中毒性表皮壊死症

皮膚科

診断の鍵となる皮膚症状:ニコルスキー現象

- ニコルスキー現象とは 健康な肌は、通常、多少の摩擦や圧力では傷ついたり剥がれたりしません。これは、皮膚の表面にある表皮と、その下の真皮がしっかりと結びついているからです。しかし、特定の病気や皮膚の状態によって、この結びつきが弱くなってしまうことがあります。その結果、少し触れただけでも皮膚が薄く剥がれ落ちてしまう現象が起こります。これがニコルスキー現象です。 ニコルスキー現象は、まるで薄い紙や膜が剥がれるように、皮膚の表面だけが剥がれ落ちるのが特徴です。これは、皮膚の層構造を維持する上で重要な役割を果たす、デスモソームという細胞結合に異常が生じているために起こります。デスモソームは、細胞同士をしっかりと結びつける役割を担っていますが、ニコルスキー現象が起こると、この結合が壊れやすくなっているのです。 この現象は、皮膚が赤くなる、水ぶくれができる、痛みやかゆみがあるといった他の皮膚症状と同時に現れることが多いです。ニコルスキー現象が見られる代表的な病気としては、天疱瘡やSSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)などが挙げられます。これらの病気は、細菌感染や自己免疫反応などが原因で起こると考えられており、早期の診断と適切な治療が必要となります。
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