一回換気量:人工呼吸管理の基礎
- 一回換気量とは
私たちは、生きていくために酸素を取り込み、体内で発生した二酸化炭素を排出しています。この大切なガス交換を担っているのが呼吸であり、一回換気量とは、その呼吸において一回に肺に吸い込んだり、吐き出したりする空気の量のことを指します。一回の呼吸を意識することは少ないかもしれませんが、吸って、吐いて、を繰り返すたびに、私たちの肺の中では一定量の空気が出入りしています。
一回換気量は、医療現場ではミリリットル(mL)という単位を用いて測定されます。健康な成人の場合、安静時の一回換気量には目安があり、体重1キログラムあたり約6ミリリットルとされています。例えば、体重が60キログラムの人であれば、一回の呼吸で約360ミリリットルの空気を吸ったり吐いたりしている計算になります。この値はあくまで目安であり、年齢や性別、体格、身体活動の状況などによって個人差があります。
一回換気量は、呼吸機能を評価する上で重要な指標の一つです。一回換気量が極端に少ない場合や、呼吸回数が増加している場合は、呼吸機能の低下や何らかの疾患が疑われることがあります。そのため、健康状態をチェックする上でも、一回換気量について理解を深めておくことは大切です。