先天性股関節脱臼

小児科

先天性股関節脱臼:赤ちゃんの股関節の病気

- 先天性股関節脱臼とは?生まれたばかりの赤ちゃんの股関節は、骨盤の受け皿となる部分(臼蓋)と太ももの骨(大腿骨)の先端にある丸い骨(大腿骨頭)が組み合わさってできています。先天性股関節脱臼とは、この大腿骨頭が臼蓋から外れてしまっている状態を指します。医学用語では「先天性股関節脱臼」または「発育性股関節形成不全」とも呼ばれます。この状態は、股関節を形成する骨や軟骨が十分に発達していない、または正常な位置にないために起こります。赤ちゃんの骨はやわらかく、成長の過程で形が変わっていくものですが、先天性股関節脱臼の場合、股関節の形が不安定なために、大腿骨頭が臼蓋から外れやすくなっています。先天性股関節脱臼は、女の子に多く見られ、男の子の7~8倍の発生率です。これは、女の子の方が骨盤の成長が遅く、股関節が不安定になりやすいことが理由の一つと考えられています。また、左右どちらかの股関節に起こることもありますが、左側に多い傾向があります。これは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で、左側を下にしていた場合、左の股関節に負担がかかりやすいためと考えられています。先天性股関節脱臼は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、ほとんどの場合、後遺症を残さずに治すことができます。そのため、赤ちゃんの股関節に異常がないか、定期的に健診を受けることが重要です。
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リーメンビューゲル紐革装具:赤ちゃんの股関節を守る装具

- リーメンビューゲル紐革装具とは?リーメンビューゲル紐革装具とは、生まれたときから股関節が外れた状態である先天性股関節脱臼の赤ちゃんに使用される治療用の装具です。この装具は、赤ちゃんの股関節を適切な位置に保つことで、骨の正常な発達を促すことを目的としています。リーメンビューゲル紐革装具は、その名の通り、馬に乗る際に足をかける「鐙(あぶみ)」に形が似ていることから名付けられました。この装具は、赤ちゃんのお腹と膝を軽く曲げた状態に保ちます。この姿勢は、股関節を構成する骨である大腿骨頭を骨盤の受け皿部分である寛骨臼にぴったりと収めるのに最適な角度とされています。この装具は、革製のベルトと金属製の留め具でできており、赤ちゃんの体に合わせた適切なサイズに調整されます。赤ちゃんの成長に合わせて、定期的に医師の診察を受け、装具の調整を行う必要があります。リーメンビューゲル紐革装具は、股関節を正しい位置に導くことで、手術をせずに先天性股関節脱臼を治療できる可能性を高めます。ただし、治療の効果には個人差があり、必ずしもこの装具だけで完治するとは限りません。医師の指示に従って、根気強く治療を続けることが大切です。
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先天性股関節脱臼:赤ちゃんの股関節の病気

生まれて間もない赤ちゃんに見られる病気の一つに、先天性股関節脱臼というものがあります。これは、赤ちゃんの股関節が本来あるべき場所からずれてしまっている状態を指し、医学的には発育性股関節形成不全(DDH)とも呼ばれます。股関節が完全に外れてしまっている場合だけでなく、外れやすい不安定な状態も含まれます。この先天性股関節脱臼は、比較的多くの赤ちゃんに見られる病気であり、特に女の子に多く発症する傾向があります。 この病気の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。一つは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間の姿勢です。逆子や骨盤位と呼ばれる姿勢でいた場合、股関節に負担がかかりやすく、発症のリスクが高まると言われています。また、女の子は男の子に比べて、股関節を柔らかくするホルモンの影響を受けやすいため、発症率が高いと考えられています。さらに、家族に股関節脱臼の経験者がいる場合も、発症する可能性が高まるとされています。 先天性股関節脱臼は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。そのため、赤ちゃんを出産した際には、股関節の検査を受けることが推奨されています。治療法としては、股関節を正常な位置に戻すための装具を装着したり、場合によっては手術を行ったりします。早期に発見し、適切な治療を行うことで、後遺症を残さずに治癒できる可能性が高まります。
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