アセトン

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エネルギー危機を救うケトン体

- ケトン体とは?私たちは普段、ご飯やパンなどに含まれる炭水化物からエネルギーを得て生活しています。 炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、体のエネルギー源として利用されます。 しかし、飢餓状態や重い糖尿病などの理由でブドウ糖が不足すると、体はエネルギー不足に陥ります。このようなとき、体は代わりに脂肪を分解してエネルギーを作り出そうとします。 脂肪は肝臓で分解され、その過程でケトン体が作られます。 ケトン体には、アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の3種類があります。 ケトン体は血液に乗って全身に運ばれ、脳や筋肉などの細胞のエネルギー源として利用されます。 ブドウ糖が不足している状況では、ケトン体は生命維持に重要な役割を果たします。ただし、ケトン体が過剰に作られると、血液が酸性に傾くケトアシドーシスという危険な状態に陥ることがあります。 特に、重い糖尿病の患者さんでは注意が必要です。 ケトアシドーシスは意識障害や昏睡などを引き起こし、命に関わることもあります。

アセトン: 体内のケトン体と呼気

- アセトンとはアセトンは、物質を構成する最小単位である分子が、炭素原子3つ、水素原子6つ、酸素原子1つが結合してできた化合物です。この構造を持つ物質はケトンと呼ばれるグループに分類され、アセトンはその中でも最も単純な構造を持つ物質です。常温では、無色透明で、揮発性の高い液体として存在します。揮発性が高いということは、空気中に放置しておくと、液体から気体に状態変化しやすいという意味です。そのため、アセトンは特徴的な甘い匂いを放ちます。アセトンは、私たちの身の回りで様々な用途に利用されています。その中でも代表的なものが、マニキュアの除光液です。マニキュアの主成分であるニトロセルロースはアセトンによく溶ける性質を持っているため、アセトンを含ませた脱脂綿で爪を拭くことで、マニキュアを落とすことができるのです。また、アセトンは塗料や接着剤の溶剤としても広く使用されています。塗料や接着剤に含まれる樹脂を溶かして、扱いやすくしたり、乾燥を早める効果があります。その他にも、プラスチックや合成繊維の製造過程など、工業分野でも幅広く利用されています。しかし、アセトンは引火性が高いため、取り扱いには十分な注意が必要です。火気のある場所で使用したり、保管する場合は、換気を十分に行い、火の気のない場所を選びましょう。また、目や皮膚に触れると刺激があるため、使用時は保護メガネや手袋を着用するなど、適切な対策を心がけましょう。
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エネルギー源 ケトン体の役割

- ケトン体とは私たちの体は、普段は食事から摂取した糖質を分解してできるブドウ糖を主なエネルギー源としています。しかし、飢餓状態や重度の糖尿病など、ブドウ糖が不足するような状況下では、体は別のエネルギー源を必要とします。このような状況下で、体内で脂肪が分解される過程で生成されるのがケトン体です。ケトン体は、具体的にはアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸という3つの物質の総称です。これらの物質は、ブドウ糖が利用できない状況下において、脳や筋肉など、体の様々な組織や器官にエネルギーを供給する重要な役割を担います。ケトン体は、肝臓で脂肪酸から合成されます。そして、血液によって全身に運ばれ、ブドウ糖の代わりにエネルギー源として利用されます。特に、ブドウ糖をエネルギー源として利用することが難しい脳にとっては、ケトン体は非常に重要なエネルギー源となります。このように、ケトン体は、ブドウ糖が不足するような緊急事態において、私たちの体を支える重要な役割を担っているのです。
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