医療現場における『バリアンス』とは?
- ばらつきの意味「ばらつき」とは、本来「相違」や「不一致」、「分散」といった意味を持つ言葉です。 これは、あるデータの集団において、個々のデータが平均値や期待値からどれくらい離れているかを表す指標として用いられます。医療の現場においても、「ばらつき」は重要な意味を持ちます。特に、標準化された治療計画である「クリニカルパス」においては、想定された治療経過から外れた状態、つまりアウトカムが達成されない状態を指す場合に用いられます。例えば、ある病気に対する標準的な治療期間が設定されていたとしても、患者の状態や体質、合併症の有無などによって、実際の治療期間は前後することがあります。この治療期間の差が「ばらつき」として捉えられます。医療現場における「ばらつき」の発生には、様々な要因が考えられます。患者の年齢や性別、持病の有無といった背景因子、治療に対する反応性、生活習慣の違いなどが挙げられます。「ばらつき」を把握することは、医療の質向上に不可欠です。「ばらつき」の原因を分析することで、標準化された治療計画をより効果的に機能させ、患者一人ひとりに最適な医療を提供することに繋がるからです。