結合組織の異変がもたらすもの:マルファン症候群
- マルファン症候群とは
マルファン症候群は、生まれつき体の様々な組織や器官を繋ぎとめ、支える役割を担う結合組織に異常が生じることで、全身に様々な症状が現れる病気です。
通常、結合組織は体を支える柱や梁のように、それぞれの場所に必要な強度や弾力性を持って機能しています。しかし、マルファン症候群の方は、この結合組織を作るための設計図に異常があるため、十分な強度や弾力性を持たない結合組織が作られてしまいます。
その結果、骨格の成長に影響が出たり、心臓や血管、目などの重要な臓器に異常が現れたりするのです。
例えば、骨格では、背が高くなったり、手足が長くなったり、背骨が曲がってしまったりする症状が現れることがあります。また、心臓では、大動脈に瘤が出来てしまったり、心臓の弁が正常に機能しなくなったりすることがあります。さらに、目では、水晶体がずれてしまったり、網膜剥離を起こしやすくなったりするなど、様々な症状が現れる可能性があります。
このように、マルファン症候群は、結合組織の異常によって、体の様々な場所に影響が及ぶ可能性のある病気なのです。