マクロファージ

血液

体の防衛線!貪食細胞の役割とは?

- 貪食とは何か私たちの体は、毎日細胞分裂を繰り返しながら、健康な状態を保っています。しかし、その過程で発生する不要なものや、外部から侵入してくる有害なものなど、そのままにしておくと体に害を及ぼすものも存在します。このような不要なものや有害なものを、体を守るために排除してくれるのが「貪食」という仕組みです。貪食とは、細胞が自らの内部に、細菌やウイルス、細胞の死骸などを取り込み、消化・分解する働きのことを指します。掃除機のように、体に不要なものをきれいにしてくれることから、「体の掃除屋さん」とも例えられます。貪食を行う細胞は、「食細胞」と呼ばれ、体内には様々な種類の食細胞が存在します。その中でも、特に重要な役割を担うのが「マクロファージ」や「好中球」と呼ばれる細胞です。マクロファージは組織に常駐し、体内をパトロールするようにして異物の侵入に備えています。一方、好中球は血液中を巡回し、炎症などが起こっている場所に集まり、貪食を行います。貪食は、私たちの体が健康を維持するために欠かせない重要な機能です。例えば、風邪を引いた際に、体内に入ったウイルスを貪食によって排除することで、私たちは回復に向かうことができます。また、がん細胞を貪食によって除去することも、私たちの健康を守る上で非常に重要です。このように、貪食は私たちの体を守るために、目には見えないところで活躍しているのです。
消化器

肝臓の守護神:クッパー細胞

- 肝臓の構造肝臓は、体重の約2%を占める、成人男性で約1.2~1.5kg、成人女性で約1~1.2kgにもなる、人体最大の臓器です。横隔膜のすぐ下に位置し、肋骨に守られるようにお腹の右上に収まっています。肝臓の表面は線維性の膜で覆われており、内部は肝細胞と呼ばれる小さな細胞が、規則正しく並んだ構造をしています。肝細胞は、栄養分の代謝や貯蔵、有害物質の解毒、胆汁の生成など、実に500種類以上もの働きを担う、まさに肝臓の働きの中心を担う細胞と言えるでしょう。肝細胞がびっしりと詰まった肝臓の内部には、門脈と呼ばれる血管から栄養や酸素を豊富に含んだ血液が流れ込み、肝動脈からは酸素を多く含んだ血液が流れ込みます。これらの血管は、肝臓内で枝分かれを繰り返しながら、毛細血管と呼ばれる非常に細い血管へと変化していきます。毛細血管は、肝細胞一つ一つに密着するように網目状に広がっており、まるでスポンジのような構造を作っています。この毛細血管の網目状の構造は、類洞と呼ばれ、栄養や酸素を効率よく肝細胞に届けると同時に、肝細胞で処理された物質や老廃物を運び出す役割も担っています。このように、肝臓は、無数の肝細胞と、それを取り囲む血管網が複雑に絡み合った、非常に精巧な構造をしています。この複雑な構造こそが、肝臓が多様な機能を効率よく行うことを可能にしているのです。
血液

マクロファージ:体の掃除屋

- マクロファージとは私たちの体には、体内に入ってきた細菌やウイルスなどの病原体から体を守る、免疫と呼ばれる仕組みが備わっています。この免疫において中心的な役割を担うのが、様々な種類の免疫細胞です。その中でも、マクロファージは体内をパトロールし、細菌やウイルスなどの病原体や、死んだ細胞などを食べてくれる、掃除屋のような役割を担っています。マクロファージは、直径が10~20マイクロメートルほどの大きさで、これは髪の毛の太さの約5分の1に相当します。その形は一定ではなく、状況に応じてアメーバのように形を変えながら移動し、血管の外にも移動することができます。そして、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体を見つけると、それらを細胞内に取り込んで消化・分解します。この働きによって、マクロファージは私たちの体を病気から守る、重要な役割を担っているのです。また、マクロファージは、死んだ細胞や体内の老廃物を処理する役割も担っています。細胞は常に新しく生まれ変わっていますが、古くなった細胞や死んだ細胞は体内に蓄積してしまうと、炎症を引き起こしたり、様々な病気の原因となってしまいます。マクロファージはこれらの不要な細胞を貪食することによって、体内の環境を正常に保つ役割も担っているのです。
その他

肉芽腫:免疫の戦場

「肉芽腫」という名前には「腫」という字が含まれていて、腫瘍と混同されがちですが、実際には全く異なるものです。腫瘍は、細胞が制御を失って無限に増殖してしまう病気ですが、肉芽腫は、私たちの体を病気から守る免疫システムが、体にとって有害な異物に対して起こす反応の結果として現れます。 肉芽腫は、例えるなら、敵を囲んで戦う、免疫細胞が集まってできた砦のようなものです。この砦の中心となるのは、マクロファージと呼ばれる白血球です。マクロファージは、体内に侵入してきた細菌や異物を食べて消化してくれる、いわば体の掃除屋さんのような役割を担っています。 肉芽腫は、このマクロファージに加えて、リンパ球などの様々な免疫細胞が集まってできています。これらの免疫細胞たちは、力を合わせて、体にとって有害な異物と戦い、排除しようとします。 肉芽腫は、感染症だけでなく、膠原病や特定の薬剤への反応など、様々な原因で発生する可能性があります。肉芽腫自体は病気ではありませんが、その原因や部位によっては、治療が必要になる場合があります。もし、医師から肉芽腫と診断された場合には、その原因や治療法について、よく相談することが大切です。
血液

免疫の門番:CD14の役割

私たちの体は、常に外敵の侵入の脅威にさらされています。ウイルスや細菌、カビなど、目には見えない小さな侵入者たちは、私たちの体に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、私たちの体は無防備ではありません。体内には、これらの外敵から身を守るための、驚くほど精巧で複雑な防御システムが備わっているのです。 その中でも、特に重要な役割を担っているのが免疫システムです。免疫システムは、体中に張り巡らされたネットワークのように機能し、様々な種類の細胞が互いに連携を取りながら、外敵の侵入を阻止し、健康を維持しています。 免疫システムにおいて、最前線で活躍するのが単球やマクロファージといった細胞たちです。彼らは体内をパトロールする「警備員」であり、また、ゴミや異物を掃除する「清掃員」でもあります。体内に侵入してきた細菌やウイルス、あるいは、体内で発生したがん細胞などを見つけると、彼らは自分の中に取り込んで消化し、無害化します。この働きは、貪食と呼ばれ、私たちの体を守る上で非常に重要な役割を担っています。 このように、私たちの体には、目には見えない小さな細胞たちが、休むことなく働き続けることで、健康が守られているのです。
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