真珠腫性中耳炎:耳の奥に潜む真珠の脅威
- 真珠腫性中耳炎とは
真珠腫性中耳炎は、耳の奥にある中耳という空間に、本来はあってはいけない皮膚細胞が入り込み、増殖してしまう病気です。
中耳には、音を伝えるための小さな骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)が存在し、鼓膜の振動を内耳に伝えています。
真珠腫性中耳炎になると、この中耳の中に皮膚細胞が入り込み、増殖を始めます。
この皮膚細胞は、まるで真珠のように白く見える塊を作るため、「真珠腫」と呼ばれています。
真珠腫は、周囲の骨を溶かしながら徐々に大きくなっていく性質を持っています。
そのため、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。
しかし、真珠腫が大きくなると、周囲の組織や神経を圧迫し始め、様々な症状が現れてきます。
具体的には、耳の聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、耳だれが出るといった症状がみられます。
さらに症状が進むと、めまいや顔面神経麻痺、頭痛、意識障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。
真珠腫性中耳炎は、自然に治ることはなく、放置すると症状が悪化する一方です。
そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。