ネグレクト

小児科

子どもの成長を阻害するネグレクト

- ネグレクトとは ネグレクトとは、子どもが必要とする適切な世話や保護を、親や保護者が行わないことを指します。これは、子どもに対する虐待の一形態であり、身体的虐待や性的虐待と同様に深刻な問題です。親は、子どもにとって最も身近で大切な存在であり、衣食住の提供や安全の確保、愛情表現などを通じて、子どもの健やかな成長を支える責任があります。 ネグレクトには、大きく分けて「身体的ネグレクト」「心理的ネグレクト」「教育的ネグレクト」の3つの種類があります。 * -身体的ネグレクト-は、食事を与えない、不衛生な環境で生活させる、病気や怪我をしても病院に連れて行かないなど、子どもの身体的な安全や健康を脅かす行為を指します。 * -心理的ネグレクト-は、子どもに関心を示さない、言葉による暴力や無視を繰り返す、愛情を示さないなど、子どもの心を傷つけ、健全な情緒の発達を阻害する行為を指します。 * -教育的ネグレクト-は、就学させない、学校に行かせない、学習に必要なものを与えないなど、子どもの学習の機会を奪い、将来の可能性を狭める行為を指します。 ネグレクトは、子どもの心身に深刻な影響を与え、その後の成長や発達に大きな影を落とす可能性があります。子どもは、親から愛され、大切にされているという実感を持つことで、自己肯定感や自尊心を育み、他人との信頼関係を築く力を養っていきます。ネグレクトを受けた子どもは、これらの大切な経験を奪われ、自己肯定感の低さや対人関係の困難さ、情緒不安定、発達障害、非行など、様々な問題を抱えるリスクが高まります。また、大人になってからも、うつ病や不安障害、人間関係の問題などに悩まされる可能性があります。ネグレクトは、決して他人事ではありません。子どものSOSのサインを見逃さず、早期に発見し、適切な支援につなげることが重要です。
PAGE TOP