先天性疾患

その他

結合組織の異変がもたらすもの:マルファン症候群

- マルファン症候群とは マルファン症候群は、生まれつき体の様々な組織や器官を繋ぎとめ、支える役割を担う結合組織に異常が生じることで、全身に様々な症状が現れる病気です。 通常、結合組織は体を支える柱や梁のように、それぞれの場所に必要な強度や弾力性を持って機能しています。しかし、マルファン症候群の方は、この結合組織を作るための設計図に異常があるため、十分な強度や弾力性を持たない結合組織が作られてしまいます。 その結果、骨格の成長に影響が出たり、心臓や血管、目などの重要な臓器に異常が現れたりするのです。 例えば、骨格では、背が高くなったり、手足が長くなったり、背骨が曲がってしまったりする症状が現れることがあります。また、心臓では、大動脈に瘤が出来てしまったり、心臓の弁が正常に機能しなくなったりすることがあります。さらに、目では、水晶体がずれてしまったり、網膜剥離を起こしやすくなったりするなど、様々な症状が現れる可能性があります。 このように、マルファン症候群は、結合組織の異常によって、体の様々な場所に影響が及ぶ可能性のある病気なのです。
小児科

二分脊椎:知っておきたい基礎知識

- 二分脊椎とは二分脊椎は、赤ちゃんがお腹の中にいる時に、背骨の形成がうまくいかず、生まれつき背骨に異常がある状態を指します。 背骨は、積み木のように椎骨と呼ばれる骨が重なってできており、その中には脳から続く重要な神経である脊髄が通っています。 通常、この脊髄は椎骨に囲まれて保護されていますが、二分脊椎では、妊娠中の発達の段階で椎骨が完全に閉じないことがあります。この椎骨の異常な形成により、脊髄やその周りの組織が背中に飛び出したり、露出したりすることがあります。飛び出す程度や部位は人によって異なり、症状も様々です。 二分脊椎は、大きく分けて「顕在性二分脊椎」と「潜在性二分脊椎」の二つに分類されます。 顕在性二分脊椎は、皮膚の上から見てわかるように脊髄が飛び出している状態です。一方、潜在性二分脊椎は、皮膚の下に隠れていて外見からは分かりづらい状態です。潜在性二分脊椎は、腰などに生まれつきのあざやへこみがあることで気づかれることもあります。二分脊椎は、歩行障害や排泄障害など、様々な症状を引き起こす可能性があります。そのため、早期に発見し、適切な治療やケアを行うことが重要です。
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