多発性筋炎・皮膚筋炎とは?:原因、症状、治療法

皮膚科

多発性筋炎・皮膚筋炎とは?:原因、症状、治療法

病院での用語を教えて

先生、「多発性筋炎/皮膚筋炎」って、一体どんな病気なんですか?名前が難しくて、よく分かりません。

体の健康研究家

そうだね。「多発性筋炎/皮膚筋炎」は、簡単に言うと、自分の免疫の力が誤って自分の筋肉を攻撃してしまう病気なんだ。そうすると、筋肉が炎症を起こして、力が入りにくくなってしまうんだ。

病院での用語を教えて

へえ、自分の免疫が自分を攻撃してしまうんですか?それで、筋肉が弱ってしまうんですね…。ところで、「多発性筋炎」と「皮膚筋炎」の違いは何ですか?

体の健康研究家

良い質問だね!どちらも筋肉が炎症を起こす病気なんだけど、「皮膚筋炎」は、筋肉の症状に加えて、皮膚にも赤い発疹が出たりするんだ。だから、皮膚の症状があるかないかで名前が変わるんだよ。

多発性筋炎/皮膚筋炎とは。

「多発性筋炎/皮膚筋炎」は、医学や健康でよく聞く言葉です。まず、「多発性筋炎」は、体の免疫の働きがおかしくなることで、体の中の中心に近い筋肉や首の筋肉、のどなどの筋肉が弱くなってしまう病気です。そして、この病気の患者さんの中には、皮膚に症状が出る人がいます。このような場合、「皮膚筋炎」と呼ばれます。

多発性筋炎・皮膚筋炎の概要

多発性筋炎・皮膚筋炎の概要

– 多発性筋炎・皮膚筋炎の概要多発性筋炎と皮膚筋炎は、まとめて炎症性筋疾患と呼ばれる病気のグループに分類されます。これらの病気は、本来体を守るはずの免疫システムが誤って自分の筋肉組織を攻撃してしまう、自己免疫疾患に該当します。その結果、筋肉に炎症が起こり、筋力低下や筋肉痛といった症状が現れます。多発性筋炎と皮膚筋炎は、どちらも筋肉の炎症を主症状としますが、皮膚筋炎では筋肉の症状に加えて特徴的な皮膚症状も現れる点が異なります。具体的には、目の周囲に赤紫色の発疹が現れたり、指の関節や肘、膝などに赤い斑点が出たりします。これらの病気の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、遺伝的な要因やウイルス感染などが発症に関与していると考えられています。多発性筋炎と皮膚筋炎は、放置すると筋肉が徐々に弱っていき、日常生活に支障をきたすようになります。そのため、早期に診断し、適切な治療を開始することが重要です。治療には、炎症を抑える薬や免疫を抑える薬などが用いられます。

項目 内容
分類 炎症性筋疾患(自己免疫疾患)
原因 免疫システムが自分の筋肉組織を攻撃(遺伝的要因やウイルス感染などが関与?)
症状
  • 筋力低下
  • 筋肉痛
  • 皮膚筋炎では、目の周囲の赤紫色の発疹、指の関節や肘、膝などに赤い斑点
経過 放置すると筋肉が徐々に弱り、日常生活に支障
治療法 炎症を抑える薬や免疫を抑える薬

原因と発症メカニズム

原因と発症メカニズム

– 原因と発症メカニズム多発性筋炎や皮膚筋炎は、その原因が完全には解明されていない病気です。しかし、遺伝的な要因環境的な要因の両方が複雑に絡み合って発症すると考えられています。まず、遺伝的な要因としては、これらの病気に罹りやすい体質が遺伝的に受け継がれる可能性が指摘されています。これは、特定の遺伝子の型を持つ人が、これらの病気を発症するリスクが高いという研究結果に基づいています。しかし、遺伝的な要因だけで発症が決まるわけではなく、環境的な要因も大きく影響します。環境的な要因としては、ウイルス感染特定の物質への曝露などが挙げられます。例えば、過去に特定の種類のウイルスに感染した経験があると、その後に多発性筋炎や皮膚筋炎を発症するリスクが高くなることが知られています。また、特定の薬剤や化学物質、紫外線などが、これらの病気を発症させる引き金になる可能性も示唆されています。これらの遺伝的要因と環境的要因が重なることで、体の免疫システムに異常が生じ、本来は体を守るべき免疫細胞が、自分自身の筋肉や皮膚を攻撃してしまうと考えられています。これが、筋肉や皮膚の炎症を引き起こし、多発性筋炎や皮膚筋炎の症状として現れると考えられています。しかし、具体的なメカニズムについてはまだ不明な点が多く、今後の研究による解明が待たれています。

要因 詳細
遺伝的要因 特定の遺伝子の型を持つ人は発症リスクが高い。
環境的要因 ウイルス感染:特定の種類のウイルス感染経験があると発症リスクが高くなる。
特定の物質への曝露:薬剤、化学物質、紫外線などが発症の引き金になる可能性。

代表的な症状

代表的な症状

– 代表的な症状多発性筋炎と皮膚筋炎は、どちらも体の免疫システムが自分の筋肉や皮膚を攻撃してしまうことで起こる病気です。そのため、筋肉の炎症による症状が共通してみられます。最も典型的な症状は、進行性の筋力低下です。最初は階段の上り下りや立ち上がり動作など、日常生活で何気なく行っていた動作に違和感を感じる程度かもしれません。しかし、徐々に筋力低下が進むと、椅子から立ち上がることさえ困難になる場合もあります。特に、肩や太ももの筋肉が弱くなりやすい傾向があります。また、筋力低下以外にも、筋肉の痛みや疲労感、体重減少といった症状が現れることもあります。これらの症状は、風邪や過労などとも似ているため、病気の発見が遅れてしまうケースも少なくありません。一方、皮膚筋炎の場合、多発性筋炎と同様の症状に加えて、皮膚に特徴的な症状が現れます。顔面、特にまぶたの上あたりに、蝶が羽を広げたような形をした赤い発疹が現れることが多く、これは皮膚筋炎の典型的な症状と言えるでしょう。また、指の関節や肘、膝などにも赤い発疹がみられることがあります。さらに、爪の周りの毛細血管が拡張して赤く透けて見えたり、皮膚の下にカルシウムが沈着して硬いしこりができたりすることもあります。これらの皮膚症状は、日光に当たると悪化しやすい傾向があります。多発性筋炎と皮膚筋炎は、早期に発見して適切な治療を開始することが重要です。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

症状 多発性筋炎 皮膚筋炎
筋肉の症状
  • 進行性の筋力低下 (階段の上り下り、立ち上がり動作など)
  • 筋肉の痛み
  • 疲労感
  • 体重減少
  • 多発性筋炎と同様の症状
皮膚の症状 なし
  • 顔面の赤い発疹 (特にまぶたの上、蝶の形)
  • 指関節、肘、膝などの赤い発疹
  • 爪周りの毛細血管拡張
  • 皮膚の下のカルシウム沈着

診断のポイント

診断のポイント

– 診断のポイント多発性筋炎や皮膚筋炎は、筋肉の炎症や皮膚の症状を特徴とする病気ですが、その原因は複雑で、診断には様々な検査結果を総合的に判断する必要があります。まず、医師は患者さんから詳しく話を伺います。具体的には、いつからどのような症状が現れたのか、他に症状はないか、過去にかかった病気や服用中の薬などについて詳しくお聞きします。これは診断の糸口を見つける上で非常に重要です。次に、身体診察を行います。筋肉の痛みや圧痛の有無、関節の動き、皮膚の発疹の状態などを注意深く調べます。筋肉の炎症が疑われる場合は、血液検査を行います。血液検査では、筋肉の細胞が壊れた時に血液中に流れ出す酵素(CK、AST、ALT、LDHなど)の量を測定します。これらの酵素の値が高い場合は、筋肉の炎症が起きている可能性が高いと考えられます。また、自己免疫疾患が疑われる場合は、自己抗体の有無を調べます。自己抗体とは、自分自身の体の成分を攻撃してしまう抗体のことで、多発性筋炎や皮膚筋炎では、特定の自己抗体が陽性になることがあります。さらに、筋肉の電気的な活動を調べる筋電図検査や、筋肉組織を採取して顕微鏡で調べる筋生検を行うこともあります。筋電図検査では、筋肉に針を刺して、筋肉が収縮する際に発生する電気信号を測定します。筋炎では、特徴的な波形が見られることがあります。筋生検は、筋肉に針を刺して、少量の筋肉組織を採取する検査です。採取した筋肉組織を顕微鏡で観察することで、炎症の程度や種類などを詳しく調べることができます。筋生検は、確定診断のために非常に役立つ検査ですが、身体への負担が大きいため、他の検査結果と合わせて慎重に判断する必要があります。このように、多発性筋炎や皮膚筋炎の診断には、病歴聴取、身体診察、血液検査、筋電図検査、筋生検など、様々な検査を組み合わせて総合的に判断することが重要です。

検査 目的 詳細
病歴聴取 診断の糸口を見つける 症状の onset, 経過, 関連症状, 病歴, 服薬状況などを聴取
身体診察 筋肉と皮膚の状態を確認 筋肉の痛み, 圧痛, 関節の動き, 皮膚の発疹などを確認
血液検査 筋肉の炎症と自己免疫疾患のマーカーを調べる CK, AST, ALT, LDH などの酵素, 自己抗体の有無を測定
筋電図検査 筋肉の電気的な活動を調べる 筋肉に針を刺し, 筋肉が収縮する際に発生する電気信号を測定し, 特徴的な波形がないか確認
筋生検 筋肉の炎症の程度や種類を調べる 筋肉組織を採取し, 顕微鏡で観察

治療の選択肢

治療の選択肢

– 治療の選択肢多発性筋炎と皮膚筋炎は、筋肉の炎症を抑え、筋力の低下といった症状を和らげることを目標に治療を行います。治療の中心となるのは、炎症を抑える薬と、体の機能を維持・改善するためのリハビリテーションです。まず、炎症を抑える薬としては、ステロイド薬と免疫抑制薬がよく用いられます。ステロイド薬は、炎症を抑える効果が非常に高く、病気の活動を抑えるために重要な役割を果たします。免疫抑制薬は、免疫の働きを抑えることで、筋肉への攻撃を和らげます。これらの薬は、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせて、種類や量を調整しながら使用します。薬物療法と並行して、リハビリテーションも重要な役割を担います。理学療法士による運動療法やストレッチングは、筋力や関節の柔軟性を維持、向上させる効果があります。これらのリハビリテーションは、日常生活の動作をスムーズに行えるように、そして患者さんの生活の質を向上させるために大変重要です。

治療法 目的 詳細
薬物療法 炎症の抑制 – ステロイド薬: 炎症を抑える効果が高い
– 免疫抑制薬: 免疫の働きを抑え、筋肉への攻撃を和らげる
– 患者ごとに種類や量を調整
リハビリテーション 体の機能の維持・改善 – 理学療法士による運動療法
– ストレッチング
– 筋力や関節の柔軟性を維持、向上

日常生活における注意点

日常生活における注意点

– 日常生活における注意点多発性筋炎や皮膚筋炎と診断された場合、普段の生活の中で気を付けるべき点がいくつかあります。これらの病気は、筋肉や皮膚に炎症が起こることで、様々な症状を引き起こします。まず、規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠と休息をとりましょう。睡眠不足や疲労は、免疫力の低下に繋がり、症状の悪化を招く可能性があります。また、栄養バランスの取れた食事も大切です。免疫力を高め、炎症を抑える働きを持つビタミンやミネラルを積極的に摂取しましょう。適度な運動は、筋力維持や疲労感の軽減に役立ちます。軽い散歩やストレッチなど、無理のない範囲で行いましょう。ただし、激しい運動は症状を悪化させる可能性があるので、必ず医師と相談し、指示に従ってください。皮膚筋炎の場合、日光過敏症がみられることがあります。外出時には、日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を使用したりして、紫外線対策をしっかりと行いましょう。衣服で肌を覆うことも有効です。これらの病気は、個人差が大きく、症状や重症度も人それぞれです。医師の指示をよく守り、自分自身の体調変化に注意しながら、日常生活を送ることが大切です。

項目 詳細
生活習慣 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠と休息をとる
食事 栄養バランスの取れた食事を摂取する。特に、免疫力を高め、炎症を抑える働きを持つビタミンやミネラルを積極的に摂取する
運動 適度な運動(軽い散歩やストレッチなど)を行う。ただし、激しい運動は症状を悪化させる可能性があるので、医師と相談の上行う
日光対策 日光過敏症がみられる場合があるため、日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を使用したりして、紫外線対策をしっかりと行う
その他 医師の指示をよく守り、自分自身の体調変化に注意しながら生活する

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