乳幼児

皮膚科

蒙古斑:生まれたての証

- 蒙古斑とは? 蒙古斑とは、生まれたばかりの赤ちゃんや幼児の肌に現れる青みがかったアザのことです。その名の通りモンゴル民族の人々に多く見られることから名付けられましたが、アジア系の赤ちゃんに広く見られる一般的なものです。 特に、お尻や腰のあたりに現れやすく、まるで誰かがうっかりインクをこぼしてしまったかのような、少しぼんやりとした形をしているのが特徴です。 蒙古斑の原因は、皮膚の下にあるメラノサイトと呼ばれる細胞にメラニン色素が密集してしまうことにあります。 メラニン色素は、私たちの肌や髪、瞳の色を決める色素ですが、蒙古斑の場合は、皮膚の奥深くにメラノサイトが集まってしまうために、青みがかって見えるのです。 多くの場合、蒙古斑は成長とともに薄くなり、小学校に上がる頃には自然に消えてしまいます。治療の必要もなく、健康に害を及ぼすこともありません。 蒙古斑は、赤ちゃんにとっての一つの個性とも言えるでしょう。
小児科

乳幼児の体格を評価するカウプ指数

- カウプ指数とは生まれたばかりの赤ちゃんから、幼児期にかけての子供たちの成長は、目を見張るものがありますよね。特に生後3か月から5歳頃までは、身長や体重が大きく変化する、まさに成長のピークと言えるでしょう。この時期の栄養状態や発育の度合いは、その後の健康状態に大きく影響する可能性も秘めているため、注意深く見守っていく必要があります。そこで、乳幼児の体格を評価する指標の一つとして、「カウプ指数」が用いられます。カウプ指数は、体重(グラム) ÷ 身長(センチメートル)の二乗 × 10という簡単な計算式で求められます。この数値によって、乳幼児の栄養状態を「やせ気味」「標準」「ふっくら気味」の3段階に分類し、客観的に判断することができます。カウプ指数は、あくまでも目安の一つに過ぎません。しかし、定期的に測定することで、成長の過程を把握し、栄養状態や発育に関する問題を早期に発見するのに役立ちます。もしも、カウプ指数の数値が極端に低かったり、高かったりする場合は、医師に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。日々の生活の中で、子供の食事内容や量、運動量などに気を配り、健やかな成長をサポートしてあげることが大切です。
小児科

赤ちゃんが泣くのはなぜ?~人見知りの謎~

- 人見知りとは?赤ちゃんが成長する過程で、周囲の人や環境との関わりの中で、特定の人に対して警戒心や不安感を抱く行動が見られることがあります。これが「人見知り」と呼ばれるものです。 生後6ヶ月頃から1歳頃に多く見られ、2歳頃には自然と落ち着いてくることが多いですが、個人差が大きいのも特徴です。人見知りは、赤ちゃんが見慣れない人に近づかれた時、表情が硬くなったり、泣き出したり、保護者に強くしがみついたりする様子で現れます。これは、赤ちゃんが自分の周りの世界を理解し始め、安心できる人とそうでない人を区別できるようになったことを示す、発達における大切なステップです。これまで接してきた保護者など、限られた人たちとの関わりの中で安心感を育んできた赤ちゃんにとって、見慣れない人の顔や声、雰囲気は、予測できないもの、場合によっては危険なものと映ることがあります。そのため、不安や恐怖を感じ、それを泣いたり、抱っこを拒否したりすることで表現しているのです。人見知りは、決して赤ちゃんが悪い子だから、育て方が悪いから起こるものではありません。むしろ、赤ちゃんの社会性や認知能力が成長している証とも言えます。この時期を通して、赤ちゃんは安心できる関係を築きながら、少しずつ外の世界へ関心を広げ、周囲の人との距離感を学んでいくのです。
小児科

乳幼児健診: 成長の節目を見守るために

乳幼児健診は、赤ちゃんが健やかに成長し、発達していくために、国が定めた時期に市区町村が無料で実施している健康診査です。これは、乳幼児定期健診や乳幼児健診とも呼ばれ、保護者の皆さんが、お子さんの成長の様子や健康状態を知るための大切な機会となっています。 健診では、医師や保健師などが、お子さんの身長や体重を測定し、発育の状況を丁寧に確認します。また、運動機能や聴力、視力などの発達についてもチェックを行います。さらに、病気の早期発見にもつながるよう、診察も行います。 乳幼児健診は、単に身体的な発達を確認する場だけではなく、保護者の皆さんが子育てに関する疑問や不安を気軽に相談できる場でもあります。授乳や離乳食、夜泣き、生活リズムなど、子育てに関するあらゆる悩みを相談することができます。保健師や栄養士などの専門家が、それぞれの悩みに寄り添い、適切なアドバイスやサポートを提供しますので、安心して相談してください。 乳幼児健診は、お子さんの健やかな成長と発達を支援するだけでなく、保護者の皆さんの不安を解消し、安心して子育てに取り組めるようにサポートする大切な機会です。
小児科

チャイルドシート:幼い命を守るための必須アイテム

- チャイルドシートとは チャイルドシートは、自動車に乗車する際、まだ体が小さくシートベルトを正しく着用できない乳幼児のために開発された、安全を守るための専用シートです。自動車に乗る際の子供の安全を守ることは非常に重要であり、そのためにチャイルドシートは必要不可欠です。 大人用のシートベルトは、ある程度の身長と体格があることを想定して設計されています。そのため、体の小さな子供が大人用シートベルトを使用すると、事故の際に体にフィットせず、深刻な怪我に繋がる可能性があります。たとえば、シートベルトが首にかかってしまい窒息したり、衝突の衝撃でシートベルトから体がすり抜けてしまう危険性も考えられます。 一方で、チャイルドシートは、子供の体格に合わせて設計されており、衝突時の衝撃を吸収したり、身体を適切な位置に固定することで、これらのリスクを大幅に軽減します。チャイルドシートは、子供の成長段階に合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。乳児期には後ろ向きに設置するタイプ、幼児期には前向きに座らせるタイプなど、様々な種類があります。 チャイルドシートは、子供の命を守るための大切なものです。正しく使用することで、安全なドライブを楽しむことができます。
心の問題

子どもの愛着:健やかな成長の土台

- 愛着とは何か愛着とは、特定の人に対して特別な感情を抱き、その人と共にいたいと強く感じる気持ちのことです。まるで目に見えない糸で結ばれているように、心の距離が縮まり、安心感や幸福感を覚えます。特に乳幼児期における愛着形成は、その後の子どもの情緒や社会性の発達に大きな影響を与えることが分かっています。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分では何もできません。ミルクを飲ませてもらったり、おむつを替えてもらったり、抱っこしてもらったりと、周りの大人の世話が不可欠です。このような状況下で、赤ちゃんは自分を無条件に受け入れてくれ、愛情をかけてくれる特定の大人(多くの場合、母親)に対して、特別な感情を抱くようになります。これが愛着の始まりです。愛着が形成されると、子どもは特定の大人の存在によって安心感や安定感を得ることができ、周囲の世界を探索する意欲や好奇心を育むことができます。反対に、愛着形成がうまくいかないと、情緒不安定になったり、対人関係がうまく築けなかったりするなど、さまざまな問題が生じるリスクが高まると言われています。愛着形成は、子どもの将来を左右すると言っても過言ではありません。子どもの健やかな成長を促すためには、温かで愛情のこもった関わりを通して、子どもとの間に安定した愛着関係を築くことが重要です。
小児科

乳幼児の発達指標:ランドー反射

- ランドー反射とは 生後6ヶ月から2歳頃までの赤ちゃんに見られる「ランドー反射」は、赤ちゃんの発達段階を知る上で重要な手がかりとなる姿勢反射の一つです。 この反射は、赤ちゃんを水平な姿勢で空中に抱き上げた際に、まるで飛行機のように背中を反らせて手足を広げる様子から、「飛行機反射」とも呼ばれています。 ランドー反射は、赤ちゃんの神経系や筋肉の発達を評価する上で重要な指標となります。この反射が見られるということは、赤ちゃんの中枢神経系、特に脳幹と呼ばれる部分が正常に機能していることを示唆しています。また、この反射は、赤ちゃんが自分の体の位置や動きを認識する能力、つまり平衡感覚の発達にも関連していると考えられています。 ランドー反射は、通常2歳頃までに自然と消失していきます。もし、2歳を過ぎてもこの反射が強く残っていたり、逆に生後6ヶ月を過ぎてもこの反射が見られない場合は、医師に相談することをお勧めします。これらの兆候は、脳性麻痺などの発達障害の可能性を示唆している場合もあるからです。 ランドー反射は、赤ちゃんの健全な発達を評価する上で重要な指標の一つと言えるでしょう。
小児科

先天性股関節脱臼:赤ちゃんの股関節の病気

- 先天性股関節脱臼とは?生まれたばかりの赤ちゃんの股関節は、骨盤の受け皿となる部分(臼蓋)と太ももの骨(大腿骨)の先端にある丸い骨(大腿骨頭)が組み合わさってできています。先天性股関節脱臼とは、この大腿骨頭が臼蓋から外れてしまっている状態を指します。医学用語では「先天性股関節脱臼」または「発育性股関節形成不全」とも呼ばれます。この状態は、股関節を形成する骨や軟骨が十分に発達していない、または正常な位置にないために起こります。赤ちゃんの骨はやわらかく、成長の過程で形が変わっていくものですが、先天性股関節脱臼の場合、股関節の形が不安定なために、大腿骨頭が臼蓋から外れやすくなっています。先天性股関節脱臼は、女の子に多く見られ、男の子の7~8倍の発生率です。これは、女の子の方が骨盤の成長が遅く、股関節が不安定になりやすいことが理由の一つと考えられています。また、左右どちらかの股関節に起こることもありますが、左側に多い傾向があります。これは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で、左側を下にしていた場合、左の股関節に負担がかかりやすいためと考えられています。先天性股関節脱臼は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、ほとんどの場合、後遺症を残さずに治すことができます。そのため、赤ちゃんの股関節に異常がないか、定期的に健診を受けることが重要です。
小児科

よくある夏風邪?手足口病について

- 手足口病とは手足口病は、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71などのウイルス感染によって引き起こされる、感染力が強い病気です。乳幼児を中心に、主に夏に流行が見られます。-# 代表的な症状手足口病という名前の通り、手のひら、足の裏、口の中などに赤い発疹が現れ、その中心に水ぶくれができるのが特徴です。発疹はかゆみを伴う場合もあり、水ぶくれは破れると痛みを伴うこともあります。口の中にできた発疹は口内炎となり、食事や飲み物を摂るのが辛くなることがあります。また、発熱や喉の痛み、だるさ、食欲不振などの症状が出ることもあります。-# 感染経路と予防手足口病は、感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むこと(飛沫感染)や、ウイルスが付着したおもちゃやドアノブなどを触った後、自分の口や鼻、目を触ること(接触感染)によって感染します。そのため、こまめな手洗いうがいを徹底することが重要です。また、タオルの共用を避けたり、咳エチケットを心がけたりすることも有効な予防策です。-# 治療手足口病はウイルス性の病気であるため、特別な治療法はありません。基本的には、安静にして、水分を十分に摂り、症状に合わせて解熱鎮痛剤を使用するなど、対症療法が中心となります。ほとんどの場合、1週間程度で症状は改善しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。特に、高熱が続いたり、ぐったりしているなど、いつもと様子が違う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
小児科

RSウイルス感染症:乳幼児に多い呼吸器感染症

- RSウイルスとはRSウイルスは、乳幼児を中心に、年齢に関わらず、呼吸器に感染症を引き起こすウイルスです。感染すると、鼻水や咳、発熱といった風邪によく似た症状が現れます。多くの場合、これらの症状は軽度で、自宅で安静にしていれば自然に治癒していきます。しかし、乳幼児、特に生まれて間もない赤ちゃんや、心臓や肺などに持病を持つ赤ちゃんの場合、RSウイルスに感染すると重症化するリスクが高まります。具体的には、細気管支炎や肺炎などを発症し、呼吸が苦しくなったり、入院が必要となるケースも見られます。RSウイルスは、感染した人の咳やくしゃみ、つばなどの飛沫を介して、あるいはウイルスが付着したおもちゃなどを触ることによって、人から人へと感染します。そのため、特に流行時期には、こまめな手洗いとうがいを心がけ、赤ちゃんへの感染を防ぐように注意することが重要です。
小児科

ロタウイルス感染症:乳幼児に多い胃腸炎

- ロタウイルスとはロタウイルスは、乳幼児によく見られる胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に、生後6か月から2歳頃までのお子さんは注意が必要です。感染すると、嘔吐や下痢、発熱などの症状が現れ、脱水症状に陥りやすいため、注意深いケアが欠かせません。ロタウイルスは、感染した人の便の中に存在し、その便に直接触れたり、便で汚染された物に触れることで感染します。例えば、オムツ交換の際に手にウイルスが付着したり、おもちゃやドアノブなどを介して口に入ったりすることで感染が広がります。また、十分に洗浄されていない食品を食べることでも感染する可能性があります。ロタウイルスの感染力は非常に強く、ごくわずかな量のウイルスでも感染を引き起こす可能性があります。そのため、感染予防には、手洗いの徹底が何よりも重要です。石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水で十分にすすぎましょう。また、おもちゃや身の周りの物の消毒もこまめに行うことが大切です。ロタウイルス胃腸炎はワクチンで予防できる病気です。ワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。かかりつけ医に相談し、ワクチンの接種を検討しましょう。
皮膚科

蒙古斑:日本人によく見られる生まれつきのアザ

- 蒙古斑とは?蒙古斑とは、生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚に見られる、青みがかったアザのことです。お尻や腰のあたりに現れることが多く、まるで誰かに強くこねられたような跡に見えることもあります。色は薄い青色から濃い灰色まで、大きさも人それぞれです。 一見すると心配になるかもしれませんが、蒙古斑は病気ではありません。痛みやかゆみなどの症状も全くなく、赤ちゃん自身は気にしていません。 蒙古斑ができる原因は、皮膚にメラニン色素を作る細胞が集まっているためです。 メラニン色素は、肌や髪の色を決める役割をしています。 蒙古斑は成長とともに薄くなり、ほとんどの場合、小学校に上がる頃までには目立たなくなります。 治療の必要もなく、特別なケアも必要ありません。しかし、まれに大人になっても消えずに残ってしまうこともあります。
小児科

乳幼児の体格指標:カウプ指数

- カウプ指数とはカウプ指数は、生後3か月から5歳までの乳幼児の発育状態を評価するために用いられる指標です。乳幼児期は成長が著しく、栄養状態がその後の発達に大きく影響するため、定期的な評価が重要となります。カウプ指数は、体重(g) ÷ 身長(cm)の二乗 × 10という簡単な計算式で算出されます。この値によって、乳幼児の体格が標準から見てどの程度ずれているのかを判断することができます。カウプ指数は、肥満や低体重の判定に特に役立ちます。標準値を大きく上回る場合は肥満の傾向、逆に下回る場合は低体重の可能性が考えられます。しかし、カウプ指数はあくまでも目安であり、この値だけで断定することはできません。乳幼児の体格は、遺伝や生活習慣、運動量など様々な要因によって個人差が大きいためです。そのため、カウプ指数は、他の発育指標や健康状態、生活状況などと総合的に判断することが重要です。乳幼児の健康管理において、カウプ指数はスクリーニングツールとして活用されます。定期的にカウプ指数を測定し、記録することで、発育の経過を観察することができます。もし、カウプ指数が急激に変動したり、標準値から大きく外れている場合は、医師に相談し、適切な栄養指導や発育支援を受けることが大切です。
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