フォーカスチャーティング

看護技術

看護記録の焦点:フォーカスチャーティングとは

医療現場において、看護記録は患者の状態や受けた看護ケアの内容を正確に記録し、医師や薬剤師、理学療法士など、医療チーム全体で情報を共有するために非常に重要なツールです。近年、従来の記録方式に加えて、患者の視点に立った、より患者中心的な記録方式が注目されています。 従来の記録方式では、看護師の視点から見た症状や行った処置などが中心に記録される傾向にありました。しかし、患者中心の記録方式では、患者の発言や行動、そしてその背景にある感情や考え方を重視します。 代表的な患者中心の記録方式として、『フォーカスチャーティング』があります。これは、患者の状態や行動、看護師の観察内容などを、「データ」「アクション」「レスポンス」の3つの要素で記録する手法です。「データ」は患者の訴えやバイタルサインなどの客観的な情報を、「アクション」は看護師が行ったケアの内容を、「レスポンス」はケアに対する患者の反応を記録します。 患者中心の記録方式を導入することで、医療チーム全体が患者の状況をより深く理解し、患者一人ひとりのニーズに合わせた質の高い医療を提供することに繋がります。また、患者自身が自分の状態や治療経過を把握しやすくなることで、治療に対する意欲や自己管理能力の向上も期待できます。
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