エネルギー危機を救うケトン体
- ケトン体とは?私たちは普段、ご飯やパンなどに含まれる炭水化物からエネルギーを得て生活しています。 炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、体のエネルギー源として利用されます。 しかし、飢餓状態や重い糖尿病などの理由でブドウ糖が不足すると、体はエネルギー不足に陥ります。このようなとき、体は代わりに脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。 脂肪は肝臓で分解され、その過程でケトン体が作られます。 ケトン体には、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3種類があります。 ケトン体は血液に乗って全身に運ばれ、脳や筋肉などの細胞のエネルギー源として利用されます。 ブドウ糖が不足している状況では、ケトン体は生命維持に重要な役割を果たします。ただし、ケトン体が過剰に作られると、血液が酸性に傾くケトアシドーシスという危険な状態に陥ることがあります。 特に、重い糖尿病の患者さんでは注意が必要です。 ケトアシドーシスは意識障害や昏睡などを引き起こし、命に関わることもあります。