パーキンソン病

脳・神経

パーキンソン病:原因と症状を知る

- パーキンソン病とはパーキンソン病は、体を動かす指令を出す脳の神経細胞が徐々に減少していく病気です。具体的には、脳の中心付近にある「黒質」と呼ばれる部分で、ドーパミンという神経伝達物質を作り出す神経細胞が減っていきます。ドーパミンは、運動の滑らかさや正確さを調節する上で重要な役割を果たしています。ドーパミンが不足すると、脳から体にスムーズに指令が伝わらなくなり、パーキンソン病の症状が現れます。パーキンソン病は、世界中で多くの人がかかっている病気で、特に高齢者に見られることが多い病気です。ただし、若い世代でも発症することがあり、これは若年性パーキンソン病と呼ばれています。パーキンソン病はゆっくりと進行する病気であり、症状は初期段階ではほとんど現れません。そして、症状の現れ方や進行の程度は人によって大きく異なります。
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運動を支える裏方:錐体外路系

私たちは体を思い通りに動かすことができますが、この運動の指令を脳から筋肉へと伝える経路には、大きく分けて錐体路と錐体外路の二つの経路が存在します。 錐体路は、主に意識的な運動をコントロールする経路です。例えば、ピアノを弾く時の指の動きや、文字を書く時のペンの動きなど、繊細で複雑な運動を正確に行うためには、錐体路が重要な役割を果たします。この経路は、例えるならば、オーケストラの指揮者が演奏全体を統率するように、体の各部位の筋肉に的確な指示を出して、滑らかで正確な運動を実現する、司令塔のような役割を担っています。 一方、錐体外路は、主に無意識下で行われる運動を調節する経路です。私たちが意識しなくても、姿勢を保ったり、歩行時に腕を振ったり、表情を作ったりすることができるのは、錐体外路が働いているおかげです。錐体外路は、様々な筋肉の動きを協調させ、円滑な運動を支える、いわば縁の下の力持ちといえるでしょう。 これらの二つの経路は、それぞれ独立して機能しているように見えますが、実際には密接に連携し合いながら、私たちの複雑な運動を可能にしています。
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運動の影の立役者:錐体外路系

- 錐体外路系とは 私たちは、歩いたり、物を掴んだり、言葉を話したりと、日々、何気なく体を動かしています。こうした動作は、脳からの指令によって筋肉が正確に動くことで成り立っています。 脳から筋肉へ指令を伝える経路は大きく二つに分けられます。一つは、私たちの意識的な運動をコントロールする錐体路系です。もう一つは、今回解説する錐体外路系です。 錐体外路系は、運動の司令塔である大脳皮質から始まり、脳幹にある神経核を経由して、脊髄へと信号を伝えます。この経路は、私たちの意志とは無関係に働く、いわば運動の「自動操縦装置」のような役割を担っています。 例えば、歩く際に、私たちは一つ一つの足の運び方を意識していません。また、姿勢を維持するために、絶えず体のバランスを微調整していることにも気づきません。こうした無意識下の運動は、錐体外路系がコントロールしています。 錐体外路系は、運動の開始や停止、滑らかさ、力の入れ具合などを調整し、錐体路系と協調しながら、スムーズで協調性の取れた運動を可能にしています。 錐体外路系が正常に機能しなくなると、パーキンソン病のように体が硬直したり、動作が遅くなったり、逆に、舞踏病のように意図しない動きが出てしまったりといった運動障害が現れます。
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ジスキネジア:意図しない動きとその対処

- ジスキネジアとは?ジスキネジアは、自分の意思とは関係なく体が動いてしまう症状を指します。 まるで操り人形のように、自分の意思とは無関係に体が勝手に動いてしまうため、日常生活に様々な支障をきたすことがあります。 この不随意運動は、顔の表情筋、口、舌、手足など、体の様々な部位に現れる可能性があります。 例えば、顔面にジスキネジアが現れると、顔をしかめたり、舌を出したり、口をパクパクさせたりといった症状が現れます。また、手足にジスキネジアが現れると、腕が勝手に動いたり、足がばたばたしたりすることがあります。ジスキネジアの原因は様々ですが、大きく分けて二つあります。一つは、パーキンソン病などの神経疾患に伴って起こるケースです。もう一つは、統合失調症などの治療薬の副作用として現れるケースです。ジスキネジアは、それ自体が病気というわけではありません。 あくまで、他の病気の症状として現れたり、薬の副作用として現れたりする症状の一つなのです。 そのため、ジスキネジアの治療には、まずその原因を突き止めることが重要になります。そして、原因疾患の治療や、副作用を引き起こしている薬の変更などを行うことで、症状の改善が期待できます。
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