ファウラー位:目的と注意点
- ファウラー位とは
ファウラー位とは、患者さんをあおむけに寝かせた状態(仰臥位)から、上半身を45度程度に起こしてベッドの背もたれにもたれさせた姿勢のことです。この姿勢は、ベッドの背もたれの角度を調整するだけで簡単にできます。
ファウラー位は、手術後や呼吸が苦しい時、口や鼻からチューブを入れて栄養を補給する必要がある時など、様々な場面で利用されます。
上半身を起こすことで、肺が広がりやすくなるため、呼吸が楽になります。また、心臓への負担も軽減されるため、心臓や肺の病気を持つ患者さんによく用いられます。
さらに、食事を摂る際や経管栄養を行う際にも、この姿勢は有効です。重力の影響で食べ物が食道に流れ込みやすくなるため、誤嚥を防ぐことができます。
ファウラー位は、患者さんの状態に合わせて、角度を調整することができます。角度が浅いものをセミファウラー位、角度が深いものをハイファウラー位と呼びます。
このように、ファウラー位は医療現場において、患者さんの負担を軽減し、様々な症状を改善するために用いられる、重要な体位の一つです。