免疫不全

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エイズ:免疫の崩壊がもたらす脅威

エイズとは、後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome)の略称で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされる病気です。 HIVは、免疫システムにおいて中心的な役割を担うヘルパーT細胞を破壊し、体の防御システムを弱体化させてしまいます。 私たちの体は、常にウイルスや細菌などの病原体の攻撃にさらされています。健康な状態であれば、免疫システムがこれらの病原体を攻撃し、排除することで病気から体を守ってくれます。しかし、HIVに感染すると、免疫システムの中核であるヘルパーT細胞が破壊されるため、免疫力が低下してしまいます。その結果、通常であれば発症しないような弱い病原体に対しても、体が抵抗することができなくなり、様々な病気にかかりやすくなってしまうのです。 エイズは、HIV感染によって引き起こされる免疫不全の状態を指します。エイズを発症すると、肺炎や結核、ガンなど、通常では発症しにくい様々な病気を併発するようになります。これらの病気は、健康な人であれば治療可能なものも多いですが、免疫力が低下した状態では重症化しやすく、命に関わることもあります。
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