ジギタール

検査

診察の基本、指で診る「ジギタール」

病院では、医師は患者さんの体の状態を知るために、さまざまな方法を用います。聴診器で音を聴いたり、お腹を軽く叩いて反応を見たりと、五感をフル活用していると言っても良いでしょう。その中でも、直接指で触れて異常がないかを調べる診察方法を「ジギタール」と言います。これは英語の "digital examination" を省略した言葉で、日本語では指診という意味です。聴診や打診といった他の診察方法と異なり、ジギタールは医師の指先の感覚だけが頼りです。しかし、長年の経験と鍛錬を重ねた医師の指は、ごくわずかな体の変化も見逃しません。ジギタールを行うことで、腫瘍があるかどうかはもちろん、その腫瘍の硬さや炎症の広がりなどを直接感じ取ることができるのです。例えば、お腹を押さえてみて硬い部分があれば、腫瘍が疑われますし、押した時に痛みがあれば炎症を起こしている可能性があります。また、皮膚の温度や湿り気なども、指先で感じ取ることで重要な情報を得ることができます。このように、ジギタールは医師の経験と感覚によって、患者さんの体の状態を詳しく知ることができる、重要な診察方法と言えるでしょう。
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