びらん:皮膚の浅い傷と治癒について
- びらんとは何か
私たちの体は、外界からの様々な刺激から身を守るために、皮膚というバリアで覆われています。皮膚は、場所や役割によって厚さが異なりますが、大きく分けて3つの層で構成されています。
一番外側にあるのが表皮と呼ばれる層です。この層は、細菌やウイルスなどの病原体や、紫外線などの有害な刺激から体を守る、まさに最前線の防御壁としての役割を担っています。その内側には、真皮と呼ばれる層があります。真皮は、コラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質を豊富に含み、皮膚に弾力と強度を与えています。また、血管や神経などもこの層に分布しています。そして、最も内側にあるのが皮下組織です。皮下組織は、主に脂肪細胞からなり、体温の維持や外部からの衝撃を吸収する役割を担っています。
「びらん」とは、この皮膚のうち、最も外側にある表皮だけが傷ついた状態を指します。つまり、真皮よりも深くまでは達していない浅い傷のことです。カミソリ負けや靴擦れなどが、びらんの代表的な例です。びらんは、適切な処置を行えば、通常は跡を残さずに綺麗に治癒します。