腹水について:原因と症状
- 腹水とはお腹の中には、胃や腸などの臓器が収まっています。これら臓器は、お互いにくっついたり、こすれ合ったりしないように、少量の液体で満たされた腹腔と呼ばれる袋の中に入っています。この液体は、臓器が滑らかに動くのを助ける潤滑油のような役割をしています。 「腹水」とは、この腹腔内に通常よりもはるかに多くの液体が溜まってしまった状態のことを指します。お腹に水が溜まる病気というわけではありません。腹水自体は病気ではありませんが、他の病気のサインであることが多いです。例えば、肝臓の病気、心臓の病気、腎臓の病気などが原因で起こることがあります。肝臓が硬くなってしまう病気(肝硬変)になると、血管の圧力が高まり、その結果として腹水が溜まりやすくなります。また、心臓の働きが悪くなると、体内の水分をうまく排出することができなくなり、腹水が溜まることがあります。腹水は、お腹の張りや膨満感、体重増加、息苦しさなどの症状を引き起こします。症状が重い場合には、お腹に針を刺して水を抜く治療(腹水穿刺)や、原因となっている病気を治療する必要があります。