乾癬:皮膚の病気について
病院での用語を教えて
先生、「乾癬」ってどんな病気ですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「乾癬」は皮膚の病気の一種で、皮膚が赤くなって、カサカサとしたものができるんだよ。これは皮膚が炎症を起こして、必要以上に早く生まれ変わってしまうために起こるんだ。
病院での用語を教えて
皮膚が生まれ変わるのが早くなるんですね。一体なぜそんなことが起きるんですか?
体の健康研究家
詳しい原因はまだ完全には解明されていないんだ。ただ、免疫の異常が関係していると考えられているよ。この病気は、人によって症状の出方が違うのも特徴の一つだね。
乾癬とは。
「乾癬」という医学・健康用語について説明します。「乾癬」は、皮膚に炎症が起こり、角質が過剰に作られる病気の一種です。症状によって、「尋常性乾癬」「滴状乾癬」「膿疱性乾癬」「乾癬性紅皮症」「関節症性乾癬」の5つのタイプに分けられます。
乾癬とは
– 乾癬とは乾癬は、皮膚に赤い斑点ができ、その上に白いカサカサしたものが付着する病気です。この白いカサカサしたものを鱗屑(りんせつ)と呼びます。乾癬は、かゆみを生じる場合もありますが、症状の出方は人によって大きく異なります。ある人は皮膚の一部に小さな赤い斑点が現れるだけですが、別の人は体全体に広範囲にわたって症状が現れることもあります。また、爪が変形したり、関節に痛みが出たりすることもあります。乾癬の原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常が大きく関わっていると考えられています。本来、免疫は体外から侵入してきた細菌やウイルスから体を守る働きをしています。しかし、乾癬の場合、この免疫システムが何らかの原因で自分の体の皮膚を攻撃してしまうため、炎症が起こり、皮膚が異常に増殖してしまうのです。その結果、赤い斑点や鱗屑といった症状が現れると考えられています。乾癬は感染する病気ではありませんので、他の人にうつる心配はありません。しかし、見た目の問題から、精神的なストレスを感じてしまう方も少なくありません。乾癬は慢性的な病気であり、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。そのため、症状をコントロールし、日常生活に支障が出ないようにすることが重要になります。医師の指示に従って適切な治療を継続していくことが大切です。
項目 | 内容 |
---|---|
病気の名前 | 乾癬 |
症状 | – 皮膚に赤い斑点ができ、白いカサカサしたものが付着する – かゆみを生じる場合もある – 爪が変形したり、関節に痛みが出たりすることもある |
原因 | – 免疫の異常が関わっていると考えられている – 免疫システムが自分の皮膚を攻撃してしまうため、炎症が起こり、皮膚が異常に増殖する |
伝染性 | なし |
経過 | – 慢性的な病気 – 症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す |
治療 | – 医師の指示に従って適切な治療を継続していく |
乾癬の種類
皮膚に赤い斑点や鱗屑が現れる乾癬は、実は一種類ではなく、いくつかのタイプに分けられます。
乾癬の中で最も患者数が多いのは尋常性乾癬です。このタイプは、頭部や肘、膝など、体に繰り返し同じ場所に症状が現れます。赤い斑点の上に、フケのようにボロボロと剥がれ落ちる白い鱗屑が付着するのが特徴です。
尋常性乾癬とは別に、滴状乾癬は、その名の通り、水滴のような形状の赤い発疹が全身に広がります。このタイプは、溶連菌感染症の後に発症することが多く、特に子供に多く見られます。
膿疱性乾癬は、赤い斑点の中に膿がたまってしまい、痛みやかゆみなどの強い症状を引き起こします。
乾癬性紅皮症は、全身の皮膚が真っ赤になる重症化した状態です。皮膚が炎症を起こして熱を持つため、全身のだるさや発熱を伴うこともあります。
乾癬の中には、皮膚だけでなく関節にも炎症を起こすタイプもあります。それが関節症性乾癬です。関節の痛みや腫れ、こわばりなどが症状として現れ、日常生活に支障が出ることもあります。
このように乾癬には様々な種類があり、それぞれのタイプによって症状や適切な治療法が異なります。自己判断せず、皮膚科専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
乾癬の種類 | 特徴 |
---|---|
尋常性乾癬 | 最も多いタイプ。頭部、肘、膝などに赤い斑点と白い鱗屑が現れる。 |
滴状乾癬 | 水滴状の赤い発疹が全身に広がる。溶連菌感染後の子供に多い。 |
膿疱性乾癬 | 赤い斑点に膿がたまり、痛みやかゆみを引き起こす。 |
乾癬性紅皮症 | 全身の皮膚が真っ赤になる重症化した状態。発熱やだるさを伴うこともある。 |
関節症性乾癬 | 皮膚だけでなく関節にも炎症が起こり、痛みや腫れ、こわばりが出る。 |
乾癬の治療
– 乾癬の治療乾癬は、皮膚に赤い斑点やかさぶたができる、慢性の皮膚疾患です。症状の程度や種類、患者さんの状態によって適切な治療法が異なってきます。軽症の場合、まずはステロイド外用薬などの塗り薬を使用することが一般的です。これらの薬は、炎症を抑え、皮膚の細胞の過剰な増殖を抑制する効果があります。症状が軽い場合は、塗り薬だけで症状が改善することも少なくありません。中等症から重症の場合、塗り薬だけでは効果が不十分なことがあります。その場合は、紫外線療法や内服薬、注射薬といった治療法が検討されます。紫外線療法は、特定の波長の紫外線を照射することで、皮膚の炎症を抑え、症状を改善する方法です。内服薬としては、免疫の働きを抑えることで皮膚の炎症を抑える薬や、ビタミンA誘導体などが用いられます。生物学的製剤は、近年開発された新しいタイプの注射薬で、乾癬の原因となる物質をピンポイントで抑えることで、高い効果が期待できます。乾癬の治療は、症状を抑え、日常生活に支障がない状態を保つことを目標に行われます。症状が改善しても、自己判断で治療を中断せずに、医師の指示に従って治療を継続することが大切です。また、皮膚の乾燥やストレス、感染症などが乾癬の悪化因子となることがあるため、普段からスキンケアをしっかり行い、規則正しい生活を心がけることが重要です。
乾癬の症状 | 治療法 | 備考 |
---|---|---|
軽症 | ステロイド外用薬などの塗り薬 | 炎症を抑え、皮膚細胞の過剰な増殖を抑制する。 |
中等症から重症 | ・紫外線療法 ・内服薬(免疫抑制剤、ビタミンA誘導体など) ・生物学的製剤(注射) |
・紫外線療法は、特定の波長の紫外線を照射することで、皮膚の炎症を抑え、症状を改善する方法。 ・生物学的製剤は乾癬の原因となる物質をピンポイントで抑える。 |
日常生活における注意点
乾癬は、一度発症すると完全に治すことが難しい病気として知られています。しかし、適切な治療と日々の生活習慣を改善することで、症状をコントロールし、日常生活に支障がない程度にまで改善できる可能性は十分にあります。
乾癬の症状を悪化させる要因の一つに、皮膚の乾燥があります。乾燥を防ぐためには、こまめな保湿が重要です。お風呂上がりや乾燥を感じた際には、保湿効果の高いクリームやローションを皮膚にやさしく塗布しましょう。
また、ストレスや疲労、過度な飲酒や喫煙も、乾癬の症状を悪化させる要因となります。これらの要因をできるだけ避けるように心がけ、規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとるようにしましょう。
食生活も、乾癬の症状に影響を与える可能性があります。栄養バランスの取れた食事を心がけ、野菜や果物を積極的に摂取するようにしましょう。
乾癬は完治が難しい病気ではありますが、医師の指導のもと、適切な治療とセルフケアを続けることで、症状をコントロールし、充実した日常生活を送ることができます。諦めずに、前向きに治療に取り組みましょう。
要因 | 対策 |
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皮膚の乾燥 | こまめな保湿(保湿効果の高いクリームやローションを使用) |
ストレスや疲労、過度な飲酒や喫煙 | 規則正しい生活、十分な睡眠 |
食生活 | 栄養バランスの取れた食事、野菜や果物を積極的に摂取 |