フルクトース尿:果糖が教えてくれる体質
- フルクトース尿とは?フルクトース尿とは、その名の通り、尿中にフルクトース(果糖)が排泄される状態を指します。これは、体内で果糖を分解する酵素の一つであるフルクトキナーゼの働きが生まれつき弱いために起こります。果糖は、果物や蜂蜜などに多く含まれる糖の一種ですが、フルクトキナーゼが不足していると、摂取した果糖をうまく代謝することができません。その結果、血液中の果糖濃度が上昇し、尿中に過剰に排出されることになります。フルクトース尿は、乳児期に発見されることが多く、尿検査でフルクトースが検出されることで診断されます。多くの場合、自覚症状はほとんどありません。しかし、大量の果糖を摂取すると、お腹がゆるくなったり、吐き気や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。フルクトース尿は、命に関わる病気ではありませんが、健康に過ごすためには、果糖の摂取を控えるなどの食事療法が重要となります。果糖は、果物だけでなく、清涼飲料水や菓子類、調味料などにも広く含まれているため、食品表示をよく確認する習慣をつけましょう。また、定期的な尿検査を受けることで、体内の果糖の量を把握し、適切な食事療法を継続していくことが大切です。