内臓

その他

内臓痛:体の奥からのサイン

- 内臓痛とは 内臓痛とは、胃や腸、肝臓といったお腹の中の臓器に異常が起きた時に感じる痛みのことです。私たちの体は、大きく分けて体の表面を覆う組織と、体の中に収められた臓器によって構成されています。体の表面を覆う組織には、皮膚や筋肉などが含まれます。一方、体の中に収められた臓器は、食べ物を消化吸収する消化器や、呼吸をするための呼吸器、血液を循環させる循環器など、生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。 内臓痛は、このような体の中の臓器で発生する痛みのことを指し、体の表面に近い場所で感じる皮膚の痛みや筋肉の痛みとは異なる特徴を持っています。例えば、皮膚や筋肉の痛みは、針で刺されたような鋭い痛みや、重いもので押さえつけられるような鈍い痛みなど、比較的痛みの場所を特定しやすいという特徴があります。一方、内臓痛は、痛みの場所が漠然としていて特定しにくく、「何となく重苦しい」「締め付けられるような感じがする」といった表現をされることが多いです。これは、内臓の痛みのセンサーが、皮膚や筋肉の痛みのセンサーに比べて数が少ない上に、体の広い範囲に分布していることが関係しています。そのため、内臓痛は、皮膚や筋肉の痛みと比べて、より鈍く、広がりのある痛みとして感じられるのです。
消化器

脱腸:腹腔内容が飛び出す病気

- 脱腸とは脱腸は、本来お腹の中に収まっているべき腸などの臓器が、何らかの原因で弱くなった腹壁の隙間から外へ飛び出してしまう病気です。体の一部が本来あるべき場所から飛び出してしまう状態を「ヘルニア」と呼びますが、脱腸は「腹壁ヘルニア」とも呼ばれます。お腹の中には、胃や腸などの消化器官をはじめ、肝臓や脾臓などの重要な臓器が詰まっています。これらの臓器は、腹筋や筋膜などからなる腹壁によって守られています。しかし、加齢や肥満、妊娠、重い物を持ち上げる動作、慢性的な咳などによって腹壁が弱くなると、組織の隙間から臓器が飛び出しやすくなります。特に、お腹の中の圧力が高まった時に、その圧力に耐えきれず、組織の弱い部分が押し出されるようにして脱腸が起こります。脱腸は、飛び出す場所や原因によっていくつかの種類に分けられます。例えば、太ももの付け根に起こる「鼠径(そけい)ヘルニア」、おへその周辺に起こる「臍(さい)ヘルニア」、手術の傷跡に起こる「瘢痕(はんこん)ヘルニア」などがあります。脱腸は、放置すると飛び出した臓器への血流が悪くなったり、腸閉塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。治療法としては、飛び出した臓器を元の位置に戻し、弱くなった腹壁を修復する手術が行われます。近年では、体に負担の少ない腹腔鏡手術が普及してきています。
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