ピコルナウイルス科

小児科

身近に潜む脅威:エンテロウイルス感染症

- エンテロウイルスとはエンテロウイルスは、私たちの消化器官、特に腸の中で増殖するウイルスの仲間です。その名前は、ギリシャ語で「腸」を意味する「enteron」という言葉に由来しています。エンテロウイルスは、ピコルナウイルス科と呼ばれるウイルスグループに分類され、その遺伝情報はDNAではなくRNAという物質でできています。エンテロウイルスは、非常に多くの種類が存在することで知られています。現在確認されているだけでも、67種類ものエンテロウイルスが見つかっています。これらのウイルスは、私たちにとって身近な存在であり、感染しても多くの場合、軽い風邪のような症状で済みます。しかし、場合によっては、無菌性髄膜炎や心筋炎など、より重い症状を引き起こす可能性もあります。エンテロウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることによる接触感染によって広がります。また、ウイルスに汚染された水や食べ物を摂取することでも感染する可能性があります。エンテロウイルスに対する有効な特効薬は、まだありません。そのため、感染を防ぐためには、こまめな手洗いとうがいを心がけ、咳エチケットを徹底することが重要です。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠を摂ることで、体の免疫力を高めることも大切です。
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