全身性エリテマトーデス

アレルギー

全身性エリテマトーデス:若年女性に多い難病

- 全身性エリテマトーデスとは私たちの体には、細菌やウイルスなどの外敵が侵入してくると、それらを排除して体を守る「免疫システム」が備わっています。通常、このシステムは正常に機能し、私たちを病気から守ってくれています。しかし、全身性エリテマトーデス(SLE)では、この免疫システムに異常が生じます。 本来、外部の敵を攻撃するはずの免疫システムが、自分自身の正常な細胞や組織を誤って攻撃してしまうのです。その結果、全身の様々な臓器、例えば皮膚、関節、腎臓、心臓、肺、脳などに炎症が起こり、様々な症状が現れます。この病気は、患者さんによって症状の出方や重症度が大きく異なり、ある人は皮膚に赤い発疹が現れるだけかもしれませんが、別の人は関節の痛みや腎臓の障害など、複数の症状を併発することもあります。そのため、全身性エリテマトーデスは「百面相の病気」とも呼ばれています。
アレルギー

膠原病:全身に影響を及ぼす疾患群

- 膠原病とは膠原病とは、体の中で重要な役割を果たしている結合組織が、自分自身の免疫システムによって攻撃されてしまう病気の総称です。特に、結合組織の主成分である膠原線維が標的となることから、膠原病と名付けられました。膠原線維は、骨や軟骨、皮膚、血管、内臓など、体のあらゆる場所に存在し、組織の強度や弾力性を保つ働きをしています。例えるなら、建物を支える鉄骨のようなものです。この膠原線維が炎症を起こしたり、破壊されたりすることで、様々な臓器に障害が生じ、多岐にわたる症状が現れるのが膠原病の特徴です。膠原病には、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、強皮症など、多くの種類が存在します。それぞれの病気によって、主に障害を受ける臓器や症状、経過は大きく異なります。膠原病の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に関係していると考えられています。また、膠原病は、比較的若い世代、特に20代から40代の女性に発症しやすいことも特徴の一つです。膠原病は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の進行を抑え、日常生活を維持することができる病気です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
皮膚科

蝶形紅斑:全身性エリテマトーデスのサイン

- 蝶形紅斑とは顔面に、まるで蝶が羽を広げたような形をした赤い発疹が現れる症状を蝶形紅斑と呼びます。この発疹は、両方の頬から鼻筋にかけて広がり、その形状が蝶に似ていることからその名が付けられました。蝶形紅斑は、それ自体が痛みやかゆみなどの直接的な症状を引き起こすことは稀です。しかし、その特徴的な見た目から、医師はこの紅斑を重要なサインと捉えます。蝶形紅斑は、様々な要因によって引き起こされる可能性がありますが、中でも全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫疾患との関連が深く指摘されています。SLEは、免疫システムが自分の体の組織を攻撃してしまう病気で、皮膚症状以外にも、関節痛、発熱、倦怠感など、様々な症状を引き起こします。蝶形紅斑は、SLEの初期症状として現れることが多いため、早期発見・早期治療の観点からも重要な症状と言えるでしょう。もし、顔面に蝶形紅斑に似た発疹が現れた場合は、自己判断せずに、速やかに皮膚科や内科を受診し、医師の診断を受けるようにしてください。
アレルギー

混合性結合組織病:複数の膠原病の特徴を併せ持つ疾患

- 混合性結合組織病とは混合性結合組織病は、いくつかの膠原病の特徴を併せ持つ自己免疫疾患です。膠原病とは、本来、体を守るはずの免疫システムが、自分自身の体の組織を誤って攻撃してしまう病気の総称です。特に、骨や軟骨、血管など、体の様々な部分を繋ぎ支える結合組織が攻撃を受けることで、様々な症状が現れます。混合性結合組織病は、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎といった、代表的な膠原病の特徴を併せ持つ点が特徴です。それぞれの膠原病の特徴が、混合性結合組織病ではどのように現れるのか、具体的に見ていきましょう。まず、全身性エリテマトーデスは、顔面に出る蝶の形をした赤い発疹や関節の痛み、発熱、倦怠感といった症状が特徴です。次に、全身性強皮症は、皮膚が硬くなる症状や、指先の血行が悪くなるレイノー現象などがみられます。そして、多発性筋炎/皮膚筋炎は、筋肉の炎症による筋力低下や、皮膚の発疹、関節の痛みといった症状が現れます。このように、混合性結合組織病は、複数の膠原病の症状が複雑に重なり合って現れるため、診断が非常に難しい病気です。さらに、患者さん一人ひとりで、どの膠原病の症状が強く現れるかも異なり、症状の現れ方も様々であるため、治療法も患者さんの状態に合わせて慎重に検討する必要があります。
検査

全身性エリテマトーデスと抗Sm抗体

私たちの体は、常に細菌やウイルスなどの外敵の侵入にさらされています。これらの外敵から身を守るために、体内には免疫システムという精巧な防御システムが備わっています。この免疫システムは、自己と非自己、つまり自分の体の一部とそうでないものを正確に見分ける能力を持っています。そして、非自己、すなわち外敵だと認識したものだけに攻撃を仕掛けることで、私たちの健康を守っているのです。 しかし、この精巧な免疫システムにも、誤作動が起きることがあります。何らかの原因で自己と非自己の識別がうまくいかなくなると、免疫システムは自分自身の体の一部を攻撃し始めることがあります。これが自己免疫疾患と呼ばれる病気です。 自己免疫疾患では、本来攻撃すべきでない自分の細胞や組織に対して、抗体という攻撃物質が作られます。この抗体は、本来は細菌やウイルスなどの外敵に結合して、それらを排除するために働くものです。しかし、自己免疫疾患の場合、自分自身の成分に対して作られた抗体、すなわち自己抗体が、正常な細胞や組織を攻撃してしまうのです。 自己免疫疾患には、全身性エリテマトーデスや関節リウマチ、バセドウ病など、様々な種類があります。これらの病気は、それぞれ異なる臓器や組織を標的としていますが、共通しているのは、免疫システムの異常によって自己抗体が作られ、自分の体が攻撃されているという点です。
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