水分の過剰摂取にご用心:水中毒とは?
人間が生きていく上で欠かせない水ですが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがあるように、過剰に摂取すると「水中毒」を引き起こすことがあります。
水中毒は、体内の水分のバランスが崩れ、細胞が水分を過剰に吸収してしまうことで発症します。
人間の体は、体内の水分量を一定に保つために、腎臓で尿を生成し、余分な水分を体外へ排出するなど、精巧な調整機能が備わっています。しかし、短時間に大量の水を摂取すると、この調整機能が追いつかなくなり、体内の電解質濃度が低下してしまうのです。
電解質は、体内の水分バランスや神経伝達、筋肉の収縮など、生命維持に欠かせない役割を担っています。
水中毒の初期症状としては、頭痛、吐き気、嘔吐などが挙げられます。
さらに症状が進むと、意識障害、痙攣、昏睡などの重篤な症状を引き起こし、最悪の場合、死に至る可能性もあるのです。
水中毒は、健康な人であれば、よほど大量の水を短時間に摂取しない限り起こることは稀です。
しかし、腎臓の機能が低下している高齢者や乳幼児、マラソンなどの激しい運動後などは、水中毒のリスクが高まるため、注意が必要です。
水分補給は、のどの渇きを感じる前に、こまめに行うことが大切です。