知っておきたい医療用語:アポ
病院で働く人たちの間では、日常的に様々な専門用語が使われています。その中には、一般の方にはあまり知られていない言葉も少なくありません。「アポ」という言葉も、そうものの一つと言えるでしょう。「アポ」は「あぽ」と読むことが多く、病院の予約や面会などを表す「アポイントメント」を短くした言葉だと勘違いされることもあります。しかし、医療現場で使われる「アポ」は、全く異なる意味を持っています。
それでは、医療現場における「アポ」とは一体何を指すのでしょうか?
「アポ」とは、「apoplexy(アポプレキシー)」の略語であり、これは「脳卒中」を意味する医学用語です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に酸素や栄養が供給されなくなり、様々な神経症状を引き起こす病気です。突然に意識を失ったり、手足が麻痺したり、言葉が話せなくなるなどの症状が現れます。
医療現場では、「アポ」は「脳卒中」の患者さんを指す言葉として使われることが多く、カルテや看護記録にも頻繁に登場します。例えば、「アポの疑いのある患者さんが救急搬送された」「アポ後のリハビリテーション」のように使われます。
「アポ」という言葉一つとっても、医療現場と一般社会では全く異なる意味を持つことが分かります。医療従事者と患者さんとの間で誤解が生じないように、専門用語の意味を正しく理解しておくことが大切です。