聴診で聞こえる「クリック音」とは?
私たちの体の中心で、休みなく働き続ける心臓。全身に血液を送るポンプとしての役割を担うこの臓器は、健康な状態であれば規則正しいリズムを刻んでいます。この生命のリズムとも例えられる音は、心臓の弁が開閉する際に発生するもので、聴診器を用いることで聞くことができます。
「ドクン、ドクン」と規則正しく聞こえるこの音は、心臓が正常に機能していることを示すサインです。聴診は、心臓の状態を把握するための基本的な診察方法であり、医師はこの音に耳を傾けることで、様々な情報を得ています。
音のリズムや強さ、音色が通常とは異なる場合、心臓の弁に異常がある可能性があります。例えば、弁が狭くなっていたり、逆に弁がうまく閉じなかったりすると、血液の流れが乱れ、雑音が発生することがあります。この雑音は、心臓の病気の兆候である可能性があり、医師は聴診によって得られた情報に基づいて、さらなる検査の必要性を判断します。
心臓の音は、私たちの健康状態を映し出す鏡のようなものです。日頃から自分の心臓の音に耳を傾け、体の異変にいち早く気付くことが大切です。