ミオグロビン尿

泌尿器

筋肉の危機信号:ミオグロビン尿

- ミオグロビン尿とは ミオグロビン尿とは、筋肉に含まれるミオグロビンというタンパク質が、尿に大量に混じることで尿の色が赤褐色に変化する状態のことです。 ミオグロビンは、筋肉に酸素を運ぶ役割を担っています。通常、ミオグロビンは筋肉の中に留まっていますが、激しい運動や筋肉の損傷が起こると、血液中に流れ出すことがあります。血液中のミオグロビンは腎臓で濾過され、尿に混じます。 健康な状態であれば、尿中にミオグロビンはほとんど検出されません。しかし、激しい運動後や筋肉の損傷などにより、血液中のミオグロビン濃度が急激に上昇すると、腎臓で処理しきれなくなり、尿中に大量のミオグロビンが排出されるようになります。その結果、尿の色が赤褐色に変色するのです。 ミオグロビン尿自体は無害な場合もありますが、横紋筋融解症などの重篤な疾患のサインである可能性があります。横紋筋融解症は、筋肉が溶けてしまう病気で、腎臓に大きな負担をかけ、急性腎不全を引き起こす可能性があります。そのため、ミオグロビン尿がみられる場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
救急

圧迫された体からの悲鳴:圧挫症候群とは

私たちの体は、無数の筋肉によって支えられ、自由自在に動くことができます。歩く、走る、物を持ち上げるといった日常の動作から、複雑な運動まで、筋肉は欠かせない役割を担っています。しかし、この筋肉は、外部からの強い力によって長時間圧迫されると、その構造が損なわれ、最悪の場合、壊死してしまうことがあります。これが、いわゆる「圧挫症候群」と呼ばれる状態です。 圧挫症候群は、地震や事故などで家屋や車両の下敷きになった際に起こりやすいと考えられています。長時間、重いものに押しつぶされることで、筋肉組織への血流が阻害され、酸素や栄養が供給されなくなります。その結果、筋肉細胞が壊死し始め、毒性物質が血液中に流れ出すことで、全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 圧挫症候群の初期症状としては、痛みやしびれ、腫れなどが挙げられます。重症化すると、意識障害や急性腎不全、ショック状態に陥ることもあります。圧迫が解消された後も、壊死した筋肉から放出される毒性物質によって、腎臓などの臓器に障害が残るケースもあります。圧挫症候群は、迅速な対応が求められる深刻な状態であり、早期発見と適切な治療が不可欠です。
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