ペニシリン

身近な抗菌薬:アモキシシリン

- アモキシシリンとは?アモキシシリンは、細菌を殺すことで効果を発揮する抗生物質の一種です。細菌が増殖するために必要な細胞壁の合成を阻害することで、細菌の増殖を抑え、やがて死滅させます。 アモキシシリンは、様々な種類の細菌に対して効果があり、幅広い感染症の治療に用いられています。 例えば、耳の炎症である中耳炎や、鼻の奥にある副鼻腔の炎症である副鼻腔炎など、耳鼻科領域の感染症によく処方されます。 また、気管支炎や肺炎といった呼吸器の感染症、膀胱炎など尿路の感染症にも効果があります。 さらに、皮膚の感染症にも有効です。 このように、アモキシシリンは多くの感染症に有効な薬ですが、全ての細菌に効果があるわけではありません。 医師の指示に従って正しく服用することが重要です。

世界初の抗生物質:ペニシリン

- ペニシリンとはペニシリンは、細菌による様々な感染症の治療に効果を発揮する抗生物質です。その発見は、20世紀の医学において最も重要な出来事の一つと言えるでしょう。 ペニシリンは、1928年にイギリスの細菌学者であるアレクサンダー・フレミングによって偶然発見されました。フレミングは、培養していた細菌を観察する中で、アオカビの周囲では細菌が増殖していないことに気付いたのです。彼は、この現象を引き起こしているのが、アオカビが作り出す物質であると推測し、その物質を「ペニシリン」と名付けました。 ペニシリンは、細菌の細胞壁の合成を阻害することで、細菌を殺すというメカニズムで効果を発揮します。細菌は、細胞壁を失うことで、外界からの圧力に耐えられなくなり、死滅します。一方、人間の細胞には細胞壁がないため、ペニシリンは人間の細胞には影響を与えません。 ペニシリンの発見は、それまで治療が困難だった多くの細菌感染症、例えば肺炎、髄膜炎、敗血症などを克服する道を開き、無数の命を救ってきました。しかし、ペニシリンが広く使用されるようになるにつれて、ペニシリンに耐性を持つ細菌が出現し始めました。現在でも、新しいタイプのペニシリンや他の抗生物質の開発が続けられています。
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