甲状腺がん:知っておきたい基礎知識

外科

甲状腺がん:知っておきたい基礎知識

病院での用語を教えて

先生、「甲状腺がん」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?

体の健康研究家

そうだね。「甲状腺がん」は、のど仏の下あたりにある「甲状腺」という器官にできるがんだよ。この甲状腺は、体の metabolism(新陳代謝) を調整するホルモンを作っているんだ。

病院での用語を教えて

metabolism(新陳代謝) ってなんですか?

体の健康研究家

簡単に言うと、体の中で食べ物をエネルギーに変えたり、古い細胞を新しい細胞に変えたりすることだよ。甲状腺がんになると、この metabolism(新陳代謝) が乱れてしまうことがあるんだ。

甲状腺がんとは。

「甲状腺がん」っていう病気の言葉について説明するね。甲状腺がんっていうのは、喉ぼとけの下あたりにある甲状腺っていう場所にできるがんだよ。この病気、実は女性の方がなりやすいと言われているんだ。

甲状腺がんとは

甲状腺がんとは

– 甲状腺がんとは喉仏の下あたりにある、蝶のような形をした甲状腺という臓器をご存知でしょうか。この甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌するという、とても大切な役割を担っています。 甲状腺がんとは、この甲状腺に発生するがんのことを指します。甲状腺がんは、他の臓器のがんと比較して比較的まれながんですが、近年増加傾向にあります。 特に、20歳代から40歳代の女性に多く見られるのも特徴の一つです。甲状腺がんは、進行が遅く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒率の高いがんとしても知られています。 しかし、進行すると、声のかすれや呼吸困難などの症状が現れることがあります。 また、まれに、骨や肺などに転移することもあります。甲状腺がんの主な治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法などです。 治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なります。甲状腺がんは、早期発見、早期治療が非常に重要です。 定期的な健康診断や、首にしこりなどを感じた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

項目 詳細
定義 喉仏の下あたりにある甲状腺という臓器に発生するがん
特徴
  • 他の臓器のがんと比較して比較的まれだが、近年増加傾向
  • 20歳代から40歳代の女性に多く見られる
  • 進行が遅く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒率が高い
症状
  • 進行すると、声のかすれや呼吸困難
  • まれに、骨や肺などに転移する
治療法
  • 手術療法
  • 放射線療法
  • 薬物療法
重要なポイント 早期発見、早期治療が非常に重要

男女比と発症年齢

男女比と発症年齢

甲状腺がんは、性別によってかかりやすさが異なることが知られており、女性の方が男性よりも発症するリスクが高いです。統計によると、女性の甲状腺がんの発症率は男性の約3倍にものぼります。

発症年齢は幅広いものの、30歳から50歳代の間に発症するケースが多い傾向にあります。この時期は、女性ホルモンの分泌が活発な時期と重なるため、女性ホルモンと甲状腺がんの発生との関連性が指摘されています。

ただし、30歳未満や50歳以上でも甲状腺がんを発症する可能性は十分にあります。年齢や性別に関係なく、首の腫れや痛み、声のかすれなどの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

項目 詳細
性差 女性の方が男性より約3倍発症リスクが高い
発症年齢 30歳から50歳代が最も多い
その他 年齢や性別に関係なく、首の腫れや痛み、声のかすれ等の症状が出たら早めに医療機関を受診

甲状腺がんの種類

甲状腺がんの種類

– 甲状腺がんの種類甲状腺がんは、発生する細胞の種類によって、いくつかのタイプに分けられます。主な種類としては、乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、未分化がんの4つが挙げられます。それぞれの特徴や進行度合い、治療法が異なります。最も患者数が多いのは乳頭がんです。 乳頭がんは比較的進行が遅く、リンパ節への転移が見られることもありますが、適切な治療を行えば治癒が期待できるがんといわれています。濾胞がんも比較的進行が遅いタイプですが、乳頭がんに比べて血管や肺への転移のリスクがやや高くなります。髄様がんは、他の3つのタイプに比べて発生頻度は低いものの、カルシトニンというホルモンを分泌することが特徴です。カルシトニンはカルシウム代謝に関与するホルモンであり、髄様がんではこのホルモンが過剰に分泌されるため、治療の一環としてカルシウム濃度の管理が必要となります。未分化がんは、甲状腺がんの中で最もまれなタイプですが、がん細胞の増殖が非常に速く、最も予後が悪いがんとされています。未分化がんと診断された場合は、集学的治療と呼ばれる、手術、放射線治療、化学療法などを組み合わせた治療が行われます。このように、甲状腺がんは種類によってその性質が大きく異なります。それぞれのタイプの特徴を理解し、適切な治療を受けることが重要です。

甲状腺がんの種類 特徴 進行度合い 治療法
乳頭がん 最も患者数が多い。リンパ節への転移が見られることもある。 比較的進行が遅い。適切な治療を行えば治癒が期待できる。
濾胞がん 乳頭がんに比べて血管や肺への転移のリスクがやや高い。 比較的進行が遅い。
髄様がん 発生頻度は低いが、カルシトニンを分泌するのが特徴。カルシウム濃度の管理が必要。
未分化がん 最もまれなタイプ。がん細胞の増殖が非常に速く、最も予後が悪い。 最も進行が速い。 集学的治療(手術、放射線治療、化学療法など)

主な症状

主な症状

– 主な症状

甲状腺がんは、初期の段階では自覚できるような症状が現れないことが少なくありません。そのため、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。

しかし、がんが進行するにつれて、以下のような症状が現れることがあります。

最も一般的な症状は、首の前側にある喉仏のあたりにしこり(腫瘤)ができることです。これは、がんが甲状腺内で増殖し、周囲の組織を圧迫することで生じます。しこりは、硬く触れる場合や、痛みを伴う場合があります。

また、がんが声帯を支配する神経を圧迫すると、声がれが生じることがあります。さらに、がんが大きくなると、気管や食道を圧迫し、息苦しさや飲み込みにくさを覚えることもあります。

その他、甲状腺がんでは、リンパ節への転移によって、首のリンパ節が腫れることもあります。

これらの症状は、甲状腺がん以外にも、さまざまな病気が原因で起こることがあります。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

症状 説明
しこり(腫瘤) 首の前側、喉仏あたりにできる。硬かったり、痛みを伴う場合もある。
声のかすれ がんが声帯を支配する神経を圧迫することで生じる。
息苦しさ がんが大きくなり、気管を圧迫することで生じる。
飲み込みにくさ がんが大きくなり、食道を圧迫することで生じる。
首のリンパ節の腫れ がんがリンパ節に転移することで生じる。

診断と治療

診断と治療

– 診断と治療甲状腺がんは、比較的初期の段階では自覚症状が現れにくい病気です。そのため、健康診断などで首の腫れを指摘されたり、偶然発見されるケースも少なくありません。甲状腺がんの疑いがある場合、医師はまず触診を行います。首の周りや甲状腺の大きさ、硬さ、表面の滑らかさなどを確認することで、腫瘍の有無や特徴を調べます。触診である程度の判断はつきますが、確定診断のためには、さらなる検査が必要となります。血液検査では、甲状腺ホルモンの値や甲状腺がんに特徴的な腫瘍マーカーの有無を調べます。また、超音波検査では、甲状腺の内部構造を詳しく観察し、腫瘍の大きさや形状、周囲組織への浸潤の有無などを確認します。これらの検査である程度がんの可能性が疑われる場合には、針生検を行います。これは、細い針を腫瘍に刺して細胞を採取し、顕微鏡で観察することでがん細胞の有無を調べる検査です。甲状腺がんの治療法は、がんの種類や進行度、患者の年齢や全身状態などを考慮して決定されます。基本的には手術療法が第一選択となり、がんの進行度合いによっては、リンパ節の切除も行われます。手術後には、甲状腺ホルモンの分泌量が不足するため、ホルモン剤を服用してホルモンバランスを整える必要があります。進行がんや手術が困難な場合などには、放射線治療が行われることもあります。放射線治療は、がん細胞に放射線を照射して死滅させる治療法です。また、甲状腺がんの種類によっては、薬物療法が行われることもあります。甲状腺がんは、早期発見・早期治療によって治癒が期待できる病気です。首の腫れや違和感など、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

診断 検査 治療
  • 初期は自覚症状が現れにくい
  • 健康診断や偶然発見されることが多い
  • 医師は触診で腫瘍の有無や特徴を調べる
  • 確定診断にはさらなる検査が必要
  • 血液検査:甲状腺ホルモン値、腫瘍マーカーを調べる
  • 超音波検査:腫瘍の大きさ、形状、周囲組織への浸潤を調べる
  • 針生検:腫瘍に針を刺し細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞の有無を調べる
  • がんの種類、進行度、患者の状態により決定
  • 基本は手術療法(場合によりリンパ節切除)
  • 手術後はホルモン剤服用
  • 進行がんや手術困難な場合は放射線治療
  • 種類によっては薬物療法

早期発見が重要

早期発見が重要

近年、患者数が増加傾向にある甲状腺がんですが、早期に発見して適切な治療を行えば、治癒率の高いがんであるということはあまり知られていません。
甲状腺がんは、初期の段階では自覚症状が現れにくいという特徴があります。そのため、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。しかし、進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

* 首の腫れ甲状腺がある首の前側に、しこりのような腫れが現れます。
* 首の違和感喉のあたりに何かが詰まっているような違和感や、圧迫感を感じることがあります。
* 声のかすれ甲状腺がんが大きくなると、声帯を圧迫し、声がかすれたり、出しにくくなったりすることがあります。
* 呼吸困難腫瘍が気管を圧迫することで、呼吸が苦しくなることがあります。
* 飲み込みづらさ腫瘍が食道付近にまで及ぶと、食べ物が飲み込みにくくなることがあります。

これらの症状は、他の病気でも起こる可能性があります。しかし、「たかが首の腫れ」と安易に考えず、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診することが大切です。早期発見は、甲状腺がんの治療において非常に重要です。定期的な健康診断の受診も心がけましょう。

甲状腺がんの症状
首の腫れ
首の違和感
声のかすれ
呼吸困難
飲み込みづらさ

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