術室の一部や、骨髄移植などを行う際に患者さんを感染から守るために使われます。例えば、免疫力が低下した患者さんは、健康な人であれば問題ないようなごくわずかな細菌やウイルスにも感染してしまい、重症化する可能性があります。クリーンルームは、そのような患者さんが安心して治療を受けられるように、感染のリスクを最小限に抑えるための重要な役割を担っているのです。
耳鼻科

中咽頭癌とは:症状、原因、治療法について

- 中咽頭がんとは中咽頭がんは、鼻の奥から喉の上部にかけて位置する中咽頭と呼ばれる場所にできるがんです。この中咽頭は、食べ物を飲み込む時や呼吸をする時など、私達が生きていく上で欠かせない大切な役割を担っています。中咽頭がんは、中咽頭の粘膜にある細胞から発生します。そして、がん細胞は周囲の組織に浸潤していく可能性があります。さらに進行すると、リンパ節や血管を通じて、体の他の部位、例えば肺や肝臓などに転移することもあります。中咽頭がんの主な原因の一つとして、喫煙が挙げられます。タバコの煙に含まれる有害物質は、中咽頭の細胞を傷つけ、がん化を促進する可能性があります。また、過度な飲酒も、中咽頭がんのリスクを高める要因の一つです。飲酒と喫煙の両方の習慣がある人は、より一層注意が必要です。さらに、近年ではヒトパピローマウイルス(HPV)への感染も、中咽頭がんの原因の一つとして注目されています。HPVは性交渉を通じて感染するウイルスで、子宮頸がんとの関連が知られていますが、中咽頭がんの一部にも関与していることが分かってきました。中咽頭がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。声のかすれや喉の痛み、食べ物が飲み込みにくいなどの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

医療現場で使われる略語:ケモって?

病院で働く医師や看護師など医療従事者は、日々多くの患者さんと接し、迅速かつ的確な医療を提供するために日々努力しています。 その業務の中で、医療従事者同士がスムーズに情報伝達を行うために、専門用語や略語が多く使われていることはご存知でしょうか? これらの言葉は、医療現場以外では耳にすることが少ないため、患者さんにとっては馴染みが薄く、難解に感じるかもしれません。しかし、限られた時間の中ですべての情報を正確に伝えるためには、これらの専門用語や略語は医療従事者にとって欠かせないコミュニケーションツールなのです。 例えば、「バイタル」という言葉は、病院でよく耳にする言葉の一つではないでしょうか? これは、体温、脈拍、血圧、呼吸といった生命に関わる重要な兆候を示す「バイタルサイン」を省略した言葉です。 このように、医療現場で使われる略語は、重要な情報を簡潔に伝えるという目的があります。 しかし、患者さんに不安な思いをさせないためには、医療従事者はこれらの用語を分かりやすく説明する努力も必要です。 もし、診療中に意味の分からない言葉が出てきたら、遠慮なく質問してみてください。
血液

移植前処置:造血幹細胞移植の準備

- 移植前処置とは移植前処置とは、患者さんが造血幹細胞移植を受ける前に必ず行う、非常に大切な準備段階のことを指します。造血幹細胞移植は、病気やその治療の影響によって、自ら血液細胞を正常に作ることができなくなってしまった患者さんに対して行われます。具体的には、健康なドナーさんから提供された、血液細胞の元となる造血幹細胞を患者さんの体内に移植する治療法です。移植前処置は、移植の成功率を高め、合併症のリスクを抑えるために欠かせないプロセスです。大きく分けて、(1)病気の細胞を減らす、(2)免疫の働きを抑える、(3)ドナー由来の造血幹細胞が根付きやすいように準備をする、という三つの目的があります。まず、移植前に残っている病気の細胞を減らすことは、移植後に病気が再発するリスクを低下させるために重要です。次に、患者さんの免疫の働きを抑えることで、移植されたドナーさんの細胞を「異物」として攻撃する拒絶反応を防ぐことができます。そして、患者さんの骨髄をあらかじめ空けておくことで、移植されたドナーさんの造血幹細胞が、骨髄にスムーズに定着しやすくなるのです。移植前処置の内容は、患者さんの病気の種類や状態、移植の種類、ドナーさんとの相性などによって異なります。主な方法としては、抗がん剤や免疫抑制剤を投与する薬物療法や、全身に放射線を照射する放射線療法などがあります。それぞれの治療法は、単独で行われることもあれば、組み合わせて行われることもあります。移植前処置は、患者さんにとって身体的な負担が大きい場合もありますが、移植を成功させるために非常に重要なプロセスです。患者さん自身の病気や治療についての理解を深め、医師や医療スタッフとしっかりとコミュニケーションをとるように心がけましょう。

医療現場で使われる隠語?「ケモ」ってどんな治療?

病院で働く医師や看護師たちは、患者さんの命を守るために、日々時間に追われるように業務をこなしています。 限られた時間の中、正確かつ迅速に情報を共有するため、医療現場では様々な略語が飛び交っています。 例えば、手術室は「オペ室」、点滴は「ルート確保」、心電図検査は「心電図」、注射は「インジェクション」など、一般の方には耳慣れない言葉も多いのではないでしょうか。 これらの略語は、医療従事者間で共通の認識のもとで使われており、簡潔な言葉で多くの情報を伝えることができます。そのため、業務効率の向上や、緊急時における迅速な対応に役立っています。しかし、患者さんにとっては、分かりにくい言葉遣いになってしまうこともあります。 医療従事者にとって、患者さんに分かりやすい言葉で説明することは、安心して治療を受けてもらう上で非常に重要です。 略語を使う場合は、それが何を意味するのか、患者さんの目線に立って、丁寧に説明する必要があります。患者さんも、もし分からない言葉があれば、遠慮なく質問することが大切です。 医療従事者と患者さんとの間で、スムーズなコミュニケーションを図ることは、より良い医療を提供することに繋がると言えるでしょう。

医療現場の隠語:ケモって?

病院に行くと、医師や看護師が専門用語や独特の言い回しを使うのを耳にすることがあるでしょう。医療従事者にとっては日常的な言葉でも、患者さんにとっては初めて聞く言葉で戸惑ってしまうかもしれません。 医療現場で使われる言葉には、病気の名前や検査方法など、医学的な専門用語もあれば、それとは別に、医療従事者間で情報伝達をスムーズに行うために使われる独特の言い回し、いわゆる業界用語も存在します。 例えば、「バイタルサイン」や「ルート確保」といった言葉は、医療従事者にとっては基本的な用語ですが、患者さんには分かりにくい表現と言えるでしょう。患者さんの立場に立てば、このような専門用語や業界用語を分かりやすく説明してくれるとありがたいと感じるのではないでしょうか。 医療従事者も、患者さんの不安を取り除き、治療に専念してもらうためには、分かりやすい言葉で説明することが重要です。難しい言葉を使うのではなく、患者さんの理解度に合わせて、丁寧に説明するよう心がけることが大切です。

がん治療の重要な武器:アルキル化薬

私たちの体は、常に新しい細胞を生み出して古い細胞と入れ替えることで健康を保っています。この新しい細胞を生み出す過程を細胞分裂といいますが、がん細胞ではこの細胞分裂が制御を失い、無秩序に増殖し続けます。このようながん細胞の増殖を抑える薬の一つに、アルキル化薬と呼ばれるものがあります。 アルキル化薬は、細胞分裂に重要な役割を果たすDNAに着目した薬です。DNAは細胞の設計図のようなもので、細胞分裂の際には新しい細胞に正確な情報が受け継がれるように、この設計図をコピーする必要があります。アルキル化薬は、がん細胞のDNAに結合して設計図を損傷することで、コピーを作れなくしてしまいます。設計図のコピーを作れなくなったがん細胞は、細胞分裂を正常に行うことができなくなり、やがて死に至ります。 このように、アルキル化薬は細胞分裂を阻害することで、がん細胞の増殖を抑える効果を発揮します。しかし、正常な細胞のDNAにも損傷を与える可能性があり、副作用として吐気、脱毛、骨髄抑制などが現れることがあります。
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