もやもや病:原因不明の難病
- もやもや病とはもやもや病は、脳の血管に異常が生じる病気です。 私たちの脳は、常にたくさんの酸素を必要としています。酸素を脳に届けるために、心臓から送り出された血液は、太い血管から枝分かれしながら脳全体に行き渡ります。この血管の中で、特に重要な役割を担っているのが「ウィリス動脈輪」と呼ばれる部分です。ウィリス動脈輪は、脳の底部に位置し、まるで環状道路のように主要な血管を繋いでいます。 もやもや病では、このウィリス動脈輪の周辺にある血管が、狭くなったり詰まったりしてしまいます。すると、脳の細胞に十分な血液が行き渡らなくなり、様々な症状が現れます。 私たちの体は、不足した血液を補おうとする働きがあります。そのため、もやもや病になると、脳は細い血管を新たに作り出して、血液を届けようとします。しかし、この新たに作られた血管は非常に脆く、破れやすいという特徴があります。 この脆い血管は、まるで煙や霧のように見えることから、「もやもや血管」と呼ばれ、病名もこの特徴的な血管の姿に由来しています。もやもや血管は、脳血管造影検査という特殊なレントゲン検査を行うことで、確認することができます。