皮膚科

傷口の守護者:痂皮の役割

私たちの体は、常に周囲の環境にさらされており、日常生活の中で小さな傷は避けられません。例えば、何かに擦れたり、物を触って切ったり、熱いものにうっかり触れてしまったりと、皮膚に損傷が生じることがあります。このような場合、損傷した皮膚からは血液が流れ出てきます。 出血は、体にとって大切な血液が外に流れ出てしまうだけでなく、傷口から細菌などの異物が侵入しやすくなるため、体にとって危険な状態です。そこで、傷口を塞ぎ、外部からの細菌の侵入を防ぐために重要な役割を果たすのが痂皮です。 痂皮は、血液中の血小板や凝固因子が傷口に集まり、複雑な反応を起こすことで形成されます。この反応によって、血液中のフィブリンというタンパク質が網目状に固まり、傷口を覆うことで出血を止めます。これがかさぶたとなって、傷口を保護する役割を果たします。痂皮の下では、新しい皮膚細胞が活発に作られ、傷口を修復していきます。 痂皮は自然に剥がれ落ちますが、無理に剥がすと、せっかく修復された皮膚を傷つけてしまい、細菌感染のリスクを高める可能性があります。痂皮が剥がれた後も、完全に皮膚が再生するまでには時間がかかります。 傷跡を残さないためには、皮膚の再生を促すために傷口を清潔に保ち、保湿することが大切です。
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傷口の保護膜:瘡蓋の役割

- 瘡蓋ってなに?瘡蓋(かさぶた)は、すり傷や切り傷など、皮膚にできた傷口を保護するために自然にできるものです。まるで傷口に蓋をするようにして、細菌やウイルスなどの外敵から守る役割を担っています。色は赤褐色や黒っぽいことが多く、これは瘡蓋の中に血液の色素が含まれているためです。触ると硬く感じますが、これは傷口が治る過程で線維という成分が新しく作られるためです。瘡蓋ができる前は、傷口は痛みやヒリヒリ感がありますが、瘡蓋ができると、これらの不快な症状は感じにくくなります。これは、瘡蓋が傷口を覆うことで、外部からの刺激を和らげてくれるからです。このように、瘡蓋は傷口を外部環境から守り、体が本来持つ自然治癒力を高めるために重要な役割を果たしているのです。
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