出血傾向

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全身に血栓が広がる恐怖:播種性血管内凝固症候群(DIC)

- 播種性血管内凝固症候群(DIC)とは播種性血管内凝固症候群(DIC)は、血液が固まることと出血することが同時に起こる、命に関わる危険性の高い病気です。私たちの体には、血管が傷ついて出血すると、その傷口を塞いで出血を止める働きが備わっています。これは、血液の中に含まれる小さな粒々が集まって、網の様に固まることで起こります。 しかしDICでは、この血液を固まらせる働きと、出血を止める働きのバランスが崩れてしまいます。 体のあちこちの血管の中で、小さな血液の塊が無数にできてしまうのです。 この様子は、まるで種を蒔くように広がることから、「播種性」という言葉が使われています。 そして、このように小さな血液の塊が無数にできることで、血液を固めるために必要な成分が大量に使われてしまい、今度は逆に、出血しやすくなってしまうのです。出血が止まらなくなったり、皮膚に紫色の斑点が出たり、臓器の働きが悪くなるなど、様々な症状が現れます。 DICは、がんなどの病気や、手術、けがなどをきっかけに発症することが多く、緊急の治療が必要となります。
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遺伝する出血性疾患:血友病

- 血友病とは血友病は、血液を固める働きが弱く、出血が止まりにくい病気です。私たちが日常生活で怪我をして出血しても、通常はしばらくすると血液が固まって出血は止まります。これは、血液の中に含まれる「凝固因子」というタンパク質が、複雑な過程を経て血液を固めているからです。しかし、血友病の患者さんの場合、この凝固因子が生まれつき不足していたり、うまく働かなかったりするため、出血すると止まりにくくなってしまうのです。血友病は、遺伝子の異常によって引き起こされる遺伝性疾患です。遺伝子とは、親から子へと受け継がれる、身体の設計図のようなものです。血友病に関わる遺伝子に異常があると、体内で凝固因子を十分に作ることができなくなります。血友病には、主にA、B、Cの3つの型があります。A型は凝固因子VIII(8)、B型は凝固因子IX(9)が不足しているために起こります。C型はXI(11)という凝固因子が不足していますが、A型やB型に比べて症状が軽いのが特徴です。血友病は、適切な治療を行うことで、健康な人と変わらない生活を送ることができます。定期的に不足している凝固因子を補う治療を受けることで、出血のリスクを抑え、関節の障害などを防ぐことが重要です。
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