乳児

小児科

乳児に見られるモロー反射:その特徴と役割

- モロー反射とは生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ外界と上手にコミュニケーションをとることができません。しかし、外界からの刺激に対して、生まれつき持っている特定の反応を示すことがあります。これを-原始反射-といい、モロー反射もその一つです。モロー反射は、赤ちゃんが突然の体の傾斜や大きな音に驚いた時に見られます。例えば、赤ちゃんを寝かせようとして体の位置を急に傾けたり、近くで大きな音がしたりすると、赤ちゃんは驚いてしまいます。この時、赤ちゃんはまるで誰かに抱きつこうとするかのように、両腕を左右に広げ、指を開きます。その後、腕をゆっくりと胸の前で閉じるような動作をします。 この特徴的な仕草から、「抱きつき反射」と呼ばれることもあります。モロー反射は、生後4か月くらいまでに自然に消失していきます。これは、赤ちゃんの神経系が成長し、外界からの刺激に対してより複雑で制御された反応ができるようになるためです。もし、モロー反射がなかなか見られなかったり、長期間にわたって見られたりする場合は、医師に相談してみましょう。
小児科

赤ちゃんのための食事: 離乳食について

- 離乳食とは生まれてきたばかりの赤ちゃんは、お母さんからもらった母乳やミルクだけで必要な栄養をすべて摂ることができます。しかし、生後5~6か月頃になると、身体の成長が進むにつれて、母乳やミルクだけでは必要な栄養を補いきれなくなってきます。そこで始まるのが「離乳食」です。離乳食とは、母乳やミルク以外の食べ物を少しずつ食べる練習を通して、赤ちゃんが食事から栄養を摂れるようにするための大切な準備期間と言えます。この時期に様々な食材の味や食感に慣れておくことで、将来、食べることを楽しめるようになるだけでなく、心も体も健やかに成長していくために必要な栄養をしっかりと摂ることができるようになるのです。離乳食は、赤ちゃんの発育段階に合わせて進めていくことが大切です。最初は、トロトロとした液体状の食べ物から始め、徐々に固さや形状を変えながら、食べられる食材を増やしていきます。赤ちゃんの様子を見ながら、焦らず、ゆっくりと進めていくことが、離乳食を成功させるための鍵となります。離乳食は、赤ちゃんが「食べる」ことを学び、成長していくための大切なステップです。保護者の方は、赤ちゃんのペースに合わせて、愛情を込めて離乳食を進めていきましょう。
小児科

新生児:誕生から28日間の大切な命

生まれたばかりの赤ちゃんを指す言葉として、「新生児」という言葉が使われます。医学的には、生後28日未満の赤ちゃんを指し、これは世界保健機関(WHO)も同じ定義を採用しています。つまり、新生児期とは、誕生から生後28日目までの期間のことを指します。 この時期の赤ちゃんはまだ身体的な機能が未熟で、外界の環境に適応していくための準備段階にあります。呼吸や体温調節、免疫機能などは発達段階にあり、外からの影響を受けやすい状態です。そのため、この時期の赤ちゃんは、感染症にかかりやすく、注意深く観察し、適切なケアを行うことが非常に重要となります。 具体的には、体温や呼吸数、哺乳の状態などをこまめにチェックし、少しでも異常が見られたらすぐに医療機関を受診する必要があります。また、新生児期は、親子にとって大切な絆を育む時期でもあります。赤ちゃんと肌を触れ合わせたり、優しく声をかけたりすることで、赤ちゃんは安心感を得ることができ、健やかな発達を促すことに繋がります。新生児期は、赤ちゃんにとって、そして親にとっても、特別な時間と言えるでしょう。
小児科

乳児に見られる原始姿勢反射

- 原始姿勢反射とは生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ周囲の世界を認識し、自分の意思で体を動かすことができません。しかし、外界からの刺激に対して、決まったパターンで反応する、生まれながらの能力を持っています。これを原始姿勢反射と呼びます。原始姿勢反射は、まだ未熟な脳を持つ赤ちゃんが、生き延び、成長していくために備わっている、重要な機能と考えられています。例えば、赤ちゃんの手のひらに何かが触れると、ぎゅっと握り返す動作は、把握反射と呼ばれる原始姿勢反射の一種です。これは、母親など、保護者に抱きついて離れないようにするための、生存本能的な行動の名残と言われています。また、乳児期に現れる様々な運動能力の発達にも、原始姿勢反射は深く関わっていると考えられており、そのメカニズムの解明が研究されています。これらの反射は、成長に伴い脳神経系が成熟することで、徐々にその役割を終え、生後半年から1年程度で消失していきます。もし、これらの反射が適切な時期に現れなかったり、消失が遅れたりする場合は、脳の発達に何らかの問題がある可能性も考えられるため、医師の診察を受けることが推奨されます。
小児科

赤ちゃんの成長と原始反射:対称性緊張性頸反射

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分で思い通りに体を動かすことができません。しかし、周囲からの様々な刺激に対して、決まった反応を示します。これが「反射」です。反射には、赤ちゃんが生きていくために必要な動きを促すものや、脳や神経の発達を促すものなど、重要な役割を担うものがたくさんあります。 これらの反射は、まるでプログラムされたかのように、決まった刺激に対して、決まった反応を示します。例えば、「モロー反射」と呼ばれる反射では、赤ちゃんは大きな音や、体勢が急に変化した時に、両腕を広げて抱きつくような動作をします。また、「把握反射」では、手のひらに何かが触れると、ぎゅっと握り返します。 これらの反射は、赤ちゃんの成長とともに、脳の成熟に伴い、徐々に統合されていきます。そして、自分の意志で体を動かせるようになるにつれて、自然と消失していきます。そのため、これらの反射は「原始反射」と呼ばれます。原始反射は、赤ちゃんが成長する過程で一時的に現れる、いわば「通過点」のようなものなのです。
耳鼻科

舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

- 舌根沈下とは私たちの口の中に存在する舌は、食事をする際に食べ物を喉の奥に送り込んだり、言葉を話す際に複雑な動きをしたりと、重要な役割を担っています。舌の中でも、特に奥まった部分を舌根と呼びますが、この舌根が重力によって喉の奥(医学用語では咽頭と呼びます)に沈み込んでしまう状態を -舌根沈下- と言います。本来、舌は口の中に位置しているものですが、舌根沈下が起こると、気道の一部が塞がれてしまい、スムーズな呼吸を妨げてしまうことがあります。特に、睡眠中は体の筋肉が弛緩してしまい、起きている時に比べて舌を支える力が弱くなるため、舌根沈下が起こりやすくなります。舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群の原因の一つとしても知られています。睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう、あるいは呼吸が浅くなってしまう病気です。舌根沈下によって気道が狭くなることで、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる可能性があります。舌根沈下の症状としては、大きないびき、日中の眠気、起床時の頭痛などが挙げられます。これらの症状が見られる場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
小児科

幼児に多い突発性発疹

- 突発性発疹とは 突発性発疹は、乳幼児、特に1歳未満の赤ちゃんに非常に多く見られるありふれた感染症です。その名前が示す通り、何の前触れもなく突然高い熱が出るのが特徴です。熱は通常38度から39度くらいまで上がり、高い場合は40度を超えることもあります。熱は3日から4日ほど続きますが、その後は自然に下がり始めます。 熱が下がると入れ替わるように、全身に赤い斑点状の発疹が現れます。発疹はかゆみも痛みもなく、数日で自然に消えていきます。突発性発疹の原因となるウイルスに対する免疫が出来るため、一度かかると再び発症することはほとんどありません。 突発性発疹自体は多くの場合、深刻な合併症を引き起こすことなく自然に治癒するため、過度に心配する必要はありません。しかし、高熱による脱水症状や、まれに脳炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。 突発性発疹は、ウイルスが空気中に飛散することによって感染が広がると考えられていますが、はっきりとした感染経路は分かっていません。そのため、完全に予防することは難しいですが、日頃から手洗いうがいを徹底するなど、基本的な衛生習慣を心がけることが大切です。
小児科

リーメンビューゲル紐革装具:赤ちゃんの股関節を守る装具

- リーメンビューゲル紐革装具とは?リーメンビューゲル紐革装具とは、生まれたときから股関節が外れた状態である先天性股関節脱臼の赤ちゃんに使用される治療用の装具です。この装具は、赤ちゃんの股関節を適切な位置に保つことで、骨の正常な発達を促すことを目的としています。リーメンビューゲル紐革装具は、その名の通り、馬に乗る際に足をかける「鐙(あぶみ)」に形が似ていることから名付けられました。この装具は、赤ちゃんのお腹と膝を軽く曲げた状態に保ちます。この姿勢は、股関節を構成する骨である大腿骨頭を骨盤の受け皿部分である寛骨臼にぴったりと収めるのに最適な角度とされています。この装具は、革製のベルトと金属製の留め具でできており、赤ちゃんの体に合わせた適切なサイズに調整されます。赤ちゃんの成長に合わせて、定期的に医師の診察を受け、装具の調整を行う必要があります。リーメンビューゲル紐革装具は、股関節を正しい位置に導くことで、手術をせずに先天性股関節脱臼を治療できる可能性を高めます。ただし、治療の効果には個人差があり、必ずしもこの装具だけで完治するとは限りません。医師の指示に従って、根気強く治療を続けることが大切です。
小児科

赤ちゃんに見られるモロー反射とは?

- モロー反射とは生まれたばかりの赤ちゃんや乳児が見せる、興味深い行動のひとつに「モロー反射」があります。これは、外界からの予期せぬ刺激に対して、赤ちゃんがとっさに反応してしまうことから起こる、生まれつき持っている反射運動のことを指します。この反射運動は「原始反射」とも呼ばれ、成長に伴い徐々に姿を消していくのが特徴です。では、具体的にモロー反射はどのような行動で観察されるのでしょうか?赤ちゃんは、大きな音や急な体位の変化といった、突然の刺激を受けると、まるで驚いたかのように両腕を大きく広げ、その後、再び腕を胸の前で閉じる動きをします。まるで誰かをぎゅっと抱きしめようとしているかのような、愛らしい仕草です。この特徴的な行動こそが、モロー反射と呼ばれています。モロー反射は、赤ちゃんの神経系の発達が順調に進んでいるかどうかを判断する上で、重要な指標の一つとなっています。もしも、赤ちゃんが生後数ヶ月経ってもモロー反射が見られたり、逆にモロー反射が現れるべき時期に反応が見られなかったりする場合は、医師に相談する必要があるかもしれません。
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