全身に血栓が広がる恐怖:播種性血管内凝固症候群(DIC)
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)とは播種性血管内凝固症候群(DIC)は、血液が固まることと出血することが同時に起こる、命に関わる危険性の高い病気です。私たちの体には、血管が傷ついて出血すると、その傷口を塞いで出血を止める働きが備わっています。これは、血液の中に含まれる小さな粒々が集まって、網の様に固まることで起こります。
しかしDICでは、この血液を固まらせる働きと、出血を止める働きのバランスが崩れてしまいます。 体のあちこちの血管の中で、小さな血液の塊が無数にできてしまうのです。 この様子は、まるで種を蒔くように広がることから、「播種性」という言葉が使われています。
そして、このように小さな血液の塊が無数にできることで、血液を固めるために必要な成分が大量に使われてしまい、今度は逆に、出血しやすくなってしまうのです。出血が止まらなくなったり、皮膚に紫色の斑点が出たり、臓器の働きが悪くなるなど、様々な症状が現れます。 DICは、がんなどの病気や、手術、けがなどをきっかけに発症することが多く、緊急の治療が必要となります。