医療現場のRx:処方箋を意味する記号
病院やクリニックを受診し、医師の診察後、必要があれば薬が処方されます。私たちが受け取る処方箋には、飲む薬の名前や量、服用方法などが事細かに記されています。この処方箋をよく見てみると、「Rx」という謎の記号が目に留まることがあります。多くの人が見たことがあるこの「Rx」とは、一体何を意味するのでしょうか?
実はこちら、ラテン語で「recipe(レシピ)」の省略形なのです。「recipe」は英語で「処方」を意味し、動詞として「処方する」という意味も持ちます。つまり、「Rx」は「処方してください」という医師の指示を表す記号なのです。
「Rx」の歴史は古く、古代ローマ時代にまで遡るとされています。当時、薬剤師は医師から受け取った処方箋に基づいて薬を調合していました。「Rx」は、医師と薬剤師の間で正確な情報伝達を行うための重要な役割を担っていたと考えられています。
現代では、医療現場の情報化が進み、電子カルテやオンライン処方箋が普及しつつあります。しかし、紙の処方箋にも、いまだに「Rx」は記号として残っています。これは、「Rx」が単なる記号ではなく、医師と患者、そして薬剤師をつなぐ大切な歴史と伝統を象徴するものとして、医療従事者たちの間で大切に受け継がれているからかもしれません。