中耳炎

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真珠腫性中耳炎:耳の奥に潜む真珠の脅威

- 真珠腫性中耳炎とは 真珠腫性中耳炎は、耳の奥にある中耳という空間に、本来はあってはいけない皮膚細胞が入り込み、増殖してしまう病気です。 中耳には、音を伝えるための小さな骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)が存在し、鼓膜の振動を内耳に伝えています。 真珠腫性中耳炎になると、この中耳の中に皮膚細胞が入り込み、増殖を始めます。 この皮膚細胞は、まるで真珠のように白く見える塊を作るため、「真珠腫」と呼ばれています。 真珠腫は、周囲の骨を溶かしながら徐々に大きくなっていく性質を持っています。 そのため、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。 しかし、真珠腫が大きくなると、周囲の組織や神経を圧迫し始め、様々な症状が現れてきます。 具体的には、耳の聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、耳だれが出るといった症状がみられます。 さらに症状が進むと、めまいや顔面神経麻痺、頭痛、意識障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。 真珠腫性中耳炎は、自然に治ることはなく、放置すると症状が悪化する一方です。 そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。
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慢性穿孔性中耳炎:耳の穴と聞こえの関係

- 慢性穿孔性中耳炎とは慢性穿孔性中耳炎は、中耳炎が治った後も、鼓膜に開いた穴(穿孔)が塞がらず残ってしまう病気です。通常、急性中耳炎にかかると、耳の痛みや発熱、耳だれなどの症状が現れます。多くの場合、適切な治療を行うことでこれらの症状は改善し、鼓膜の穴も自然に塞がっていきます。しかし、急性中耳炎にかかってから3ヶ月以上経っても鼓膜の穴が塞がらない場合は、慢性穿孔性中耳炎になっていると考えられます。慢性穿孔性中耳炎になると、耳だれや難聴といった症状が繰り返し現れることがあります。また、耳だれによって耳の中が常に湿った状態になるため、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、放置すると、さらに重症化し、手術が必要になる場合もあります。慢性穿孔性中耳炎は、適切な治療と日々のケアが重要な病気です。気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
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急性中耳炎:痛みの原因と対処法

- 急性中耳炎とは急性中耳炎は、耳の奥にある「鼓膜」とよばれる薄い膜の内側にある「中耳」という空間に、細菌やウイルスが入り込んで炎症を起こしてしまう病気です。子供がかかりやすく、特に空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行する冬に多く見られます。これは、子供の耳管(中耳と鼻の奥をつなぐ管)が大人に比べて短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳へ入り込みやすいことが原因として挙げられます。さらに、免疫機能が未発達であることも、急性中耳炎になりやすい要因の一つと考えられています。急性中耳炎になると、耳の痛みや発熱、耳だれ、難聴などの症状が現れます。乳幼児の場合、言葉で症状を上手く伝えられないため、耳を触ったり、機嫌が悪くなったり、ミルクの飲みが悪くなったりすることがあります。このような症状が見られる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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小児に多い滲出性中耳炎:原因と治療

- 滲出性中耳炎とは鼓膜の奥には、中耳腔と呼ばれる小さな空洞があります。通常、この空間は空気で満たされていますが、何らかの原因で中耳腔に液体(滲出液)が溜まってしまう病気を、滲出性中耳炎と呼びます。この滲出液は、鼻の奥と中耳腔をつなぐ耳管という管の働きが悪くなることで生じます。特に、免疫力が発達段階にある3歳から6歳くらいのお子さんは、耳管の機能が未熟なため滲出性中耳炎になりやすく、頻繁にみられる病気です。滲出性中耳炎の特徴として、痛みなどの自覚症状が現れにくいことが挙げられます。そのため、周囲の大人が異変に気づきにくく、発見が遅れる場合も少なくありません。しかし、そのまま放置してしまうと、難聴を引き起こしたり、言葉の発達に影響を及ぼす可能性があります。早期発見・治療が重要となるため、保護者は、普段からお子さんの様子をよく観察し、少しでも気になることがあれば、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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