エストロゲン

産婦人科

更年期障害:知っておきたい体の変化と心のケア

更年期とは、一般的に45歳から55歳頃の、閉経の前後10年間を指します。閉経とは、女性の体が妊娠できる状態からそうでなくなる状態へと移行する過程を意味し、卵巣の機能が衰えて女性ホルモンの分泌が急激に減少することが特徴です。 この時期には、ホルモンバランスが乱れることで、体と心に様々な変化が現れます。代表的な症状としては、ほてりやのぼせ、発汗、不眠、イライラなどの症状が挙げられます。その他にも、肩こり、頭痛、疲労感、めまい、動悸など、多岐にわたる症状が現れる可能性があります。 更年期症状は個人差が大きく、症状が現れない人もいれば、日常生活に支障が出るほど辛い症状に悩まされる人もいます。また、症状の種類や程度、期間も人それぞれです。更年期は病気ではありませんが、体の大きな変化であることは間違いありません。この時期を健やかに過ごすためには、自分の体と心の変化に気を配り、セルフケアを心がけたり、必要に応じて医療機関を受診するなど、適切な対応をすることが重要です。
産婦人科

よくある婦人科疾患、子宮筋腫について

子宮筋腫とは、子宮にできる腫瘍で、子宮の筋肉層に発生します。子宮は妊娠すると赤ちゃんを育むための大切な臓器ですが、子宮筋腫は、その子宮の壁を作っている筋肉組織の一部が増殖してできる、こぶのような良性の腫瘍です。子宮筋腫は、子宮がんのような悪性のものではなく、がん化する心配はほとんどありません。子宮筋腫は非常に多くの女性に見られる病気で、30歳代から40歳代の女性に多くみられます。自覚症状がない場合も多く、健康診断や他の病気の検査などで偶然発見されることもあります。大きさは数ミリのものから、中には10センチを超えるものまであり、大きさやできる場所、数も人によって様々です。また、子宮筋腫は、一つだけできる場合もあれば、複数個できる場合もあります。症状としては、月経の量が多くなったり、生理痛がひどくなったりすることがあります。また、貧血や、頻尿、便秘などの症状が出ることもあります。子宮筋腫は良性の腫瘍なので、必ずしも治療が必要なわけではありません。しかし、症状が重い場合や、不妊の原因となっている場合には、治療が必要となることがあります。治療法としては、薬物療法や手術療法などがあります。
産婦人科

基礎体温でわかること

- 基礎体温とは目が覚めてすぐの時間帯、身体が活動状態に入る前の安静な状態で測定する体温のことを基礎体温と言います。私達の体温は、日中活動している間は自律神経の働きによって常に変化しており、気温や食事、運動、感情などの影響を大きく受けます。しかし、睡眠中は体温を調節する機能が低下するため、これらの外部環境による影響を受けにくくなります。そのため、基礎体温は身体本来のリズムを反映した体温を測ることができると考えられています。 基礎体温を毎日同じ時間に測定し、記録していくことで、月経周期に伴う女性ホルモンの変化を知ることができます。一般的に、月経周期の前半は卵胞ホルモンの分泌が盛んになるため体温が低く、排卵日を境に黄体ホルモンの分泌が増加すると体温が高くなるという二相性の変化が見られます。この体温の変化を利用することで、排卵日の予測や妊娠の可能性、生理不順やホルモンバランスの乱れの有無などを知る手がかりとなります。 基礎体温は、自分の身体と向き合い、健康状態を把握するための簡便な方法の一つです。日々のわずかな変化に気づくことで、より健康的な生活を送ることに繋がるでしょう。
産婦人科

基礎体温でわかること

- 基礎体温とは朝、目を覚ましてすぐに測る体温のことを基礎体温と言います。睡眠中は体温を調節する機能が低下するため、周りの温度に影響を受けにくい状態になります。そのため、基礎体温を測ることで、より体に備わっている本来のリズムを反映した体温を知ることができるのです。夜、眠っている間に体温は低下し、朝が来るにつれて再び上昇していきます。この体温の変化は、女性ホルモンの分泌と密接に関わっていることが知られています。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、排卵前に多く分泌され、体温を低く保つ働きがあります。一方、排卵後に多く分泌されるプロゲステロンには、体温を高く保つ働きがあります。つまり、基礎体温を記録していくことで、体温が低温期から高温期に移り変わるタイミングを把握することができます。このことから、基礎体温は排卵日を予測したり、妊娠の可能性を探ったりする上で重要な指標となります。 基礎体温は、毎日同じ時間帯に、同じ方法で測定することが大切です。毎日忘れずに記録することで、自身の体のリズムをより深く理解することに繋がります。そして、その変化にいち早く気づくことで、健康管理にも役立てることができるのです。
産婦人科

妊娠を支えるホルモン、プロゲステロン

- プロゲステロンとは プロゲステロンは、女性の体内で働く重要なホルモンの一つで、ステロイドホルモンという種類に分類されます。 プロゲステロンは、主に卵巣でつくられますが、妊娠中は胎盤からも分泌されます。また、副腎皮質や脳からも少量ですが分泌されています。 プロゲステロンは、月経周期に合わせて分泌量が変化し、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやすい状態にしたり、妊娠を維持する役割を担っています。このことから、プロゲステロンは「妊娠ホルモン」とも呼ばれています。 具体的には、プロゲステロンは子宮内膜に働きかけて、受精卵の着床を助ける分泌液を増やしたり、子宮の収縮を抑えたりします。また、基礎体温を上昇させる作用も持っています。 プロゲステロンは、妊娠以外にも、乳腺の発達や、情緒の安定にも関わっていると考えられています。 このように、プロゲステロンは女性の体にとって非常に重要な役割を果たしているホルモンです。
産婦人科

エストロゲンの役割:女性の体と健康への影響

- エストロゲンとはエストロゲンは、女性ホルモンと呼ばれるホルモンの一種です。ホルモンは、体内の特定の器官や組織からのメッセージを伝える、いわば化学伝達物質のようなものです。体内で作られ、血液によって運ばれ、離れた場所にある細胞に特定の作用を引き起こします。 エストロゲンは、女性の体の中で、もう一つの重要な女性ホルモンであるプロゲステロンとともに、様々な役割を担っています。エストロゲンは主に卵巣で作られます。卵巣は子宮の左右にある小さな器官で、卵子を作ると同時に、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンを分泌する働きがあります。 エストロゲンは、思春期を迎えると分泌量が増加し始めます。思春期は、子供が大人へと成長していく過程で、体つきが変わり、生殖機能が成熟していく時期です。エストロゲンは、この思春期に起こる女性の体の変化、例えば乳房の発育や、丸みを帯びた体つきになることに大きく関わっています。 また、エストロゲンは、月経周期(生理)の調節にも重要な役割を果たしています。月経周期とは、妊娠の準備のために子宮内膜が厚くなり、妊娠しなかった場合に子宮内膜が剥がれ落ちて血液とともに体外へ排出される、約1ヶ月のサイクルのことです。エストロゲンは、このサイクルの中で子宮内膜の増殖を促す働きをしています。 さらに、エストロゲンは妊娠の維持にも欠かせません。妊娠中は、胎盤からもエストロゲンが分泌され、胎児の成長をサポートしています。このように、エストロゲンは女性の体にとって非常に重要なホルモンであり、健やかな生活を送る上で欠かせないものです。
PAGE TOP