他動運動

看護技術

他動運動:その役割と利点

- 他動運動とは他動運動とは、怪我や病気、あるいは筋力低下などの理由で、自力で体を動かすことが困難な場合に、外部からの力によって関節を動かしていく運動療法のことです。 例えば、交通事故による後遺症や脳卒中の後遺症などで、麻痺が残ってしまった場合、腕や足を自分の意思で動かすことが難しくなります。このような場合に、理学療法士や作業療法士といった専門家が、患者さんの体に直接触れて、関節を曲げ伸ばしする運動を行います。 また、患者さん自身が、麻痺のない反対側の手を使って麻痺のある側の腕を動かしたり、タオルや紐などを利用して足を持ち上げたりするのも、他動運動に含まれます。 他動運動の目的は、関節の柔軟性を維持すること、筋肉や腱の萎縮を防ぐこと、関節周りの血液循環を促進することなどです。 他動運動は、あくまでも外部からの力で受動的に行う運動であるため、筋肉を鍛えたり、運動機能を回復させたりする効果は限定的です。そのため、可能な限り、自力で体を動かすことができるように、自主トレーニングなども並行して行っていくことが重要です。
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