小児期に注意!くる病の原因と症状
- くる病とはくる病は、骨の成長と発達に重要な役割を果たすビタミンDが不足することで発症する病気です。ビタミンDは、食事から摂取したカルシウムを体内に吸収するために不可欠な栄養素です。カルシウムは骨の形成に欠かせないミネラルであり、ビタミンDが不足すると、カルシウムの吸収が悪くなり、骨が十分に硬くならず、柔らかく曲がってしまうことがあります。くる病は、特に骨の成長が著しい幼児期に発症することが多く、骨の軟化や変形といった症状が現れます。具体的には、頭蓋骨の変形、肋骨の突出、O脚やX脚などの足の変形、成長の遅延などが挙げられます。また、筋肉の緊張が低下したり、骨の痛みを感じたりすることもあります。近年では、食生活の欧米化や、紫外線対策として日光を浴びる機会が減っていることなどから、くる病の患者数が増加傾向にあると言われています。特に、母乳に含まれるビタミンDの量は少ないため、母乳栄養の赤ちゃんは、粉ミルクで育てられている赤ちゃんに比べて、くる病のリスクが高くなる可能性があります。くる病の予防には、バランスの取れた食事を摂ること、適度に日光を浴びることが大切です。また、医師の指示に従って、ビタミンDのサプリメントを摂取することも有効です。