アニオンギャップ:電解質バランスの異常を見つける指標
私たちの体は、電解質と呼ばれる、プラスとマイナスの電気を帯びた物質のバランスによって、健康を保っています。プラスの電気を帯びたものを陽イオン、マイナスの電気を帯びたものを陰イオンと呼びます。
アニオンギャップは、血液中の陽イオンと陰イオンの量の差を表す指標です。
通常、血液中の陽イオンの代表としてナトリウムイオンが、陰イオンの代表として塩化物イオンと重炭酸イオンが測定されます。アニオンギャップは、これらのイオンの濃度の差を計算することで求められます。
アニオンギャップは、体内の酸と塩基のバランス、つまり酸塩基平衡の状態を評価する上で重要な指標となります。
酸塩基平衡とは、体内の水素イオン濃度(pH)を一定に保つための仕組みです。
アニオンギャップの値が大きくなる場合は、体内で酸が過剰に作られている状態や、腎臓の機能が低下して酸が排出できない状態などが考えられます。逆に、アニオンギャップの値が小さくなる場合は、低アルブミン血症や、血液中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イオンが増加している状態などが考えられます。
このように、アニオンギャップは、私たちの体の状態を把握するための重要な指標の一つです。