出血を止める働き者:フィブリノゲン
- フィブリノゲンとは私たちの血液は、常に体内を循環し、酸素や栄養を体の隅々まで届けるという重要な役割を担っています。そして、この血液中には、赤血球や白血球など様々な成分が含まれていますが、その中にフィブリノゲンというタンパク質も存在しています。フィブリノゲンは、普段は水に溶けた状態で血液中を流れ、目立つ存在ではありません。しかし、ひとたび血管が傷つき出血が起こると、フィブリノゲンは驚くべき変化を見せ、出血を止めるために活躍します。体の一部が傷つき出血すると、まず、傷ついた血管から血液が流れ出します。すると、このフィブリノゲンが反応し、複雑な過程を経て、最終的には網目状の構造を作り出します。この網目状の構造こそが、止血の鍵となるのです。血液中の血小板は、この網目構造に絡め取られるようにして集まり、傷口を塞ぎます。さらに、この網目構造は赤血球を捕らえ、血液をゼリー状に固めます。これがかさぶたとなって、傷口を完全に塞ぎ、再び出血が起こるのを防ぐのです。このように、フィブリノゲンは、一見地味ながらも、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。フィブリノゲンの働きによって、私たちは小さな怪我なら出血多量になることなく、日常生活を送ることができるのです。