ウイルス

目・眼科

プール熱にご注意を!

- プール熱とは?夏の暑い日差しが照りつける季節、子どもたちが楽しみにしているプール。しかし、そのプールで感染する可能性のある病気、「プール熱」には注意が必要です。プール熱は、医学的には「咽頭結膜熱」と呼ばれ、毎年夏に流行する感染症です。その名の通り、プールを介して感染することが多いため、プール熱という俗称がつきました。プール熱を引き起こす主な原因は、アデノウイルスというウイルスです。アデノウイルスは、風邪や胃腸炎など、さまざまな病気を引き起こすウイルスとして知られていますが、プール熱の原因となるのは、主に3型、4型、7型のアデノウイルスです。これらのウイルスは、感染した人の目やに、鼻水、唾液などに含まれており、プール内でこれらの分泌物が水に溶け出すことで感染が広がります。 また、プールから上がった後、十分に目を洗わずにタオルで拭いたり、感染した人が触れたおもちゃなどを介して、感染が広がることもあります。プール熱の症状としては、突然の高熱、喉の痛み、目の充血やかゆみなどが挙げられます。これらの症状は、通常、感染から5日から7日後に現れます。症状が重い場合は、頭痛、吐き気、腹痛などを伴うこともあります。多くの場合、1週間程度で症状は治まりますが、合併症として、肺炎や脳炎などを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
その他

世界を脅かす感染症:パンデミック

パンデミックとは、ある感染症が国境を越えて世界規模で広がり、多くの人々の健康や社会、経済に深刻な影響を与える現象を指します。これは単に感染者数が多いということではなく、その感染症が地球全体の広範囲にわたって蔓延し、人々の生活や社会システムに大きな混乱をもたらす点が重要です。 パンデミックは、その発生源や感染経路、ウイルスの特性など、様々な要因が複雑に絡み合って発生します。例えば、新型のウイルスが出現した場合、人間には免疫がないため感染が拡大しやすくなります。また、国際的な人の移動や物流が活発化した現代社会では、ウイルスが短期間で世界中に拡散する可能性も高まっています。 パンデミックが発生すると、医療機関の逼迫、都市封鎖などの厳しい行動制限、経済活動の停滞、社会不安の増大など、様々な問題が引き起こされます。このような事態を防ぐためには、日頃から感染症対策を徹底し、ウイルスが蔓延しにくい社会環境を築いておくことが重要です。また、世界各国が協力して、感染症の監視体制を強化したり、ワクチンや治療薬の開発を推進したりすることも不可欠です。
小児科

よくある夏風邪?手足口病について

- 手足口病とは手足口病は、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71などのウイルス感染によって引き起こされる、感染力が強い病気です。乳幼児を中心に、主に夏に流行が見られます。-# 代表的な症状手足口病という名前の通り、手のひら、足の裏、口の中などに赤い発疹が現れ、その中心に水ぶくれができるのが特徴です。発疹はかゆみを伴う場合もあり、水ぶくれは破れると痛みを伴うこともあります。口の中にできた発疹は口内炎となり、食事や飲み物を摂るのが辛くなることがあります。また、発熱や喉の痛み、だるさ、食欲不振などの症状が出ることもあります。-# 感染経路と予防手足口病は、感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むこと(飛沫感染)や、ウイルスが付着したおもちゃやドアノブなどを触った後、自分の口や鼻、目を触ること(接触感染)によって感染します。そのため、こまめな手洗いうがいを徹底することが重要です。また、タオルの共用を避けたり、咳エチケットを心がけたりすることも有効な予防策です。-# 治療手足口病はウイルス性の病気であるため、特別な治療法はありません。基本的には、安静にして、水分を十分に摂り、症状に合わせて解熱鎮痛剤を使用するなど、対症療法が中心となります。ほとんどの場合、1週間程度で症状は改善しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。特に、高熱が続いたり、ぐったりしているなど、いつもと様子が違う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
皮膚科

知って防ごう!身近な感染症:疱疹

- 疱疹とは? 疱疹は、皮膚に小さな水ぶくれや膿を含んだ発疹が多数現れる病気です。その原因となるウイルスは、大きく分けて単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルスの二種類が存在します。 単純ヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどを引き起こす、非常にありふれたウイルスです。多くの人が一度は感染を経験するほど、身近なものといえます。例えば、唇の周りに水ぶくれができたり、ピリピリとした痛みを感じたりするのが、口唇ヘルペスの特徴です。 一方、水痘帯状疱疹ウイルスは、子供の頃に水ぼうそうを引き起こした後に、体内に潜伏するという特徴があります。そして、加齢や免疫力の低下といった体の変化がきっかけで再び活性化し、帯状疱疹を発症します。帯状疱疹は、体の左右どちらか一方に、帯状に広がる赤い発疹と強い痛みを生じます。 このように、疱疹は原因となるウイルスによって症状や特徴が異なります。どちらも再発を繰り返す可能性があり、生活の質に影響を与える場合もあるため、適切な治療が必要です。
その他

知っておきたい!無症状の感染者「キャリア」

「キャリア」とは、病気の原因となる微生物を体内に持っているにもかかわらず、自分自身が病気にかかっていない状態を指します。例えば、ある種の病気の原因となるウイルスや細菌が体内に侵入してきても、その人自身の免疫力によって微生物が増殖を抑え込まれ、発病しないことがあります。このような場合、一見健康に見えるにもかかわらず、体内に病原体を保有している状態となり、これを「キャリア」と呼びます。 キャリア状態の人は、自覚症状が全くないことが多いため、自分が感染源となっていることに気づかないケースがほとんどです。そのため、知らず知らずのうちに周囲の人々に病気を広げてしまう可能性があります。咳やくしゃみなどを通じて病原体が空気中に拡散したり、接触感染によって他者に感染したりする可能性もあります。 このように、無症状の感染者が存在することで、感染症の予防や対策が非常に難しくなります。感染経路を特定することが困難になるだけでなく、感染拡大を防ぐための対策も取りづらくなるためです。感染症の中には、キャリア状態の人が多い病気も存在し、このような病気の制圧には、早期診断や治療、そして予防ワクチンの普及など、様々な対策を総合的に進めていく必要があります。
その他

パンデミック:世界規模の感染症に備える

- パンデミックとはパンデミックとは、ある感染症が国境を越えて世界規模に拡大し、多くの人が罹患する可能性がある状態を指します。これは、単に感染者数が多いということではなく、地理的に広範囲にわたって感染が拡大している点が重要です。歴史を振り返ると、人類は幾度となくパンデミックに襲われてきました。14世紀にヨーロッパで猛威を振るったペストや、1918年から1920年にかけて世界中で流行したスペイン風邪などは、パンデミックの典型的な例です。これらの感染症は、多くの人々の命を奪っただけでなく、社会や経済にも深刻な影響を与えました。近年では、2009年に発生した新型インフルエンザや、2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックと認定されました。これらのパンデミックは、私たちの生活に大きな変化をもたらし、医療体制の重要性や国際的な連携の必要性を改めて認識させることになりました。パンデミック発生時には、感染拡大を防ぐために、個人レベルでの予防対策(手洗い、うがい、マスクの着用など)に加え、社会全体で人の移動や集会の制限などの対策を講じることが重要になります。また、ワクチンや治療薬の開発も重要な課題となります。
小児科

はしかについて:症状と予防

- はしかとははしかは、麻疹ウイルスが原因で起こる感染力が非常に強い病気です。このウイルスは、空気中に漂う咳やくしゃみのしぶきを介して、感染者から健康な人にうつります。 感染すると、高熱、咳、鼻水、目の充血などの症状が現れます。さらに、口の中に白い斑点が出て、その後、顔から体全体に赤い発疹が広がっていきます。はしかは、乳幼児や免疫力が低下している人にとって、特に危険な病気です。肺炎、中耳炎、脳炎などの重い合併症を引き起こすことがあり、最悪の場合、命を落とすこともあります。はしかの予防には、ワクチン接種が非常に有効です。はしかのワクチンは、他のワクチンと組み合わせたMR(麻疹・風疹混合)ワクチンとして、乳幼児期に2回接種します。はしかは空気感染で広がりやすいため、周囲の人に移さないように、感染者は外出を控えるなどの対策が必要です。また、はしかを疑う症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
消化器

C型肝炎:沈黙の臓器の脅威

- C型肝炎とはC型肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)によって引き起こされる肝臓の病気です。このウイルスは血液を介して感染し、肝臓に炎症を起こします。感染すると、肝臓の細胞が破壊され、徐々に肝臓の機能が低下していきます。C型肝炎は、急性肝炎と慢性肝炎の2つの段階に分けられます。急性肝炎は、感染初期に現れる症状で、発熱、倦怠感、食欲不振、黄疸などがみられます。しかし、急性肝炎の症状は軽度であることが多く、気づかないまま経過してしまう場合もあります。約70%の患者さんは、急性肝炎から慢性肝炎に移行するとされています。慢性肝炎は、自覚症状がほとんどないまま長い期間にわたって肝臓の炎症が続く状態です。そのため、知らないうちに病気が進行し、肝硬変や肝臓がんのリスクが高まることが問題となっています。C型肝炎は早期発見、早期治療が重要です。定期的な健康診断や血液検査を受けることで、早期に発見することができます。また、近年では有効性の高い治療薬が開発されており、早期に治療を開始することで、肝硬変や肝臓がんの発生を抑制することが期待できます。
消化器

B型肝炎:沈黙のウイルスとの闘い

- はじめに B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる肝臓の病気です。このウイルスは、血液や体液を介して人から人に感染します。感染すると、肝臓で炎症が起こり、さまざまな症状が現れます。 B型肝炎の特徴の一つに、自覚症状が少ないことが挙げられます。そのため、自分が感染していることに気づかないまま、病気を進行させてしまうケースも少なくありません。このようなことから、B型肝炎は「沈黙のウイルス」とも呼ばれています。 B型肝炎を放置すると、肝硬変や肝臓がんといった重い病気につながる可能性があります。しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、病気の進行を抑え、健康な状態を長く保つことが期待できます。 今回は、B型肝炎について、その原因や症状、治療法などを詳しく解説していきます。B型肝炎の予防についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
呼吸器

世界を脅かす感染症: インフルエンザ

- インフルエンザとはインフルエンザは、インフルエンザウイルスが鼻や喉などの呼吸器系に侵入することで引き起こされる病気です。感染力が非常に強く、毎年冬に流行を繰り返す感染症として知られています。くしゃみや咳などで飛び散った、ウイルスを含む小さな飛沫を吸い込むことで感染します。そのため、人混みでは特に注意が必要です。また、ウイルスが付着した手で目や鼻、口を触ることで間接的に感染することもあります。主な症状としては、発熱、咳、くしゃみ、鼻水、喉の痛み、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感など、いわゆる風邪に似た症状が現れます。一般的に、風邪よりも症状が重く、発熱も高くなる傾向があります。多くの人は安静と十分な水分補給で1週間以内に回復しますが、乳幼児や高齢者、持病のある方などは重症化するリスクが高いため、注意が必要です。肺炎や脳炎などを併発すると、命に関わる危険性もあります。インフルエンザの予防には、こまめな手洗いやうがい、人混みを避けるなどの対策が有効です。また、予防接種も効果的な予防法の一つです。
その他

身近なウイルス、アデノウイルス

- アデノウイルスとは? アデノウイルスは、私たちの身の回りでよく見られるありふれたウイルスの一つです。感染すると、くしゃみや鼻水、喉の痛み、発熱など、いわゆる風邪に似た症状が現れます。 このウイルスは非常に多くの種類が存在し、現在までに51種類もの型が確認されています。さらに、それぞれの種類によって、引き起こしやすい病気や症状が異なるという特徴も持ち合わせています。例えば、ある型は風邪のような症状を引き起こしやすい一方で、別の型は結膜炎や胃腸炎といった、全く異なる病気を引き起こすことがあります。 アデノウイルスは感染力が非常に強く、幼児から大人まで、年齢に関係なく感染する可能性があります。特に、保育園や幼稚園、学校など、多くの人が集まって生活する場所では、一度感染が広がると集団感染に発展するリスクが高く、注意が必要です。感染経路としては、咳やくしゃみによる飛沫感染、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることによる接触感染の二つが挙げられます。感染を防ぐためには、こまめな手洗いやうがい、咳エチケットなどを心がけ、ウイルスへの曝露をできるだけ減らすことが重要です。
消化器

ノロウイルス感染症:その感染力と症状

- ノロウイルスとは?ノロウイルスは、一年を通して私たちの間で頻繁に流行を引き起こす、急性胃腸炎の代表的な原因となるウイルスです。ノロウイルスに感染すると、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。 多くの場合、これらの症状は1日から3日程度で治まりますが、乳幼児や高齢者の方などは、脱水症状や他の病気の合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。ノロウイルスの感染力は非常に強く、わずか10~100個ほどのウイルス粒子が口から体内に入るだけで感染が成立してしまうと言われています。これは、他のウイルスと比較しても極めて少ない数であり、ノロウイルスの感染力の強さを示しています。感染経路は主に、ウイルスに汚染された食品や飲料水を摂取することによる「経口感染」です。特に、カキなどの二枚貝や、ノロウイルスに感染した人が調理した食品などを介して感染することが多いため、注意が必要です。また、感染者の吐物や糞便に含まれるウイルスが、空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで感染する「空気感染」や、感染者の吐物や糞便が付着したドアノブやトイレなどを介して感染する「接触感染」もあります。ノロウイルスに対する有効なワクチンや特効薬は、現在のところありません。そのため、感染を防ぐためには、日頃から手洗いを徹底することや、食品を加熱調理することなど、基本的な衛生対策を心掛けることが重要です。
その他

根絶された感染症:天然痘

天然痘は、天然痘ウイルスという病原体によって引き起こされる感染症で、かつては世界中で猛威を振るい、多くの人々の命を奪いました。日本では「疱瘡(ほうそう)」という名で恐れられてきた歴史があります。 主な症状としては、高熱が出現し、その後、全身に特徴的な発疹が現れます。この発疹は、赤い斑点状から始まり、徐々に水疱へと変化していきます。また、発熱や発疹に加えて、強い倦怠感や頭痛、筋肉痛なども伴います。 天然痘の恐ろしい点は、その高い致死率です。感染者の約30%が命を落としており、治療法が確立されていなかった時代には、まさに「死の病」として恐れられていました。 天然痘は、人から人への接触感染によって広がります。患者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込んだり、発疹に触れたりすることで感染します。空気感染はしませんが、感染力は非常に強く、一度流行すると、多くの人が感染してしまうという特徴がありました。
その他

目に見えない脅威: ウイルスの世界

- ウイルスの定義ウイルスは、他の生物の細胞に寄生することでしか増殖できない、とても小さな感染性因子です。そのサイズは非常に小さく、一般的な細菌と比べてもはるかに微小です。あまりにも小さいため、光学顕微鏡で観察することは不可能であり、ウイルスを観察するためには電子顕微鏡が必要となります。生物は一般的に、自ら細胞分裂を行うことで数を増やしていきます。しかし、ウイルスは自己複製能力を持たないため、他の生物の細胞を利用しなければ増殖することができません。ウイルスは、まず宿主となる細胞に侵入します。そして、細胞内に自身の遺伝情報であるDNAやRNAを注入し、細胞の機能を乗っ取ってしまうのです。宿主細胞は、ウイルスの遺伝情報に従って新たなウイルスを作り出す工場と化し、大量のウイルスが細胞内で増殖していきます。最終的には、宿主細胞は破壊され、そこから新たなウイルスが放出され、他の細胞に感染していくのです。このように、ウイルスは他の生物の細胞を利用する特殊な増殖方法を持つため、生物と非生物の境界線上に位置づけられることもあります。生命活動に必要な独自の代謝系やエネルギー産生系を持たず、自己複製もできないという点では非生物に近い存在と言えるでしょう。しかし、遺伝情報を持ち、進化する能力を備えているという点では、生物的な側面も持ち合わせています。ウイルスは、微生物の世界においても非常に特異な存在であり、その存在は私たちに生命の定義について改めて考えさせるきっかけを与えてくれます。
小児科

RSウイルス感染症:乳幼児に多い呼吸器感染症

- RSウイルスとはRSウイルスは、乳幼児を中心に、年齢に関わらず、呼吸器に感染症を引き起こすウイルスです。感染すると、鼻水や咳、発熱といった風邪によく似た症状が現れます。多くの場合、これらの症状は軽度で、自宅で安静にしていれば自然に治癒していきます。しかし、乳幼児、特に生まれて間もない赤ちゃんや、心臓や肺などに持病を持つ赤ちゃんの場合、RSウイルスに感染すると重症化するリスクが高まります。具体的には、細気管支炎や肺炎などを発症し、呼吸が苦しくなったり、入院が必要となるケースも見られます。RSウイルスは、感染した人の咳やくしゃみ、つばなどの飛沫を介して、あるいはウイルスが付着したおもちゃなどを触ることによって、人から人へと感染します。そのため、特に流行時期には、こまめな手洗いとうがいを心がけ、赤ちゃんへの感染を防ぐように注意することが重要です。
小児科

乳幼児の突発性発疹:特徴と対処法

乳幼児期のお子さんを持つ保護者の皆様にとって、お子さんの急な発熱は、大きな不安を感じることでしょう。特に初めてのお子さんであれば、なおさらのことと思います。突発性発疹は、そのような乳幼児期によく見られるありふれた病気の一つです。 この病気は、ほとんどの場合、高い熱が数日続いた後、熱が下がるとともに全身に赤い発疹が現れるという経過をたどります。熱が高い間は、ぐったりしたり、食欲が落ちたりすることもあります。初めてのお子さんを持つ保護者の方にとっては、この発疹を見て、何の病気だろうと心配になるかもしれません。しかし、突発性発疹は、多くの場合、特別な治療を必要とせず、数日で自然に治る病気です。 この記事では、突発性発疹の原因となるウイルスや、具体的な症状、家庭でのケアの方法など、詳しく解説していきます。お子さんに突発性発疹の疑いがある際に、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
小児科

身近に潜む脅威:エンテロウイルス感染症

- エンテロウイルスとはエンテロウイルスは、私たちの消化器官、特に腸の中で増殖するウイルスの仲間です。その名前は、ギリシャ語で「腸」を意味する「enteron」という言葉に由来しています。エンテロウイルスは、ピコルナウイルス科と呼ばれるウイルスグループに分類され、その遺伝情報はDNAではなくRNAという物質でできています。エンテロウイルスは、非常に多くの種類が存在することで知られています。現在確認されているだけでも、67種類ものエンテロウイルスが見つかっています。これらのウイルスは、私たちにとって身近な存在であり、感染しても多くの場合、軽い風邪のような症状で済みます。しかし、場合によっては、無菌性髄膜炎や心筋炎など、より重い症状を引き起こす可能性もあります。エンテロウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウイルスが付着した手で口や鼻を触ることによる接触感染によって広がります。また、ウイルスに汚染された水や食べ物を摂取することでも感染する可能性があります。エンテロウイルスに対する有効な特効薬は、まだありません。そのため、感染を防ぐためには、こまめな手洗いとうがいを心がけ、咳エチケットを徹底することが重要です。また、バランスの取れた食事や十分な睡眠を摂ることで、体の免疫力を高めることも大切です。
その他

身近な脅威、感染症について

- 感染症とは私たちの身の回りには、目には見えない小さな生き物がたくさんいます。その中には、私たちの体の中に入ると、体に害を及ぼすものもいます。このような生き物のことを病原体といい、病原体が体の中に侵入して増え、体に悪さをすることで、私たちは病気になってしまいます。この病気を、感染症と呼びます。感染症を引き起こす病原体には、大きく分けて、細菌やウイルス、真菌など、様々な種類があります。それぞれの種類によって、引き起こされる病気や症状、感染経路などが異なります。例えば、風邪の原因となるのは主にウイルスであり、インフルエンザもインフルエンザウイルスというウイルスによって引き起こされます。食中毒は、細菌やウイルスによって汚染された食べ物を口にすることで感染します。病原体が体内に侵入したとしても、必ずしも感染症を発症するわけではありません。私たちの体は、生まれながらに備わっている免疫や、ワクチンや過去の感染によって得られた免疫によって、病原体から身を守る仕組みを持っているからです。この免疫システムのおかげで、多くの場合、病原体の侵入を防いだり、排除したりすることができます。しかし、体が疲れていたり、栄養が不足していたり、睡眠不足が続いたりすると、免疫の働きが弱まってしまうことがあります。また、病気やストレス、加齢なども、免疫力を低下させる要因となります。免疫力が低下すると、病原体の侵入を防ぐことができなくなり、感染症を発症しやすくなってしまいます。感染症を予防するためには、普段から、バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけ、免疫力を高めておくことが大切です。また、外出後の手洗いとうがいを徹底したり、人混みを避けるなど、病原体との接触を減らすように心がけることも重要です。
検査

PCR検査でわかること

- PCR検査とは近年、ニュースや新聞で「PCR検査」という言葉を耳にする機会が増えましたね。では、PCR検査とは一体どのような検査なのでしょうか。PCR検査は、「ポリメラーゼ連鎖反応」の略称で、検体の中に特定のウイルスや細菌の遺伝子があるかどうかを調べる検査です。例えば、新型コロナウイルスかどうかを調べる場合には、鼻の奥や唾液などから採取した検体に、新型コロナウイルスの遺伝子が含まれているかどうかを調べます。PCR検査の最大の特徴は、その感度の高さにあります。従来の検査方法では、検体中にウイルスや細菌がある程度の量まで増えないと検出できませんでしたが、PCR検査ではごくわずかな量の遺伝子でも検出することが可能です。これは、PCR検査が遺伝子を増幅させるという仕組みを持っているからです。少ない遺伝子量でも増幅することで、高い精度で検出できるのです。また、PCR検査は、従来の検査方法と比較して、短時間で結果が得られることも大きなメリットです。そのため、感染症の早期発見・早期治療に大きく貢献しています。近年では、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために広く活用され、その名が知られるようになりました。
呼吸器

鳥インフルエンザとは

鳥インフルエンザは、鳥の間で流行するインフルエンザウイルスが原因で発生する感染症です。 このウイルスは、鶏やアヒルといった家禽に感染することが多く、養鶏場などで集団感染を引き起こすこともあります。また、渡り鳥など野生の鳥もウイルスを持っていることがあり、鳥インフルエンザの拡散に繋がると懸念されています。 鳥インフルエンザは、感染した鳥の糞便などに触れたり、ウイルスを含む埃を吸い込むことで人に感染することがあります。ただし、人への感染は稀であり、鳥から直接人に感染するケースは多くありません。 しかしながら、人への感染が確認された場合、重症化しやすいという特徴があります。肺炎や呼吸困難などを引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。そのため、鳥インフルエンザは人にとっても軽視できない感染症と言えるでしょう。 鳥インフルエンザの予防には、鳥との接触を避ける、鳥の糞便などに触れた場合はよく手を洗う、といった対策が有効です。また、養鶏場などでは、鳥舎の衛生管理を徹底することが重要です。
消化器

食中毒を防ぐために

食中毒とは、食べ物に付着した細菌やウイルス、有害な化学物質などを口にすることで、体調が悪くなる病気のことを指します。代表的な症状としては、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などが挙げられます。 食中毒の原因は多岐に渡り、大きく分けて細菌やウイルス、寄生虫といった微生物によるもの、農薬や食品添加物などの化学物質によるもの、フグ毒や毒キノコなどの自然毒によるものの3つに分類されます。 中でも細菌やウイルスによる食中毒は、気温や湿度が上昇する夏場に多く発生する傾向があります。これは、高温多湿な環境が、これらの微生物にとって増殖しやすい条件となるためです。 食中毒を予防するためには、食品の購入から調理、保管に至るまで、あらゆる段階で注意を払う必要があります。例えば、肉や魚などの生鮮食品は新鮮なものを選び、持ち帰る際は保冷剤を入れたクーラーボックスなどを使用し、低温を保つように心がけましょう。また、調理の際にはしっかりと加熱し、食品の中心部まで火を通すことが重要です。さらに、調理器具は清潔なものを使用し、生野菜などは流水でよく洗い流してから食べるようにしましょう。 食中毒は、適切な予防策を講じることで、その多くを防ぐことが可能です。日頃から食中毒のリスクを認識し、安全な食品の取り扱いを心がけましょう。
その他

エボラ出血熱:知っておくべきこと

- エボラ出血熱とはエボラ出血熱は、エボラウイルスというウイルスが原因で発症する、重篤で命に関わる危険性の高い感染症です。1976年にスーダンとコンゴ民主共和国で初めて確認されました。それ以降、中央アフリカや西アフリカで断続的に流行が報告されています。この病気は、感染した人の血液や体液(唾液、汗、嘔吐物、糞便、尿、精液など)に直接触れることで感染します。 また、感染した動物(コウモリ、サル、シカ、ヤマアラシなど)の血液、体液、臓器、またはこれらの動物の体液で汚染された物に触れることによっても感染します。エボラ出血熱は、突然の高熱、激しい頭痛、筋肉痛、倦怠感などの症状で始まります。その後、嘔吐、下痢、発疹、腎臓や肝臓の機能障害、場合によっては内出血や外出血などの症状が現れます。この病気は非常に重篤で、致死率は25%から90%と高く、適切な治療を受けても命を落とす場合があります。 エボラ出血熱に対する特別な治療法はありませんが、早期発見と対症療法(脱水症状への対応、酸素供給、血圧の維持など)によって生存率を高めることができます。エボラ出血熱の予防には、感染者との接触を避けること、こまめな手洗いが重要です。 また、流行地域では、野生動物との接触を避け、生肉や加熱不十分な肉の摂取を控える必要があります。
脳・神経

致死の感染症:狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされる恐ろしい感染症です。このウイルスは、感染した動物の唾液中に存在し、主に動物に噛まれたり、引っ掻かれたりすることで人に感染します。 傷口から体内に入ったウイルスは、神経を伝って脳に到達し、そこで増殖して脳炎を引き起こします。 感染すると、初期には発熱や頭痛など、風邪に似た症状が現れます。その後、興奮、錯乱、幻覚、麻痺などの神経症状が現れ、最終的には昏睡状態に陥り、死に至ることがほとんどです。 狂犬病は、適切な治療を行わなければほぼ100%死に至る恐ろしい病気ですが、ワクチン接種によって予防することができます。 狂犬病は世界中でみられる病気ですが、日本では犬に対する徹底したワクチン接種と野犬対策の結果、現在では国内での発生はほとんどみられません。 しかし、海外では依然として流行している地域もあるため、これらの地域へ渡航する際には注意が必要です。 渡航前に狂犬病の予防接種を受けることや、動物との接触を避けるなどの予防策を講じることが重要です。
脳・神経

日本脳炎について

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスが原因となる感染症で、脳に炎症を起こす病気です。このウイルスは、主にブタなどの体内で増殖し、それを吸血した蚊によって人へと媒介されます。人は、日本脳炎ウイルスに感染した蚊に刺されることで感染します。 感染初期には、高熱、頭痛、嘔吐、倦怠感などの症状が現れます。多くの場合、これらの症状は軽度で、数日で回復します。しかし、一部の人は、ウイルスが脳に侵入し、髄膜炎や脳炎などの重い症状を引き起こすことがあります。 重症化した場合、意識障害、けいれん、言語障害、神経麻痺などの神経系の症状が現れ、後遺症が残る可能性もあります。最悪の場合、死に至ることもあります。日本脳炎は、ワクチンで予防できる病気です。流行地域に住んでいる人や、流行地域へ旅行する人は、ワクチン接種を検討することが重要です。
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