副腎

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小さな臓器、大きな役割:副腎について

私たちの体内で、静かに、しかし重要な働きを担う臓器、腎臓。その腎臓に寄り添うように存在するのが副腎です。ちょうど腎臓の上にちょこんと帽子のように乗っている姿から、その名が付けられました。左右の腎臓に一つずつ、合計二つあり、大きさは3センチから5センチほど、重さはわずか5グラムから10グラムしかありません。一見すると、とても小さく目立たないこの臓器ですが、実は生命維持に欠かせないホルモンを作り出す、重要な役割を担っているのです。 副腎は、外側を覆う皮質と、内側の髄質という二つの部分から成り立っています。皮質からは、体の電解質バランスを調整するホルモンや、糖質の代謝を調整するホルモン、そして性ホルモンなど、様々なホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、私たちの体がストレスに対抗したり、血圧を調整したり、健康な状態を維持するために欠かせません。一方、髄質からは、アドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは、心臓の働きを活発にしたり、血管を収縮させて血圧を上昇させたりするなど、緊急時に体が素早く対応するのを助ける働きをしています。このように、副腎は小さくても、私たちの体にとって非常に重要な役割を担う臓器なのです。
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アジソン病:知っておきたい体のサイン

- アジソン病とはアジソン病は、腎臓の上にある小さな臓器である副腎が、正常に機能しなくなることで発症する病気です。 副腎は、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。体内でのストレス反応や塩分と水分のバランス、血圧の調整など、様々な機能を制御するホルモンを分泌しています。 アジソン病では、この副腎がコルチゾールやアルドステロンといった重要なホルモンを十分に作り出すことができなくなってしまうのです。コルチゾールは、ストレスに対する体の反応を調整するホルモンです。例えば、病気や怪我をした時、体への負担を和らげるために、コルチゾールが分泌されます。また、血糖値や血圧を維持するのにも役立っています。 アルドステロンは、体内の塩分と水分のバランスを調整するホルモンです。アルドステロンが不足すると、体内の塩分濃度が低下し、脱力感や疲労感を引き起こすことがあります。アジソン病を発症すると、これらのホルモンの不足によって、様々な症状が現れます。主な症状としては、疲労感、体重減少、食欲不振、低血圧、皮膚の色素沈着などがあります。 アジソン病は、適切な治療を行えば、日常生活を送ることができます。しかし、治療を行わないと、重篤な状態に陥る可能性もあります。そのため、早期発見・早期治療が重要です。

闘争と逃走のホルモン:アドレナリン

- アドレナリンとは?私たちの体には、様々な状況に応じて体内環境を調整し、健康な状態を保つための精巧な仕組みが備わっています。その調整役の一つとして重要な役割を担っているのが、ホルモンと呼ばれる物質です。ホルモンは、特定の器官でつくられ、血液によって全身に運ばれ、離れた場所にある器官の働きを調節します。数あるホルモンの中でも、「アドレナリン」は、ストレスや興奮、恐怖など、緊急事態に遭遇した時に、瞬時に分泌量が増加することで知られています。アドレナリンは、腎臓の近くにある小さな臓器である副腎から分泌されます。アドレナリンが分泌されると、私たちの体は、緊急事態に対処するために、素早く行動を起こせる状態へと変化します。心臓の鼓動は速く力強くなり、血液はより多くの酸素を全身に送り届けられるようになります。また、呼吸が速くなることで、多くの酸素を取り込めるようになり、筋肉にも多くの血液が供給されます。これらの変化によって、私たちは危険から逃れたり、困難な状況にも立ち向かうことができるのです。アドレナリンは、まさに「闘争か逃走か」の反応を引き起こすホルモンと言えるでしょう。

副腎皮質ステロイド:体の調節役

- 副腎皮質ステロイドってどんなホルモン? 副腎皮質ステロイドは、私たちの体にとってなくてはならない、とても大切なホルモンです。このホルモンは、腎臓のすぐ上にある副腎という臓器で作られます。副腎は小さな臓器ですが、体にとって重要なホルモンをいくつか分泌しています。その中でも、副腎の外側の部分を副腎皮質といいますが、副腎皮質ステロイドはこの副腎皮質で作られます。 副腎皮質ステロイドは、体の中の様々な働きを調整するという重要な役割を担っています。例えば、体のエネルギーの使い方をコントロールしたり、免疫の働きを調整したりしています。また、ストレスに対抗する力にも深く関わっています。 副腎皮質ステロイドは、その働きによってさらに細かく分類されます。主なものとしては、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、男性ホルモンの3つがあります。糖質コルチコイドは、血糖値やエネルギー代謝に関わっています。鉱質コルチコイドは、体内の水分や塩分のバランスを保つ働きをしています。男性ホルモンは、男性らしい体を作る働きをするホルモンですが、女性でも少量分泌されています。 このように、副腎皮質ステロイドは私たちの体が健康な状態を保つために、非常に重要な役割を果たしています。
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コルチゾールの過剰分泌:クッシング症候群とは

- クッシング症候群の概要クッシング症候群は、体内でコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされる病気です。コルチゾールは、ストレスに対処したり、血糖値を調整したり、免疫機能を正常に保ったりと、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。しかし、コルチゾールが過剰になると、様々な体の機能に影響を及ぼし、健康上の問題を引き起こす可能性があります。クッシング症候群は、副腎という臓器でコルチゾールが過剰に作られる場合と、脳の下垂体という部分から副腎を刺激するホルモンが過剰に分泌される場合、そして、ステロイド薬の長期使用によって引き起こされる場合があります。クッシング症候群の症状は、体重増加、特に腹部や顔面への脂肪の蓄積、高血圧、筋肉の衰え、皮膚の赤ら顔、紫色の線状の皮膚病変、骨粗鬆症、糖尿病、感染症のリスク増加など、多岐にわたります。また、うつ病や不安症などの精神的な症状が現れることもあります。クッシング症候群の診断には、尿検査、血液検査、画像検査など、いくつかの検査が行われます。治療法としては、コルチゾールの分泌を抑える薬物療法、手術、放射線療法などがあります。治療法は、クッシング症候群の原因や症状の程度によって異なります。クッシング症候群は、早期に発見して適切な治療を行えば、症状を改善できる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
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体の調節役!副腎皮質の役割と病気

- 副腎皮質ってどこにあるの? 副腎皮質は、名前の通り「副腎」という臓器の一部です。副腎は、ちょうど腎臓の帽子のように、左右の腎臓の上に乗っている小さな臓器です。 副腎は、中央部分の「髄質」と、その周りを囲む「皮質」の二つに分かれています。副腎皮質は、その名の通り副腎の外側部分を占める組織のことです。副腎自体は小さい臓器ですが、生命維持に欠かせないホルモンを作り出す、人体にとって非常に重要な臓器です。 副腎皮質は、副腎全体の約8~9割を占めており、名前の通り黄色っぽい褐色をしています。これは、副腎皮質がコレステロールを豊富に含んでいるためです。コレステロールは、副腎皮質ホルモンの材料となる重要な物質です。 副腎皮質は、体内の水分量やミネラルバランスの調整、ストレスへの対応、性ホルモンの産生など、様々な働きをするホルモンを分泌しています。そのため、副腎皮質が正常に機能しなくなると、様々な体の不調が現れる可能性があります。
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副腎皮質:小さな器官の大きな役割

- 副腎皮質ってどこにあるの? 副腎皮質は、名前の通り「副腎」という臓器の一部です。では、副腎はどこにあるのでしょうか?副腎は、私たちの体の中に左右一対ずつ、合計二つあります。そして、その名の通り腎臓にくっつくように存在しています。もう少し詳しく見ていくと、左右の腎臓の上部、ちょうど帽子をかぶせるようにちょこんと乗っているのが副腎です。 副腎は非常に小さく、その大きさは縦が約3cm、横が約5cmほどしかありません。形は三角形に似ています。この小さな臓器の中に、生命維持に欠かせないホルモンを分泌する重要な器官である副腎皮質は存在しています。 副腎は、外側部分を占める「副腎皮質」と、内側部分を占める「副腎髄質」の二つで構成されています。副腎皮質は、副腎全体の約8~9割を占めており、体の電解質バランスや糖質、脂質の代謝などを調整するホルモンなどを分泌しています。 副腎は小さく目立たない臓器ですが、生きていく上で非常に重要な役割を担っています。
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