中性脂肪

血液

エネルギー危機を救うケトン体

- ケトン体とは?私たちは普段、ご飯やパンなどに含まれる炭水化物からエネルギーを得て生活しています。 炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、体のエネルギー源として利用されます。 しかし、飢餓状態や重い糖尿病などの理由でブドウ糖が不足すると、体はエネルギー不足に陥ります。このようなとき、体は代わりに脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。 脂肪は肝臓で分解され、その過程でケトン体が作られます。 ケトン体には、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3種類があります。 ケトン体は血液に乗って全身に運ばれ、脳や筋肉などの細胞のエネルギー源として利用されます。 ブドウ糖が不足している状況では、ケトン体は生命維持に重要な役割を果たします。ただし、ケトン体が過剰に作られると、血液が酸性に傾くケトアシドーシスという危険な状態に陥ることがあります。 特に、重い糖尿病の患者さんでは注意が必要です。 ケトアシドーシスは意識障害や昏睡などを引き起こし、命に関わることもあります。
生活習慣病

サイレントキラー!高脂血症を知ろう

- 高脂血症とは?高脂血症とは、血液中に脂質(ししつ)と呼ばれる脂肪成分が過剰に増えている状態を指します。脂質は私たちの体を構成する細胞膜やホルモンを作るために欠かせない成分であり、健康を維持する上で重要な役割を果たしています。しかし、 脂質が必要以上に増えてしまうと、血管の内側に溜まりやすくなり、血管を硬く狭くしてしまう動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。動脈硬化は、血管の柔軟性や弾力性を低下させ、血液の流れを悪くする病気です。動脈硬化が進行すると、心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭窄・閉塞し、心筋梗塞を引き起こす可能性があります。また、脳の血管が詰まると脳梗塞を引き起こす可能性もあります。 心筋梗塞や脳梗塞は、命に関わるだけでなく、後遺症が残る可能性もあるため、動脈硬化の予防と早期治療が非常に重要です。高脂血症は、自覚症状がほとんどないため、健康診断などで指摘されて初めて気づくという方が多くいらっしゃいます。しかし、放置すると動脈硬化を進展させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることになるため、注意が必要です。 食生活の改善や運動習慣の導入など、生活習慣の見直しによって脂質の値をコントロールすることが重要です。また、医師の指示のもと、適切な治療を受けていくことが大切です。
生活習慣病

サイレントキラー!脂質異常症とは?

- 脂質異常症とは脂質異常症とは、血液中に含まれる脂肪の成分である脂質のバランスが乱れた状態を指します。脂質は、体のエネルギー源となったり、細胞膜を構成したりするなど、私たちの体にとって重要な役割を担っています。しかし、これらの脂質が適正なバランスでなくなってしまうと、様々な病気を引き起こすリスクが高まります。脂質には、大きく分けてコレステロールと中性脂肪があります。コレステロールには、「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロールと、「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLコレステロールの2種類が存在します。LDLコレステロールは、血管の内側に溜まりやすく、動脈硬化の原因となることが知られています。一方、HDLコレステロールは、血管に溜まったLDLコレステロールを回収し、肝臓へ運んでくれる役割を担っています。そのため、LDLコレステロール値が高い状態やHDLコレステロール値が低い状態は、動脈硬化のリスクを高める要因となるのです。また、中性脂肪もエネルギー源として重要な役割を担っていますが、血液中の濃度が高くなりすぎると、これもまた動脈硬化のリスクを高める一因となります。脂質異常症は、これらのLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪のいずれか、あるいは複数が基準値から外れている状態を指します。脂質異常症は、自覚症状がほとんどないため、健康診断などで指摘されて初めて気付くというケースが多く見られます。しかし、放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気のリスクを高める可能性があります。そのため、脂質異常症と診断された場合は、医師の指示に従って、食生活の改善や運動療法など、適切な対策を講じることが重要です。
血液

体に蓄積されるエネルギー源:中性脂肪

- 中性脂肪とは私たちが日々活動するためのエネルギー源となるのが、中性脂肪です。食事から摂取したエネルギーは、体内でブドウ糖に変換され、すぐに使えるエネルギーとして利用されます。しかし、摂取したエネルギーが消費量を上回ると、体は余ったブドウ糖を中性脂肪に変換し、脂肪細胞に蓄積します。脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪は、いわばエネルギーの貯蔵庫のようなものです。運動したり、食事量が少なくなったりしてエネルギーが不足すると、体は蓄えていた中性脂肪を分解し、再びエネルギーとして利用します。このように、中性脂肪は体にとって重要な役割を担っていますが、過剰に蓄積されると肥満や生活習慣病のリスクを高めることになります。バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、中性脂肪の蓄積を抑えることが健康維持には大切です。
血液

脂質の運び屋:リポタンパク質

私たちの身体にとって脂質は、エネルギーを供給したり、細胞の膜を構成したりと、重要な役割を担っています。しかし、脂質は水に溶けにくいという性質があるため、血液の中を移動して必要な場所に届けられるためには、特別な輸送システムが必要となります。 脂質は、そのままでは血液中を移動することができません。そこで、リポタンパク質と呼ばれる物質が活躍します。リポタンパク質は、水に溶けやすいタンパク質と、水に溶けにくい脂質が結合したものです。 リポタンパク質は、その密度や構成成分の違いによっていくつかの種類に分類されます。主要なリポタンパク質としては、カイロミクロン、超低比重リポタンパク質 (VLDL)、低比重リポタンパク質 (LDL)、高比重リポタンパク質 (HDL) などが挙げられます。 カイロミクロンは、小腸で食事から吸収された脂質を肝臓へと運びます。肝臓では、VLDLが作られ、そこからコレステロールや中性脂肪が全身の組織へと運ばれます。 LDLは悪玉コレステロールとも呼ばれ、コレステロールを多く含んでいます。LDLコレステロールが過剰になると、血管壁に蓄積し、動脈硬化を引き起こすリスクが高まります。一方、HDLは善玉コレステロールとも呼ばれ、血管壁に溜まったコレステロールを回収して肝臓へ運び、動脈硬化を防ぐ働きをします。 このように、リポタンパク質は脂質の輸送を担う重要な役割を果たしており、健康維持に欠かせないものです。
PAGE TOP