内分泌腺

脳・神経

神秘の器官:松果体の役割とは?

私たちの頭の中にある脳は、左右に大きく分かれた「大脳」が大部分を占めています。この左右の大脳半球の間、ちょうど中心に位置するようにして、「松果体」と呼ばれる小さな器官が存在します。その大きさはわずか5~8mmほどしかなく、米粒よりも小さい器官です。形は名前の由来ともなっている「松ぼっくり」にそっくりです。松果体は、脳の奥深くに位置しており、一見するとあまり目立たず、地味な印象を与えます。しかし、小さな体には、私たちの体にとって重要な役割が備わっているのです。松果体は、「メラトニン」というホルモンを作り出す働きを担っています。メラトニンは、私たちの睡眠と覚醒のリズムを整えるために重要なホルモンです。夜になり、周囲が暗くなると、松果体からメラトニンが分泌されます。メラトニンは、体温を低下させたり、脳の活動を鎮めたりすることで、自然な眠りを誘う効果があります。そして、朝になり、太陽の光を浴びると、メラトニンの分泌量は減少し、体は活動状態へと切り替わっていきます。このように、松果体は、地球の昼夜のサイクルに合わせて、私たちの睡眠と覚醒のリズムを調整する、体内時計の役割を担っているのです。
その他

体の代謝を支える甲状腺

首の前側、ちょうど喉仏の下あたりに、蝶々が羽を広げたような形をした小さな器官があります。これが甲状腺です。蝶々の羽に例えられる左右対称の部分は、それぞれ右葉と左葉と呼ばれています。 甲状腺の大きさは個人差があり、一概には言えませんが、健康な成人であれば、縦と横が4~5cmほどです。これはちょうど親指と人差し指で丸を作ったくらいの大きさです。重さは15~20gほどしかありません。 甲状腺は一見小さく目立たない器官ですが、体内の代謝を調整するという重要な役割を担っています。代謝とは、体内に取り入れた栄養素をエネルギーに変えたり、不要なものを排出したりといった、生命活動の根幹となる活動のことです。甲状腺は、この代謝活動をスムーズに行うために必要なホルモンを分泌しています。そのため、甲状腺に異常が生じると、体重や体温調節、脈拍、消化機能など、体の様々な機能に影響が出てしまうことがあります。
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