カルテ:医療の記録
- カルテとは病院で診察を受けると、医師の傍らには必ずと言っていいほど置かれている記録があります。これは「カルテ」と呼ばれ、患者一人ひとりの診療内容を記録した、いわば医療の現場における履歴書といえます。カルテには、患者さんの訴える症状、医師が診察によって確認した身体所見、そして行われた検査の結果や診断名が詳細に記録されます。さらに、どのような治療を行ったのか、薬はいつからどれだけの量を処方したのか、といった情報も克明に記されていきます。カルテは、過去の診療記録を医師や他の医療従事者が共有することで、患者さんにとってより適切な医療を提供することを目的としています。例えば、以前と同じ症状で受診した場合、カルテを見返すことで、前回はどのような治療を行い、その結果どうなったのかを瞬時に把握することができます。また、複数の医療機関を受診する場合でも、カルテの内容を共有することで、重複した検査や投薬を避けることができ、よりスムーズな診療連携が可能となります。このようにカルテは、患者さんの健康を守る上で欠かせない、非常に重要な役割を担っているのです。